【植本純米×坂口真人の戯曲対談①】『過剰な人々を巡る♂いささかな☀冒険』シリーズ展示

77作品をシリーズ展示

植本純米と坂口真人の戯曲対談『過剰な人々を巡る♂いささかな☀冒険』を順次シリーズ展示いたします。
この対談は世界の演劇界で名を残す“過剰な作家”の作品を選び、その活力の根源を現代に甦らせようというグローバルな企画で、2013年から『演劇☆キック』で連載、現在も進行中でここまでの77作品の中から当時の掲載順に5作品ずつ展示いたします。

植本純米

どう考えても学術的な意味のある対談ではないのですが、戯曲を読んだ第一印象はよく伝わるのではないか、その辺は戯曲を探している人と共有できるのではないかと思っています。

坂口真人

自分勝手に想像できるので戯曲を読むのはたのしいです。書かれた当時のエピソードにも触れている箇所があるのですが、みなさん結構苦労しているのを想像するのもたのしいです。

プロフィール

植本純米

うえもとじゅんまい○岩手県出身。1989年から2023年まで劇団花組芝居に在籍。老若男女を問わない幅広い役柄をつとめ、ミュージカル、シェイクスピア劇、和物芝居など多彩に活躍。現代劇の女方として数多くのヒロインを演じてきた。またテレビやラジオのインタビュアー、イベントのMCとしても長年活動している。

坂口真人

さかぐちまさと○1986年に雑誌『演劇ぶっく』(2016年に『えんぶ』と改題)を創刊以降ほぼ通年編集長を続けている。2023年アートとエンターテインメントの実験都市『えんぶ☆TOWN』を構築。

第1回展示作品

W・シェイクスピア『リア王』

陰惨を極める!スペシャルなエンターテインメント作品

著名な作家の作品を選んで、そのブランドにとらわれずに率直な印象を語り合おうというこのシリーズ。第1回目は皆様ご存じのシェイクスピア4大悲劇の一つ『リア王』。“80歳の王様と三人の娘の財産分与とその後のいざこざ”と、“王様の家来グロスター家での家督相続を巡る陰謀”が、最後にはごっちゃごちゃの陰惨なスペシャル・エンターテイメントとなって、たくさんの人がひどい目にあうというお話です。

2013年4月25日掲載

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コトバンク シェークスピア

いろんな辞典の彼に関する情報が掲載されています。とりあえずここを読めばシェークスピア腹一杯になりますが・・・

ウィキペディア シェイクスピア

ダイジェスト版はこちら。

METI Journal ONLINE

「翻訳家・松岡和子さんがズバリ!シェイクスピアが現代人に刺さる理由」シェイクスピア全戯曲の新訳を2021年に完結させた松岡和子さんのインタビューが掲載されています。

青空文庫 坪内逍遙「ロミオとヂュリエット」

坪内逍遙もシェイクスピア全戯曲の翻訳をしています。「リア王」ではなくてすみませんが、すこぶる言い回しがおもしろいです。ぜひご一読を!

テンミニッツTV

「シェイクスピアの謎…なぜ田舎者の青年が世界的劇作家に?」
東大教授の河合祥一郎さんが深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話シリーズとして連載していますが、全文を読むには登録(1ヶ月間無料)が必要です。

アントン・チェホフ『三人姉妹』

100年前にロシアで書かれた戯曲のリアリティが、いまの日本のそこらじゅうにある

「何かが起こっても、何も起こらない」よく言われるチェホフへの評価である。なんだか乙にすましたような印象を持っていた彼の作品が、こんなにも濃厚に迫ってくるように感じだしたのはいつ頃からだっただろう。今回『三人姉妹』を読んでみて改めてチェホフの世の中(演劇を含む)に対する思いの濃さを感じた。その上で「たかが演劇、されど演劇」などという使い古されたフレーズも浮かんできて・・・。今更ですが、チェホフはすごいです。とりあえず今回は「チェホフ四大戯曲」の一つといわれ、1900年に書かれた『三人姉妹』を取り上げてみました。

2013年5月28日掲載

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ウィキペディア チェホフ

まずは定番です。

青空文庫 チェホフ

チェホフの28作品が無料で読めます。『熊 笑劇 一幕』はチェホフらしからぬ素敵な乱暴ぶりでオススメです。

コトバンク チェホフ

これも外せない。

スラブ・ユーラシア研究センター 1890年チェホフによるサハリン住民調査資料(PDF)

チェホフは130年前に単身モスクワからシベリアを横断して当時ロシアの流刑地シベリアまで住民調査のため行ったのです。

鶴屋南北『東海道四谷怪談』

パンクな精神を基にした、とてつもないエンターテインメント

『東海道四谷怪談』といえば“お岩さん”でみなさんご存じのお芝居なのですが、いざ作られた当時のことを探ってみると、この作品の限りなくパンクな精神を基にした創意・工夫・情熱は、演劇を作る人にとってはまさにバイブル的な存在ですね。『仮名手本忠臣蔵』と組み合わせての二日間にわたる興行形態から、“生世話”という当時の現代劇を創出し、その真反対にある怪談話をドッキングするなどして、とてつもないエンターテイメントを作り出しています。可能な限りのアイディアを惜しげもなくやりきるチャレンジャーな芝居作りは、これ以降現代まで、他の追随を許さないといっても過言ではないでしょう。

2013年7月3日掲載

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ウィキペディア 鶴屋南北
コトバンク 鶴屋南北
松岡正剛の千夜千冊 鶴屋南北 東海道四谷怪談

わかりやすくてためになる「松岡正剛の千夜千冊」格好の表題を得て博覧強記ご存じ正剛節が炸裂します。

江東おでかけ情報局 四世鶴屋南北宅跡

南北はラスト1年、黒船稲荷神社境内に住んでいたそうです。門前仲町近辺で名所古跡も多いところ、散歩がてらに覗いてみるのも一興かなと(^▽^)

ニール・サイモン『おかしな二人』

ブロードウェイで喜劇王と呼ばれたひとの作品です

ニール・サイモン(1966年)

『おかしな二人』は50年前に書かかれたスピード感溢れるシュチエーションコメディで、ブロードウェイでの公演は千回近い空前のヒット作となり、著者のニール・サイモンが喜劇王と呼ばれるきっかけとなった作品だそうです。
ニューヨークに住む全く性格の異なる妙齢の男性二人(スポーツ記者とニュース記者)が、ある事情で同居するはめになりの、すったもんだの展開をユーモア感たっぷりに力強く描いています。

映画版『おかしな二人』ジャック・レモン ウォルター・マッソー

2013年7月25日掲載

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ウィキペディア ニール・サイモン
BRUTUS 三谷幸喜が語るニール・サイモン

記事によると三谷さんはニール・サイモンを「僕の恩人」と呼んでいるそうです。

BBC NEWS JAPAN 米国の代表的な劇作家、ニール・サイモンさん死去

2018年8月27日の記事です。BBCのリアルなニュースの中に混ざると不思議な感じがします。合掌。

サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』

初演のときに9割の人が批判し、1割の人が賞賛した作品

作品自体も、すごく饒舌な感じがして面白かったのですが、なんといっても初演時のエピソードが素敵です。初演のときに9割の人が批判し、1割の人が賞賛し、さらに、それが評判を呼び、公演が100回ぐらい続けて行われたということです。日本でもそんな出来事があるといいですね!

2013年8月20日掲載

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ウィキペディア サミュエル・ベケット
コトバンク サミュエル・ベケット
松岡正剛の千夜千冊 サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』

「ぼくは別役実と話しこんだことがあった。議論をしたのではなく、たいてい碁を打ちながら話した。ベケットを議論するなど、碁でも打っていないかぎりは、できそうもない。だからベケットを話したのではなくて、ベケットを交わした。」びーん、なるほどね。

ラーメンズ『ALICE』より「後藤を待ちながら」(You Tube)

「ラーメンズの[後藤を待ちながら]は、ご指摘どおり、 ペケットの[ゴドーを待ちながら]をもじって作られたコントでしょう。 推測ではありますけど」とYahoo⁉知恵袋は言ってます。

次回掲載予定作品

・岸田國士『沢氏の二人娘』
・アルベール・カミュ『カリギュラ』
・ルイジ・ピランデルロ『作者を探す六人の登場人物』
・三好十郎『炎の人―ゴッホ小伝―』
・モリエール『ドン・ジュアン』

文責◇坂口真人

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