大森政秀と秦宜子の活力源!

大森政秀・秦宜子

お二人の魅力をより一層楽しむためのいくつかのアイテム

数独ぐらいかな

数独

――活力源を教えて下さい。
秦 数独ってあるじゃないですか。

――何ですか?
秦 数学の「数」と、独立の「独」って書くパズルみたいなので、新聞に載ってるのとかいろいろあるんですよ。それをやることぐらいかな、なんて。

――えーーー!
秦 (サイフから折りたたんだ新聞の切り抜きを見せる)こういうのがあるんですよ。

――切り取ってある。
秦 毎日、切り取ってくれるんです。

――優しいですね。
大森 それくらいしかできないので(笑)。

――どういうルールなんですか?
秦 3×3の9個のマスに1から9の数字を全部入れるんです。それが9個あって、さらに4辺も1から9にしなければいけない。

――数字を並べて?
秦 はい

――それはめんどくさいですね。
秦 (笑)めんどくさいんだけど、それをクリアするとスッキリする。
大森 ずーっとやってますね。静かだなと思うと、やってる。

――時間がかかる?
秦 時間かかります。忙しくてできないと切り抜きが貯まります。

――もともと理系というか、計算がお好き?
秦 数字は好きかもしれないですね。音楽自体が数学みたいなところがあるので。作曲するときにも和声学という法則があるんです。それも数学なのかもしれない。分かんないけど。

――音フェチと言っていませんでした?
秦 音フェチです。

――それは活力源にならないんですか?
秦 それはどうだろう…音フェチが活力源?

――シャッター音とか色んな音を録りに行くんですよね。
秦 今は大体…なんていうのかな、

――済んだ?
秦 そういう意味で、興味のある音がそんなにないかもしれない。たまにすごい鳴き方をする鳥が来るから、それはえ!?ってなるけど、新しい音というのがそんなに見つかんないかな。

――なるほどね。
秦 耳も退化してきてますしね。うんと高い音が聞こえなくなってきていると思います。多分。

オールジャンルの読書

――大森さんは?
大森 僕は本を読むこと。

――ジャンルは?
大森 小説から批評から漫画から画集からありとあらゆる。

――今、気にいっている本とか何かありますか。
大森 好きな作家が3人いて、まず埴谷雄高さん。『死霊』なんかは、ずーっと寝床で何ヶ月も読んで五十肩になりました。寝床でしか本読まないから。整骨院にも通い、随分痛い思いをしました。

――寝ながら読むのは大変ですよね。
大森 次に北海道の詩人・吉田一穂さん。
秦 あれ『臨終図鑑』じゃないの? ずっと読んでんじゃない?
大森 あれも読んでいるけれども。それよりずっと思春期から疲れた時なんかによく読むのは、吉行淳之介さん。かえって疲れたりして…。この3人が好きなんです。全員格好いい。

――漫画は?
大森 『ゴルゴ13』は全巻。最初、馬鹿にしていたんだけれども。生徒の一人が調子崩して休んでるとき『ゴルゴ13』を読んだら元気になったっていうから、読んでみたら面白くて。狙撃の時の自分の律し方がすごいじゃないですか。

――そこを学んでいるんですね。
大森 それを笠井叡先生に言ったら、「うん、ゴルゴはいいよ」って。先生も読んでいるんだ(笑)。

出会いは新宿ゴールデン街

――最後にちょっとプロフィールを。この世界に入ったきっかけは?
大森 1970年に土方先生を見るまでは、法政で全共闘だったんです。

――それは何年ごろ?
大森 68年、9年頃。

――終わりの頃ですね。
大森 それの生き残り。で、70年になるとみんな辞めていって、与論島とかに行くじゃないですか。

――そうですね。
大森 なんでそんな挫折して結婚して与論島とか行って農作業をやるんだ、俺は嫌だ。一人でできる革命をやるんだっつって舞踏ですよ。土方巽観て。

――それは素晴らしい。
大森 そこからずっと。ただその一点だけです。親からも、兄弟からも疎まれ、一切社会的なことは無視してここまで来ました。

――秦さんは?
秦 中学・高校と桐朋学園でピアノをやっていて、演劇部だったんです。高校生の時には大会で文部大臣賞をもらいました。
――役者で?
秦 その時は、役者として立ってたんですけど、高2ぐらいになってから、音大受験のためにピアノを弾かなきゃいけないから演劇はやめなさいって言われて。それから演劇の音楽を作ったりして、テント芝居の方に行きました。

――お二人の出会いは?
大森 ゴールデン街かな。
秦 ガルガンチュア立花っていう立花隆さんが始めたお店があって。
大森 ばったり会った。
秦 それが最初かなぁ。

――ドラマみたいですね。それから数十年。こういう素晴らしい表現ができるわけだから。僕らはその出会いに感謝しても感謝しきれないです。本当にありがとうございました。

【プロフィール】
大森政秀
おおもりまさひで○1949年生まれ、北海道三笠市出身。元アンモナイト採集好きなわんぱく少年。母からのクリスマスプレゼント、狼に育てられた少年の話をきっかけに文学に目覚める。72年笠井叡の天使館に入館、78年に天狼星堂を設立。若手の育成にも尽力。東京・中野の劇場テルプシコールを本拠地に活動中。

秦宜子
はたよしこ○東京都出身。演劇群走狗にてテント芝居の音響から、大森政秀など多くの舞踏公演の音響や制作などを手がける。1981年に東京・中野にて、“カラダにとてもやさしい”構造のスタジオ・テルプシコールを設立。1985年より『舞踏新人シリーズ』を主催。舞踏の新人発掘・発展にいそしんでいる。

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