池田 亮作・演出、ゆうめい『養生』開幕!

現代彫刻の要素から空間演出を展開させ、私演劇の更なる行く末を描き続ける作家・池田 亮が作・演出・美術を手掛ける、ゆうめい待望の新作『養生』(ようじょう)。
第34回下北沢演劇祭参加作品であり、ザ・スズナリで開幕する今作は”夜間勤務の現場”が基となる話。公演は2月17日〜20日まで下北沢 ザ・スズナリで上演中だ。
その舞台写真とコメントが届いた。

《ストーリー》
絵画科の美大生橋本(本橋 龍)と、経済学部の大学生阿部(田中祐希)は百貨店の内装作業を行う夜勤のバイトで出会った。意気投合し、当たりが強い正社員と仕事量に不満を漏らしながらも「卒業したら俺らこうはならんし」と笑い合う。数年後、二人はその夜勤でバイトから正社員になっていた。新入社員の清水(黒澤多生)の教育を任される阿部。一方橋本は、人気作家となった同期の展示が百貨店の画廊エリアでクリスマス後に開催されることをポスターのディスプレイ作業中に知る。喪失した時間と今とが対峙をしつづける、夕方から明け方への話。
”諦めたいのに諦めない”という矛盾を抱える人物たちを演じるは、『動く物』で北海道戯曲賞にて大賞を受賞したウンゲツィーファ主宰の演劇作家・本橋 龍、ウンゲツィーファ&ゆうめい常連組であり青年団所属の俳優・黒澤多生、ゆうめい主宰の俳優・田中祐希。過去と既存に囚われず演劇での演技と表現方法を独自で追求し続け、未知へとシームレスに観客をいざなう粒揃いのキャストが繰り広げる三人芝居。

 【コメント】
池田 亮(作・演出・美術)   
夜勤現場で仲良くなれた人は、一緒に怒られた人でした。ひたすらに米袋を2人でコンベアーに朝まで運び続けるという仕事でした。当時彫刻家一本を目指していた自分は石を運んだ際に腰を痛めてしまっていたので動きが遅く、相方も足の深爪が痛い的な理由で同じく遅く、社員さんから「速度ナメクジかお前ら。初めてだぞこんなん」と喝を入れられ、使い物にならないからと倉庫の掃除を任されました。独特な臭いのする地下倉庫の中で片付けていると、お互い愚痴をこぼし始め、そしてぽつぽつと自分についてを話し出す空気になりました。1日でこんなに人と仲良くなれることってあるんだと思って、そして朝帰る頃には駅で手を振りあって「またどこかで」と挨拶するほどになりました。でも連絡先は交換しておらず、それ以降会えていません。そんな時も思い出しながら『養生』を作りました。そして今回の座組みの皆様はどこか、あの時に出会った人のような雰囲気がしています。みんなが寝静まる夜から朝にかけて仕事をするという特別な時間に生まれる出会いも別れも詰め込みました。ゆうめいとウンゲツィーファのコラボレーションとしてもお楽しみください。2月20日まで、スズナリにて心よりお待ちしております。

【公演情報】
第34回下北沢演劇祭参加作品
ゆうめい『養生』
作・演出・美術:池田 亮
出演:本橋 龍(ウンゲツィーファ) 黒澤多生(青年団) 田中祐希
●2/17〜20◎下北沢 ザ・スズナリ 
〈公式サイト〉https://www.yu-mei.com/yo-jo

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