第2回展示作品
岸田國士『沢氏の二人娘』
細かいけれど骨太、洒落てるけどグダグダ
今回は、岸田國士作『沢氏の二人娘』。 演劇界では有名な「岸田國士戯曲賞」“ご本人”の作品です。中途半端なエリートくずれのおじさんが、うまく世の中を生きていけないような、でも何となくそれでもいいような。そんなぐずぐずした人間模様がオシャレに描かれています。戦争前の話です。
2013年09月27日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
アルベール・カミュ『カリギュラ』
演劇好きのカミユが見えてきて微笑ましい部分もあります。これ不条理劇か?
不条理劇と言われているアルベール・カミュの『カリギュラ』です。2000年前に実在したローマ帝国皇帝がモデルになっているようですが、話題もわりと身近で共感できる部分が多く、ユーモア感も漂いつつのエキサイティングなお話でした。
2013年10月30日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
- ウィキペディア アルベール・カミュ
-
これはかなり読み応えがあります。
- 斉藤紳士の笑いと文学 【海外文学紹介「異邦人」アルベール・カミュ①】
-
吉本のお笑い芸人斉藤紳士がやさしく作品を紹介しています。本人が画面でしゃっべいるだけですが、見てしまします。
- Tokyofm yes!明日への便り 第408話 理不尽に立ち向かう アルベール・カミュ-
-
企画コンセプト「(前略) 古今東西の先人が「明日へのyes!」を勝ち取った命の闘いを知る事で、週末のひとときをプレミアムな時間に変えてください。あなたの「yes!」のために。」語りは長塚圭史さんです。
- 菅田将暉主演舞台『カリギュラ』フォトコール&囲み取材
-
菅田将暉主演『カリギュラ』(栗山民也演出)フォトコール&囲み取材の映像です。
ルイジ・ピランデルロ『作者を探す六人の登場人物』
芝居のインチキさ、えらぶったりご都合主義に辟易して作った作品
ベケットやカミュの作品が上演される20数年前、こんなに演劇の本質にかかわる虚実ないまぜにしたエンターテイメントな作品があったんですね〜。しかも初演の公演中、劇場内は観客の賛否の声でセリフが聞き取れず、終演後劇場周辺で大喧嘩が始まったという素敵な展開もあったそうです。
2013年11月28日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
三好十郎『炎の人―ゴッホ小伝―』
三好十郎が言ってることなのかゴッホが言っていることなのか、うまいです。
とにかく誠実です。強烈に作家の主張が入っている攻撃的な作品だと思うのですが、それでいて堅苦しさや押しつけがましさがなく、全体を通してユーモア的なニュアンスが通底しているように感じられます。話はわかりやすいのですが、なぜか不思議な気持ちにさせられた作品です。
2014年1月13日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
モリエール『ドン・ジュアン』
格好いい男の人が女性遍歴を繰り返していく話、ではないです。
あの太陽王ルイ14世の治世、『ドン・ジュアン』の作者モリエールは劇場を持っていて、座長で、俳優で、本も書いて…たいへんそうです。そのうえ上演中止などのトラブル発生! この作品、そんな中で劇場の隙間を埋めるべく、当時流行っていた劇を急遽脚色したものらしいのです。それがいまや岩波書店刊です。勇気づけられるエピソードですね。ちなみに本のカバーには「快楽の“永遠の追求者”という近代的な人物像を作り出した。鋭い人間洞察・時代観察に裏打ちされたモリエールの代表作」と書いてあります。
2014年1月28日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
戯曲対談『過剰な人々を巡る♂いささかな☀冒険』を順次シリーズ展示しています。
植本純米と坂口真人によるこの対談は、世界の演劇界で名を残す“過剰な作家”の作品を選び、その活力の根源を現代に甦らせようというグローバルな企画。2013年から『演劇☆キック』で連載、現在も進行中でここまでの77作品の中から当時の掲載順に5作品ずつ展示いたします。
どう考えても学術的な意味のある対談ではないのですが、戯曲を読んだ第一印象はよく伝わるのではないか、その辺は戯曲を探している人と共有できるのではないかと思っています。
自分勝手に想像できるので戯曲を読むのはたのしいです。書かれた当時のエピソードにも触れている箇所があるのですが、みなさん結構苦労しているのを想像するのもたのしいです。
植本純米
うえもとじゅんまい○岩手県出身。1989年から2023年まで劇団花組芝居に在籍。老若男女を問わない幅広い役柄をつとめ、ミュージカル、シェイクスピア劇、和物芝居など多彩に活躍。現代劇の女方として数多くのヒロインを演じてきた。またテレビやラジオのインタビュアー、イベントのMCとしても長年活動している。
坂口真人
さかぐちまさと○1986年に雑誌『演劇ぶっく』(2016年に『えんぶ』と改題)を創刊以降ほぼ通年編集長を続けている。2023年アートとエンターテインメントの実験都市『えんぶ☆TOWN』を構築。
文責◇坂口真人