椿組・花園神社野外劇『かなかぬち』出演に向けた山本亨、松本紀保のメッセージが到着!

日本文壇の巨星の一人・中上健次の唯一の戯曲『かなかぬち』は、1979年、椿組主宰の外波山文明のために書き下ろされたという。

1965年、和歌山県新宮市より上京してきた中上は、紀州熊野の自分の故郷・被差別部落を「路地」と呼び、そこを舞台に血族をテーマに数多くの小説を書き、1976年に戦後生まれで初めて芥川賞を受賞した。
一方、外波山は1967年、長野県南木曽町より上京。2年間の下積み生活や街頭劇、野外劇を経て、1971年に「はみだし劇場」を旗揚げ。街頭や一軒家、寺の境内や河原など様々な場所でひとり芝居や時代劇などを上演していた。

『かなかぬち』(2013年花園神社野外劇)

そんな2人が1979年、共に33歳の時に出会い意気投合! 生まれた戯曲が『かなかぬち』だ。同年に浅草の見世物小屋「稲村劇場」で初演。1983年より野外劇として山形、東京、熊野、横浜、新宿花園神社、南木曽で上演を重ねてきた荒ぶる「男」と「女」の物語が、今年7月、再び新宿花園神社にて上演される。
 
伝説の作品に挑む山本亨と松本紀保の2人からメッセージが到着した。

山本亨

座長・外波山文明が大事にしてきた役を譲り受け興奮の中、花園神社を飛び回った!あれから11年!今回、中上文学を愛する青木豪の演出である!演劇ファン、中上ファン必見の大夏祭りになる事間違いない!そして松本紀保さんの力強く響く言葉の渦に中上文学を体感して頂きたい!花園神社の土の上、走り飛び回る覚悟!ご期待ください!!

松本紀保

私の演じる「女」は、強さと雄々しさを内に秘めながら、哀しさに包まれています。
彼女の本当の姿、本当の想いとは如何なるものか、物語と向き合い模索している最中です。
破壊的で美しい中上健次さんの世界と野外劇のダイナミズムがどう交わるか。大切に、大胆に務めたいと思います。ご来場お待ちしております!

『かなかぬち』(2013年花園神社野外劇)

【あらすじ】
 
時は乱世・南北朝時代。日本の権力は北朝(京都=武家方)と南朝(吉野=宮方)とに別れ内乱状態が続いていた。その南朝・吉野から、さらに山深く入った熊野の山に「かなかぬち」と呼ばれる鉄の男が、その手下達と一緒に暮らしていた。その中には美しく男勝りで、むしろ「かなかぬち」以上に恐れられた女房も一緒に居た。彼らは峠に住み、行き交う旅人を襲い金品を奪い殺しては谷底に投げ捨てていた。又、都へ出ては家を襲い人々を焼き殺し、女を犯し、金品・衣類そして「紅」を奪ったりして悪の限りを尽くし人々から恐れられていた。
今は山賊のリーダーとして男共を従え走り回っている「女」も、かつては京の良家の女で幼い姉弟の母でもあった。女は都へ置いて来た子供の事を忘れようとするのか、荒ぶれた心を鎮めようとするのか、その暴れ方は異常であった。そこへ母を訪ねて旅をしながら彷徨う幼い姉弟。流浪の芸能集団。「かなかぬち」を仇と狙う花若。さらに時空を超えて幻の獅子が現れ・・・。

ちゝのみの 父はいまさず、
はゝそばの 母ぞ かなしき。
はらからの我と、我が姉
日に 夜に 罵(ころ)ばえにけり。
 
怒ります母刀自(ははとじ)見れば
泣き濡れて くどき給へり。
そこゆゑに、母のかなしさ―。
(釈迢空 古代感愛集 「追悲荒年歌」より)
 
「来るなら来い、愚かな者らめ。
  天空への道は
光が光りすぎる 闇じゃ!」
 
 
【椿組の野外劇がまるっと分かる動画】はこちら▼ 
https://www.youtube.com/watch?v=7g62saw5-co
「椿咲く花園の夜」完全版
『かなかぬち』の迫力ある映像もチラッと見れます♪

【公演情報】

椿組 2024 年夏・花園神社野外劇
『かなかぬち』~ちちのみの父はいまさず~

脚本◇中上健次
構成演出◇青木豪
主題歌◇友川カズキ
挿入歌◇山崎ハコ
●2024年7月10日(水)~23日(火)13回公演
[16日(火)休演日]毎夜7時開演(開場30分前)
●新宿花園神社境内特設ステージ[客席テント有り]
 
公式サイト▼
https://tubakigumi.com/upcoming-stage/

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