演劇ユニット「新派の子」歳末特別朗読祭「さろん・ど・まろん~波乃久里子を聴く宴」開催決定!

波乃久里子の家族内での愛称「マロン(=栗)」を冠した特別企画がパワーアップして再び登場する。

新派のみならず、歌舞伎やミュージカル、ストレートプレイなど多彩なジャンルで活躍する劇作家・演出家の齋藤雅文が主宰する演劇ユニット「新派の子」。2020年の結成以来、数々の話題作を発表してきた「新派の子」が、2024年12月12日に“歳末特別朗読祭”として、「さろん・ど・まろん~波乃久里子を聴く宴」を開催する。

その名の通り、新派女優・波乃久里子が当り役とする新派作品を朗読という形で上演する贅沢な内容で、一日限定の14時と18時開演の二回公演。会場はコンサートホールとして名高い代々木上原の「MUSICASA」。11月1日より前売り開始。

130年を超える歴史を持ち、日本人の心の機微を描いてきた「新派」。コロナ禍にことごとく劇団公演が中止となる中、危機感を募らせた新派文芸部の齋藤雅文を中心とする有志が、コロナ禍での新たな演劇活動を模索し、より新しい形で、より自由な活動を目指す。2020年11月に第一弾公演を開催し、第三弾公演として開催したのが、2023年4月の一日限りの特別な朗読会「さろん・ど・まろん~波乃久里子を聴く宴」。

二回の公演はいずれも満席となり、北條秀司作『太夫さん』では曽我廼家文童を相手役に迎え、大劇場さながらの上演で喝采を浴びた。コンサートホールとして名高い会場に役者の科白が心地好く響き、北條秀司作『明治の雪』ではチェロの生演奏との共演も話題となった。

新派の子「さろん・ど・まろん」より『太夫さん』(撮影:塚田史香)
新派の子「さろん・ど・まろん」より『明治の雪』(撮影:塚田史香)

そして、大好評に応える形で再び開催される「さろん・ど・まろん~波乃久里子を聴く宴」。今回の公演では、構成・演出の齋藤雅文が「“マロンづくし”をもう一度!」と意気込むように、新派女優・波乃久里子を堪能する、贅沢な内容となった。いずれも新派の名作だ。

まずは、久保田万太郎作『大つごもり』、泉鏡花作『日本橋』、井上ひさし作『頭痛肩こり樋口一葉』、川口松太郎作『遊女夕霧』という波乃久里子が当り役とする四作品からなる『久里子四段返し』。名科白とチェロの調べが織り上げる新派万華鏡、齋藤自身が「久里子の中でも特にお聴き願いたい珠玉の四役!」と訴える充実のラインナップ。
続いて、前回公演で好評を博した北條秀司作『太夫さん』を上演。京都島原の遊郭を舞台にした傑作戯曲を、波乃久里子のおえいで、曽我廼家文童を再び相手役に迎えて上演。科白と効果音の芳醇に響き合う北條戯曲の粋、耳を澄ませて聴く至福の時……ここに極まる。

新派の子「さろん・ど・まろん」より『太夫さん』(撮影:塚田史香)

【コメント】
齋藤雅文(構成・演出) 
「マロンづくし」をもう一度!
コロナの日々……「マロン」こと久里子さんの科白が聴きたい!
その思いだけで開いた一日だけの「さろん・ど・まろん」。
助っ人の曽我廼家文童さん、チェロの五十嵐あさかさんのお力もあって、
満席のお客様からお褒めの言葉を頂戴した。
こういうものが聴きたかった、と。
砂漠でオアシスに転がり込んだような多幸感!
そしてまた「聴きたい欲」がうずいて来た!
朗読を安易な表現と思う人も多い。
が、ホンモノの科白の力は、脳の中に真実の舞台を再現させてくれる。
久里子さんの語るものは、実際の舞台といささかも変わることがない。
美しい音響のムジカーザで、真実の「脳内劇場」をご堪能いただきたい!
少しでも多くの方にこの感動を!
ホント、もったいないですから!

新派の子「さろん・ど・まろん」より『明治の雪』(撮影:塚田史香)

波乃久里子
齋藤雅文先生から、また嬉しいお声がけをいただきました。
昨年の春、「さろん・ど・まろん〜波乃久里子を聴く宴」という大層畏れ多い名前の朗読会を催してくださいました。一日限りの会でしたが、溢れんばかりのお客様とのあの緊密な空間は、まさに夢の中の出来事のよう。一期一会の煌めくような素敵な宴でした。
これまで演じてきた役々に、朗読という形で改めて向き合うのは、なんだか馴染みの方の、新たな一面に出合うようで、とても新鮮でした。お稽古から毎日が楽しくて、そして科白だけで表現することの難しさを実感……すぐに立って動きたくなってしまうんです(笑)。
今回の齋藤先生からのリクエストは、『大つごもり』『日本橋』『頭痛肩こり樋口一葉』『遊女夕霧』からなる“久里子四段返し”……これまた大層な(笑)。そして曽我廼家文童さんとご一緒する『太夫さん』。おみねさん、清葉さん、一葉さん、夕霧さん、おえいさん……幼馴染のような皆さんと再び向き合えることが今から楽しみです。
「久里子ちゃん、役の人生をなさいね」。師匠である(初代水谷)八重子先生の言葉をいつも思い出します。
私たち役者は常に自分とは違う人生を生きます。そのために幾度も幾度も台本と向き合います。台本はその役の生命の源であり、台本に書かれた科白は血肉となります。そこに書かれた言葉を見つめ、声に出して読み、役と向き合います。役者である私にとって、この上ない喜びです。
齋藤先生、本当にありがとうございます。感謝しかございません。
早いもので新派に入って60年以上の月日が経ちます。これまでの全てを総動員して、少しでも皆様にご恩返しできましたら嬉しいです。科白のひとつひとつを大切に。12月12日、一日限りの公演となります。皆様にお目にかかれますことを楽しみにしております。

【公演情報】
演劇ユニット「新派の子」歳末特別朗読祭
『さろん・ど・まろん~波乃久里子を聴く宴』
構成・演出:齋藤雅文
企画・製作:演劇ユニット 新派の子
出演:波乃久里子/田口守、伊藤みどり、佐堂克実、中谷容子、鴫原桂/五十嵐あさか/曽我廼家文童
●12/12◎MUSICASA(代々木上原駅東口徒歩2分)
14時公演・18時公演
〈料金〉一般6,500円  当日7,000円 U40:3,500円(全席自由・税込)
〈一般発売日〉2024年11月1日(金)11時〜
〈チケット取扱〉カンフェティ 050-3092-0051(平日10時~18時)
http://confetti-web.com/@/marron
〈「新派の子」公式X〉https://twitter.com/shinpa_no_ko 

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