やめちゃった演劇、5年の会社員生活を経て再開
はじめまして、石田優希子と申します!
漢字は「やさしい・きぼうの・こ」と覚えてください。
2023年に「ぼちぼちやる派」という劇団を立ち上げ(団員は私ひとりだけど)、出演と劇作と演出とすべての制作業務に奔走しています。
中学で演劇部に入ってから、高校も演劇部、大学でも演劇サークルと、演劇一筋の学生時代を送ってきました。
しかし、就職を機に演劇から離れ、5年ほどWebサイトやアプリを作る仕事をしていました。
今も会社員として働きながら劇団をやっています。
演劇やるって、ぶっちゃけかなり大変です。
お金かかるし、時間かかるし、プレッシャーもえげつない。
儲からないから、演劇一本に絞って生活できる未来のビジョンは正直見えない。
それでも戻ってきてよかった!と本気で思います。
演劇に関わって喜びを感じている時、私は本気で「演劇をやるために生まれてきた」と感じるのです。
※下の画像は、ひとり芝居「夜でも死なんし生きとーし」の写真です。タンバリンをいろんなものに見立てて演じました。
弱小演劇部が九州ブロック出場…?!
演劇人生の始まりは、中学入学まで遡ります。
私は「中学に入ったら、演劇部にしか入らん!」と心に決めていました。
元々小説や漫画をかき、物語を作ることに興味があった私。
小学6年の時、入学予定の中学の演劇部が「ハンバーガーショップの野望」を上演しているのをみて感動したのでした。
私も台本を書いてみたい!
強い意志を持って、他の部活の見学は一切行くことなく、演劇部に入ったのでした。
台本を書く前に、まずは役者をやって演劇とは何かを身体に入れてみたら? というアドバイスをもらい、役者もやることになりました。
初めてもらった役は、キャラメルボックス「ハックルベリーにさよならを」のカオルさんでした。
(長台詞に大興奮して、教室で披露しまくっていた黒歴史を今思い出して消えたくなっています……)
中学3年の時、文化祭で「白犬伝 ある成田物語」で初めて演出を経験。
自分が考えた演出に歓声があがるという、本当に嬉しい瞬間に立ち会うことができ、その奥深さに魅了されました。
その後初めて書いた短編を学内で上演する機会もあり、ますます「舞台をつくること」にのめり込んでいきました。
そして高校1年。
中高一貫校に通っていたので、そのまま高校でも演劇部に所属を続けた私は、高校演劇の大会用の台本を書き上げました。
「心が晴れたらゆきましょう」という作品でした。
夫を失ったおばあさんが「ここで寝ると旦那に夢で出会える」と言って、毎日公園のベンチで寝ている。
公園でサッカーをしたい少年は、おばあさんに現実に帰ってきてほしいと願う孫の少女と結託し、おばあさんが生きる気力を取り戻せるよう働きかける……
そんなストーリーです。
私は脚本を書き、演出をし、おばあさんの役で出演をしました。
今とやってることは変わりませんね。
私がいた高校演劇部は熱心ですが弱小で、地区大会を突破したことがありませんでした。
それがなんと……地区大会も県大会も突破し、九州ブロック大会まで行っちゃったのです!!!
部員一同、びっくり。
私もびっくりしましたが、同時にとてもとても嬉しいと思いました。
いろんな人に作品を見てもらえて、感想を共有してもらう機会がたくさんできました。
再演しながら、演劇のことがどんどん好きになっていきました。
「私、もっと演劇がやりたい!」
そう思い、福岡から、東京の大学へ進学。
これまた他のサークルの見学に一切行くことなく、演劇サークルに入部したのでした。
※下の画像は、高校演劇ブロック大会出場作品「心が晴れたらゆきましょう」の写真です。中央の緑の服を着ているのが石田です。
降りなかった上演許可、降りかかる劇場レンタル費用
大学3年の冬。
私は初めて、学外での公演に挑戦することにしました。
演目は、サークルの先輩がやりたがっていた海外のミュージカル作品。
稽古開始の半年前から、海外のエージェンシーに上演許可許諾の依頼をメールで送って準備をしました。
小屋も借り、学外でオーディションもし、いざ稽古だ! と思った矢先……
エージェンシーから「上演許可は出せない」と言われたのでした。
集まっていたメンバーは解散。
私はたったひとり、学生が背負うにはちょっと高すぎる劇場レンタル費用を抱え込んでしまいました。
借りている期間まで1ヶ月ほど。
キャンセルしても費用は100%かかる。
完全に塞ぎ込んで、一日中、当時住んでいた学生寮のベッドでべそべそ泣いていました。
そんな私を見かねて、全く公演に関わる予定のなかった、サークルの先輩が助け舟を出してくれました。
鴻上尚史の「トランス」を上演して、チケット料金を全部小屋代に当てようと言ってくれたのです。
集まってくれたサークルの仲間と、1ヶ月ほどで作品をつくり何とか上演しました。
完全に回収することはできませんでしたが、背負えるくらいの額まで抑えることができました。
メンバーには本当に、本当に感謝しています。
※下の画像は「トランス」の記録映像のスクショです。舞台上に紐で円をかき、それを出たり入ったりしながら演技をしてもらいました。
演劇以外で何者かを目指す
何とか「トランス」の上演を終えましたが、メンタルと懐は大ダメージをくらっていました。
大学3年の冬。他の学生は就活を始めている時期。
それまでは演劇を続けたいと考えていましたが、前述の公演の件で「もう演劇から離れたい」と思うようになっていました。
バタバタと就活の準備をし、適当に大企業を受けるも全滅。
秋が近づく頃になって、やっとスタートアップのWeb制作会社に就職が決まりました。
サークルの卒業公演にも参加せず、演劇から逃げるようにして会社員生活に突入していきました。
演劇をやめたとはいえ、表現することは続けたいと思っていました。
あわよくば表現することで食っていきたい、という気持ちは変わらずだったのです。
私は会社で働きながら、演劇以外の表現方法を模索しました。
イラストや漫画。
CG。
アニメーション。
映像。
演劇はたくさんの人が関わる必要があるから、作るのも大変になる。
人と関わらないで、ひとりでお話を作るにはどうしたらいいか?
そればかり考えて、手を動かして、でもしっくりこなくて……
会社も何が良いのか分からず、転々としました。
悩んでばかりの5年間でした。
※下の画像は、作ったアニメのスクショです。絵、声、編集、全部ひとりで作りました。
「演劇がしたいです……」と泣いた夜
2023年の初夏。
とても良い会社に転職してから半年ほど経ち、穏やかな日々を過ごしていました。
同居している彼氏と、深夜にふとんに寝そべりながら、将来の話をしていました。
キャリアのこと、生活のこと、そして挑戦してみたいこと……
彼氏はいくつか夢を語った後、私にも何をしてみたいか尋ねました。
私は、そこで5年ぶりに「演劇がやりたい」と言いました。
いろんなものをひとりで作ってみましたが、ひとつもしっくりきませんでした。
たくさんの人が関わるから、演劇には深みが出るのだと分かりました。
5年かけて、大変でもいいから誰かと物語を作りたいと思うようになっていました。
「演劇がやりたい」と言ってみると、なぜだか涙が出て止まりませんでした。
大変な方へ自分が進もうとしているのが分かっているので、怖かったです。
しかし、同時に、やっと戻ってこれたと安心していました。
彼氏は優しく、私の身体をさすってくれました。
※下の画像は、作ったCGです。CGで人間のキャラクターを作るのはとても大変です。アニメーションさせるのはさらに大変です。
演劇を再開して、今
「また演劇やるぞ!」と決めてからは、風のように早かったです。
戯曲を書き、人に集まってもらい、稽古&稽古&稽古、そして上演!
主宰する劇団「ぼちぼちやる派」の旗揚げエピソードは、長すぎるので割愛します。
ひとつだけお伝えしたいのは、最高の公演になったということです。
旗揚げ公演「満ちたい人たち」は、満員電車が好きすぎる人たちが、コロナ禍で失われた満員電車の代わりを求めて奮闘するお話でした。
YouTubeに全編、記録映像を載せているので、ぜひみてください。
演劇を作る場に戻ってきて驚いたのは、やりたいことが溢れるように思いつくことです。
伝えたい物語がたくさんあります。
特に、輪に入りたくても入れない、疎外されてしまう人たちの話をたくさん書きたいです。
やってみたい演出がたくさんあります。
観劇に行くたび、この劇場・この戯曲・この俳優を私はどう見せたいかばかり考えてしまいます。
そして、物語を伝えるために俳優をやっていると、たくさん試したいアプローチが浮かんできます。
別の話し方をすれば、別の伝え方ができる!
稽古の時間はいくらあっても足りません。
※下の画像は、2024年1~2月に上演するひとり芝居「Too Too Too」の一幕です。とても太った女性を演じます。ダンボールで作った巨大な腹をつけて演技をする予定です。
応援よろしくお願いします!!!!!!!
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
一度は「演劇やめたい」と思い、実際やめていました。
戻ってきた今は、やりたい演劇のアイデアが溢れて止まりません。
今後もどしどし、演劇をやっていきたいと思っています。
もしよければ、石田優希子の名前を覚えて帰っていただければと思います。
そして、もし「石田、いいな」と思っていただけていたら、今後も応援いただけるととても嬉しいです。
いつかあなたにお会いできることを願っています。
石田のX:https://twitter.com/ishi_to_da/
ぼちぼちやる派のX:https://twitter.com/bochi2yaruha
今後ともよろしくお願いします! /
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