
第3回展示作品
アリストパネス『女の平和』

今回は紀元前5世紀の作品です。ギリシャ喜劇ということで、目の前で起こる出来事はコミカルな調子なのですが、内容はかなりシリアスな反戦劇です。女性がセックスストライキをして戦争をやめさせるという、なんとも素敵な2500年前のアリストパネスさんの発想に脱帽です!
2014年02月26日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
- ウィキペディア アリストパネス
-
これで基本を押さえましょう。
- ウィキペディア アリストパネス 女の平和
-
文中の「現実社会において」というコーナーで、アイスランドでは「レッド・ストッキング」運動についての記事に注目です!このときの女性の首相ヴィグディスは演劇人で、「女の平和」も知っていたと思われる。と書いてありました。
- 世界史・文化史の巡覧 文化の側面から高校世界史を学ぶ
-
短文の紹介ですが、ディオニュソス劇場の俯瞰写真が見れます。急な斜面が怖い。
- メイコー化粧品
-
「女の平和」をベースに、寺山修司が描いた音楽劇『不思議な国のエロス』にメイコー化粧品が美粧協力していました。演劇って色々な参加の仕方がありますね。
- 映画.com 女の平和
-
1953年フランスで「女の平和」というタイトルで映画が作られています。クリスチャン・ジャック監督、出演はマルティーヌ・キャロル、ラフ・ヴァローネなど。
宮沢賢治『饑餓陣営』

農学校で農作業を扱った音楽劇を先生が生徒たちとともにつくる。ちょっと色々と心配ですね。今回ご紹介している作品は宮沢賢治が岩手の農学校教師時代に作って、生徒たちと演じたコミックオペレッタです。電子図書館「青空文庫」に作品が載っています。心配どころか、とても素敵な台本です。そして短いです。ぜひご一読いただけると嬉しいです。
2014年04月08日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
- 宮沢賢治の詩の世界 飢餓陣営のたそがれの中
-
作品解説と主に、初演時に「バナナン大将」を演じた平来作(大正14年卒)が、後年演劇指導のために、当時を再現して「バナナン大将」に扮したところの写真が載ってます。
- 季刊地理学Vol.67(PDF)
-
米地文夫(地理学者、岩手県立大学名誉教授)という人が、「飢餓陣営」に関しての多面的でとても興味深い文章がありました。少し長いですがぜひ読んでみてください。
- 【記録】文学+-×÷宮沢賢治 編・黒テント『飢餓陣営』
-
黒テントが上演した「飢餓陣営」の舞台写真が載ってます。他の劇団の舞台写真者っていますので、そちらもお楽しみください。
- こんにゃく座 宮澤賢治 饑餓陣営(YouTube)
-
こんにゃく座の大石哲史・竹田恵子さんの二人が野外で演じている「饑餓陣営」がYouTubeでみれます。このくらいオリジナリティがあるととても素敵ですね。
テネシー・ウィリアムズ『欲望という名の電車』

太平洋戦争の2年後、戦勝国アメリカの底辺の部分を生々しく描いたこの作品は、強烈な個性をもつ登場人物たちのキャラクターともあいまって、日本演劇界でも数多く上演されている人気作品です。「アメリカ南部の名家出身のブランチが身を持ち崩して故郷を追われ、ニューオリンズの下町にある妹夫婦のアパートに身を寄せるのですが、彼女のわがままな振る舞いに怒った妹の夫スタンリーに過去を暴かれ、施設に入れられてしまう」というなんとも救いようのない作品なのですが・・・。
2014年05月04日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
- 欲望という名の電車 ウィキペディア
-
アウトラインはこちらで確認してください。
- 松岡正剛の千夜千冊 テネシー・ウィリアムズ 回想録
-
「本書はそうした新劇王テネシー・ウィリアムズの偶像性を、本人自身が真っ正面からというか、ど真ん中の内部からダイナマイトでぶっこわすような1冊である。」(文中より)「欲望という名の電車」の話は少ししか出てきませんが、彼の立ち位置がちょっとおもしろいです。
- SORTIR PARIS 『欲望という名の電車』
-
昨年パリで上演された作品の紹介記事なので情報としての価値はないです。チラシがなんとなくフランスぽいので・・・。
- 映画『欲望という名の電車』視聴情報 music.jp
-
監督:エリア・カザン キャスト:ヴィヴィアン・リー、マーロン・ブランド、キム・ハンター
クチコミに「テネシー・ウィリアムズ戯曲の映画化。アカデミー賞、初め、多々、賞を総なめした作品。元が戯曲なので、映像の場が動かず、舞台的な表現だが、その分、名優達の演技が濃厚。」とあります。
近松門左衛門『曽根崎心中』

1703年に書かれた『曽根崎心中』。一ヶ月前に起こった心中事件を扱っていて、初めて人形浄瑠璃に庶民が登場した作品です。この興行で経営困難だった竹本座が一気に立ち直ったといわれています。大当たりには、身近に起こった心中事件という理由の他にも、作劇や興行形態などに様々な新しい試みがあり、それらが当時の大阪人の心をぐっと掴んだようです。ちなみに近松門左衛門は初めて台本に署名した作家として知られています。
2014年06月07日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
ヘンリック・イプセン『人形の家』

今回は1879年に書かれた“近代演劇の父“イプセンの戯曲『人形の家』です。もちろんこの戯曲が女性解放のシンボルとしての社会劇だったり、結末のない演劇としての新しい作劇法だったり、とは聞きかじってはいたのですが。百数十年のタイムラグはなかなか埋められないまま、やがて登場人物たちが私たち自身と重なるようにもみえてきて・・・。
2014年07月14日掲載
リンクの魂 〜お役立ちサイト紹介〜
- 人形の家 ウィキペディア
-
1911年の初演は坪内逍遥の私邸内に建てられた文芸協会試演場で公演されたそうで、舞台写真も載ってます。
- 【至急】イプセンの「人形の家」を読んだことがある方 Yahoo!知恵袋
-
質問者と回答者のやりとりがちょっと面白いです。
- 『人形の家』トレーラー+演出家インタビュー(YouTube)
-
2022年のものですが、静岡県舞台芸術センターの宮城聡さんが爽やかに作品を解説しています。
- 人形の家 U-NEXT
-
5U-NEXT31日間無料トライアル(登録が必要)で上記の作品を見ることができます。【イプセンの社会劇「人形の家」。舞台をヨーロッパから昭和10年の日本に置き換え、宮城聰が大胆に演出。】と作品情報にありました。
戯曲対談『過剰な人々を巡る♂いささかな☀冒険』を順次シリーズ展示しています。
植本純米と坂口真人によるこの対談は、世界の演劇界で名を残す“過剰な作家”の作品を選び、その活力の根源を現代に甦らせようというグローバルな企画。2013年から『演劇☆キック』で連載、現在も進行中でここまでの77作品の中から当時の掲載順に5作品ずつ展示いたします。

どう考えても学術的な意味のある対談ではないのですが、戯曲を読んだ第一印象はよく伝わるのではないか、その辺は戯曲を探している人と共有できるのではないかと思っています。



自分勝手に想像できるので戯曲を読むのはたのしいです。書かれた当時のエピソードにも触れている箇所があるのですが、みなさん結構苦労しているのを想像するのもたのしいです。
植本純米
うえもとじゅんまい○岩手県出身。1989年から2023年まで劇団花組芝居に在籍。老若男女を問わない幅広い役柄をつとめ、ミュージカル、シェイクスピア劇、和物芝居など多彩に活躍。現代劇の女方として数多くのヒロインを演じてきた。またテレビやラジオのインタビュアー、イベントのMCとしても長年活動している。
坂口真人
さかぐちまさと○1986年に雑誌『演劇ぶっく』(2016年に『えんぶ』と改題)を創刊以降ほぼ通年編集長を続けている。2023年アートとエンターテインメントの実験都市『えんぶ☆TOWN』を構築。
文責◇坂口真人