各界からお寄せいただいたコメント
1986年の演劇ぶっく創刊以来、お世話になったみなさまに、
代表の坂口真人が「えんぶ☆TOWN」についてのご意見、ご提案、ご批判などを伺いました。(敬称略)
街歩きは、情報に頼らず、自分の足を使って、五感をフル活動させてのんびりするものだと思っています。
その入り口になってくれたらいいなあと思います。「ここがポイント」みたいな街紹介にならないといいな。
演劇と街のリアルでタイムリーな関係性が出るといいですね。
ポスターが貼ったそばから盗まれていた、という状況劇場の頃の話を聞くと、街と演劇のスリリングな関係が感じられて憧れますね。そんなの困るんだけど(笑)
久住昌之(まんが家・音楽家)
私は常に自分とは違うジャンルのアーティストとの繋がりを求めています。また、お互いを面白いと思い、新しく手を組むとのできる主催者を常に探しています。なんならばそういう方々と出会うために作品を作っているともいえます。
しかしどうしても演劇の現場と自宅との行き来になると出会いが限られたり、自分の世界が狭まっていくような心地にもなります。
なのでこのような試みを聞いて、大きな期待と希望をいだきました。
アーティストたちは誰しも自分のフィルターを通して世界を見つめ作品を作っていると思いますが、その眼差しを共有できる場所が出来ると思うと心が躍ります。
私も実際にぜひ活用させて頂きたいなと思います!
稲葉賀恵(演出家/文学座)
演劇に携わるようになって30年。
始めはいわゆる宝塚の「下級生」で、ただ流れに身を任せているだけでしたが、時が流れその大きな船から小舟に乗り換えてからは紆余曲折、演劇情報を得る為にまた宣伝していただく為に欠かせない雑誌だったえんぶ。それが昨今の紙媒体の衰退によりどこに行ってしまうのかと思っていたら、こんな画期的な場所が出来上がっていたなんて!正直驚きました!!!
ビルド&クラッシュしながらも無くてはならない、標準装備の原点になりますように。
そして新しい出会いのケミストリーで演劇界が盛り上がっていきますように。
これからも宜しくお願いします
えんぶ⭐TOWN
私も楽しみたいと思います。
水夏希(女優)
次回予定
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『リア王の悲劇』
9/16〜10/3◎KAAT神奈川芸術劇場(ホール内特設会場)
今こそ演劇•LIVEの持つ生で体感するエンタメの凄みをアピールする時だと感じています。何か分からないモノには興味が湧かないのは当たり前で、演劇体験者の裾野を広げる為には、まずは気軽に知って貰うこと、その手段としてネット媒体はかなり有効に違いありません。この『えんぶ⭐︎TOWN 』がその窓口となるような媒体になる事を願ってます。
宅間孝行(俳優・脚本家・監督/タクフェス)
次回予定
タクフェス『夕-ゆう-』11/1~10◎サンシャイン劇場、大阪、福岡、名古屋、札幌公演あり。
2024年夏ドラマ 日曜22時朝日放送
「素晴らしき哉、先生!」
脚本/監督:宅間孝行
主演:生田絵梨花https://www.asahi.co.jp/subakana_sensei/
まず何より芸術分野における持続的な経済環境をつくりたいという高い志には深く共感しました。それにともなう「作り手と観客が相互に交流し~」というコンセプトにもいいなと思いました。
とはいえ、疑問が・・・
というのも具体案が示されておらずよくわからなかったからです。そしてあえて突っ込むなら、「作り手と観客が相互に交流し~」というコンセプトに若干ですが、2.5次元的な匂いを感じました。もちろん2.5次元を否定するつもりはありません。いまとなっては2.5次元こそ演劇の救世主だと思ってるので。
いわゆるストレートプレイや前衛芸術の世界、もっと言えばアート色の強い芸術は基本的には、広く誰もが出入りできる場での交流は無理目な気がするので。観劇後や個展のあとならわかりますが・・・って感じです。僕自身、観客として観に行った舞台の創作者と触れ合いたいとは思わないので。
またこれらの交流がある種のヒエラルキーや他者排除の種にならなければよいなと思いました。
中村ノブアキ(脚本家・演出家/シアターカンパニーJACROW)
あの坂口編集長がこんな電脳なことを始めたのだから、アナログな自分も意識を改めなきゃなぁと思う今日この頃です。
さて2013年から始まった私と坂口編集長の戯曲対談「『過剰な人々』を巡る♂いささかな☀冒険」ですが、これが過去の対談も「えんぶ☆TOWN」内で全て読めたらホントは嬉しいです。更にこのコーナー内で劇作家や戯曲タイトルを検索できたらもっと有り難いですね。どう考えても学術的な意味のある対談ではないのですが、戯曲を読んだ第一印象はよく伝わるのではないか、その辺は戯曲を探している人と共有できるのではないかと思っています。まぁ、なかなか面倒な作業だと思うので、現実的には過去記事へ分かりやすく簡単に飛べるようになっているといいかなぁ。あと、バナーがまだ植本純米(花組芝居)となっているので、それは外してくださるようお願いしまーす。
「えんぶ☆TOWN」へ訪れることが演劇ファンの日常となり、演劇人にとっては時に駆け込み寺となるよう願っています。街の繁栄を心よりお祈りしてます。
植本純米(俳優)
次回予定
『テーバイ』11/7~24◎新国立劇場
八嶋智人(俳優/カムカムミニキーナ)
次回予定
カムカムミニキーナvol.74『鶴人(つるじん)』
12/5~15◎座・高円寺、21〜22◎近鉄アート館
演劇民にとって嬉しい町! 演劇って案外、分断されがちで。僕らは京都で劇団をはじめ、今も京都で劇をつくっていますが、作り手と観客が物理的に集まってこそ演劇であり、それと背理するように、つねに遠くの情報やつながりに飢えてもいます。リアルに集まるのって稀有なことであり難しい。そこを埋めてくれるのがメディアでありネットだな、と思っていて、僻地にいる我々は、えんぶをはじめ、そうしたことに随分助けられてきました。そしてどこにいたって僻地なのだな、とも思います。コロナでもずいぶんみんな引き裂かれたし。えんぶ☆TOWNはどこからでも行きやすそうな町で、色んな出会いの場所や、お店や看板や、まだ作りかけの公園とか、建設音がのべつ聞こえていそうでわくわくします。あとミュージアムが強烈だなと思いました。過去のえんぶが無料で読める!
我々さまよう演劇民のために、遠大な都市計画おそれいります、ありがとうございます。
上田誠(作家・演出家/ヨーロッパ企画)
次回予定
ヨーロッパ企画第43回公演
『来てけつかるべき新世界』(脚本・演出)。
8~11月◎ツアー(栗東プレビュー 、京都、魚津、新潟、東京、大阪、名古屋、横浜、福岡、広島、高知、札幌)。
盛り上げていきましょう
芝居を愛する人たちの広場を創ろうという『えんぶ☆TOWN』の趣旨に共感し、おおいに期待します。
コロナ禍に始まり、セクハラ・パワハラ問題とか、ここ数年演劇界には危機ばかりが襲い掛かり、実感として観客の足も遠のき気味で、業界として希望が語られることがめっきり少なくなったことを危惧しています。
今こそ、縮小してゆく小さなパイを奪い合うのではなく、パイそのものを大きくしてゆくことに芝居を愛する人たちが協働して取り組むべき時だと思います。
もう半世紀近く活動してきた私と扉座としては、今後新たな観客を開拓してゆくことも大切にしつつ、かつて我々の観客だった人々で、その後仕事や家族のために観劇習慣を失ってしまった人たちをもう一度、劇場に呼び戻すことを実現したいと思います。
振り返れば演劇界における歴史的なムーブメントであった小劇場ブームを支えていた『演劇ぶっく』の熱心な読者だったような人たちです。
私たちも若い頃は、演劇活動は若さの特権で青春の思い出であるような感覚でいました。しかしここまで続けてみると、生涯通して取り組む値打ちのあるものだったと多くの方に伝えたいです。
劇作家協会の戯曲セミナーの受講生も、リタイア世代が毎年増加しています。
彼らは芝居の面白さをすでに知っている人たちです。私の同世代である彼らにしっかり届く情報の発信を模索したいです。
横内謙介(劇作家・演出家/扉座)
次回予定
「日本の演劇人を育てるプロジェクト」新進演劇人育成公演
『ドリル魂2024』(作・作詞・演出)
9/7~15◎すみだパークシアター倉
街をひとつ、丸ごと作ろうというプロジェクト、本当にすごいと思います!構想に賛同した人たちが集まっていき、街を形成する。舞台を見る人とつくる人が行き交うという発想にとてもワクワクします。たくさんの人が集まり、わいわいと賑やかな声と活気の絶えない街になりますように。発展を楽しみにしています。今のレイアウトもいいですが、ぼくの理想はヴァーチャルTOWN化です。ボイスチャット機能付のアバターとなって街を散歩して、入りたい建物(プロジェクト)に入ったり、広場で雑談したり。配信の上演を見たり、誰かがアバターでパフォーマンスをしていたり。某GTAのように。そういうWeb上に仮想空間を立ち上げて、交流できたりするといいなあ。そんな街だったら入り浸っちゃいそうです。
細川洋平(俳優・劇作家・演出家/ほろびて)
次回予定
劇壇ガルバ『ミネムラさん』(作)
9/13〜23◎新宿シアタートップス
詳細はhttps://gekidangalba.studio.site
時代を超えて形を変え続けるサグラダファミリアを思わせる「えんぶ★TOWN」。今は骨格に筋肉を付けていっているような時期でしょうか。「演劇からスタートはするけど、そこにとどまらない」という点が当社ネビュラエンタープライズの歩む道と重なるものを感じます。そして、作り手と見る側が自由闊達に行き交う仕組みは、これまさに劇場において演者と観客が互いにチカラを渡し合う演劇最大の魅力と似ています。コレを最大活用して新たな表現世界を作ろうというのですからわくわくが止まりません。人によっては「なんのこっちゃ?」と思ってしまう人もいるでしょうから、そういう人たちもちょくちょくチェックしたくなるような仕掛けやサービスがあると、ますます親しみやすい街になっていくと思います。えんぶ★TOWNがたくさんの笑顔にあふれた街になっていくことを期待しています!
緑川憲仁(株式会社ネビュラエンタープライズ 代表取締役)
えんぶ☆TOWNが、まずは演劇を中心にスタート! とのこと。おめでとうございます&ありがとうございます。
今は、検索して調べたり、SNSをチェックしていれば、欲しい情報を入手できる時代ではあるのですが、演劇において【ひとまずココをチェックしておけば良し】みたいな場所があればいいなぁと思っていたので街ができて嬉しいです。
早速、『演劇ぶっく』創刊号無料ダウンロードしました! 感動です。
私が今後望むのは、演劇体系? みたいなもの。音楽雑誌だとバンドの系譜みたいなジャンル分け載ってる時ありますでしょ? 「ああこのミュージシャンはここに影響を受けてこの流れで、ここから派生して」とか。そーゆー図解の演劇版が見たいなぁとは思うのですが、昔のように劇団が演劇の主流とも限らず、ジャンル分けなんてものも意味をなさず、「勝手に分けるなよ」という声も上がりましょうから、無理ですね。
この先、演劇以外にも、映像、音楽、文芸、美術、写真、とジャンルが交錯していく街計画とのこと。ダンスや演芸も入れて頂けると、私は助かります。
街に人が集まり、人が街を作っていく。住宅メーカーの宣伝文句のようではありますが、私自身も素敵な街づくりに参加できればと存じます。
松永玲子(俳優/ナイロン100℃)
僕らが劇団を始めた90年代、今とは比べ物にならないほど得難かった「情報」を求めて、演者と観客の思惑が交錯する場となっていたのは雑誌だった。演劇ファンにとって関係雑誌のチェックは必須。そこにはもちろんお目当ての情報があり、同時にお目当ての情報の横にたまたま並ぶ、お目当てでなかったけども、その瞬間興味がわいて、次のお目当てになっていく情報が、文字通り溢れていた。つまりそれは出会いの場だった。中でも「演劇ぶっく」は、まだ誰も知らないような若い劇団や役者に次々とスポットライトをあてて、演劇見せる側と演劇見る側との出会いを活発に促進し、結果、見る側見せる側の垣根も取っ払われた、小劇団界隈というサブカル運動体を作ったひとつの原動力だった。
あの頃の活力を今「TOWN」という言葉で括ってWEB上に再び構築しようとするアイデアは、オジサン的にはワクワクする。WEBによる情報社会は圧倒的に便利になったけど、人と情報はある意味一方通行で、確かなもので、フラフラとした行き来がなくなった。たまたまの脱線がなくなっていった。その結果何かがしぼんでいく。やはり活力を生み出しうるのは人の往来ではないか。だから「TOWN」なんだと。
色んなアイデアが並んでいる。どれも楽しみなコンセプトだが、これはそのうち整理されていくというよりは、人の往来の果てに、思いもよらぬ方向に増殖、変形していくだろう。そうあってくれればこそ面白い。そんな有機的なイメージを持ちながら、この「TOWN」を僕も歩き回っていきたいと思う。
松村武(作家・演出家・俳優/カムカムミニキーナ)
次回予定
カムカムミニキーナvol.74
『鶴人(つるじん)』(作・演出)
12/5~15◎座・高円寺
12/21・22◎近鉄アート館
えんぶ☆TOWNオープンおめでとうございます!
古くから演劇界と共に歩み、歴史を見守り続けて来られたえんぶさんが、志を持ってまた新しい企画を立ち上げられるとは!自身も舞台界の一端に身を置く者として、とても嬉しいニュースです。
“作り手”と“観客”が自由に行き交う都市えんぶ☆TOWN、これをきっかけに益々演劇界が、エンターテイメントの世界が、ジャンルや垣根を越えてシームレスに広がっていくことでしょう。アナログ人間の僕も、これからのえんぶ☆TOWNの発展を楽しみに拝見させていただきます。
東山義久(歌手・俳優・演出家/DIAMOND☆DOGS)
総合的な演劇の情報サイトってなかなか難しいと思ってます。結局情報の羅列になったり、口コミの集積所と化したり、変なコラムばっかりになったり。えんぶ☆TOWNの作り手と観客が自由闊達に行き交うってコンセプトは理想的ですよね。でも、きっと他のサイトもそこを目指していたはずです。でもなかなかうまくいかない。その壁を超えて、えんぶ☆TOWNには作り手と観客が素敵な出会いをする場所になって欲しいと期待してます!
古川健(俳優・劇作家/劇団チョコレートケーキ)
次回予定
第133回公演『失敗の研究ーノモンハン1939』(作)
9/13〜23◎紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA