舞台『セツアンの善人』兵庫公演に向けてコメント到着!
葵わかな・木村達成らの出演する舞台『セツアンの善人』が、東京公演を終え、11月9日・10日に兵庫公演を行う。その初日に向けてコメントが届いた。
舞台『セツアンの善人』は、第二次世界大戦中、ナチスにより市民権を剥奪されたドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが亡命先で執筆し、1943年にスイスのチューリッヒで初演された。神様が地上に降りてきて善人を探すという本作は、ブレヒト作品を代表する寓意劇として、今も多くの人々に愛され、世界各地で上演を重ねている。今回は世田谷パブリックシアターの芸術監督、白井晃が満を持して本作を手がけている。
「人はどこまで善人でいられるのか」「人はお金で幸せになれるのか」という現代社会に生きる我々にも通じる痛切な問いかけが、葵わかなが一人二役で演じ分ける、心優しき女性シェン・テと、ビジネスに徹する冷酷な青年シュイ・タという真逆な人物を通して描き出される。この葵わかな扮するシェン・テを中心に、アジアの都市とおぼしき「セツアン」に棲息する人々の息遣いを、演出の白井晃が今日的な視点からすくい取り、繊細にしてダイナミックな舞台を構築している。
シェン・テと、シェン・テの分身である架空の従兄シュイ・タを演じるのは、葵わかな。シェン・テが恋に落ちる失職中のパイロット、ヤン・スンには、木村達成。また、神様と交信する水売りのワンには、渡部豪太。息子を溺愛するヤン・スンの母親のヤン夫人には七瀬なつみ、シェン・テが買い取ったタバコ屋の元オーナーである未亡人のシンをあめくみちこ。シェン・テのタバコ屋に居座る大家族の祖父を小林勝也、そして下界で善人探しをする人間臭い3人の神様を、ラサール石井・小宮孝泰・松澤一之が演じます。このほか栗田桃子・粟野史浩・枝元萌・斉藤悠・小柳友・大場みなみ・小日向春平・佐々木春香という、若手からベテランまで、実力派の総勢17名の個性豊かな出演者が集結し、百年近く前に書かれた本作を現代社会にも深く通ずる普遍的な作品として立ち上げている。
《あらすじ》
善人を探し出すという目的でアジアの都市とおぼしき「セツアン」の貧民窟に降り立った3人の神様たち(ラサール石井、小宮孝泰、松澤一之)は、水売りのワン(渡部豪太)に一夜の宿を探すようにと告げる。ワンは街中を走り回って神様を泊めてくれる家を探したが、その日暮らしの街の人々は、そんな余裕はないと断る。ようやく部屋を貸したのは、貧しい娼婦のシェン・テ(葵わかな)だった。その優しい心根に感動した神様たちは彼女を善人と認め、大金を与えて去っていった。それを元手にシェン・テは娼婦を辞めてタバコ屋を始めるが、店には居候が増え始め、元来お人好しの彼女は彼らの世話までやくことになってしまう。ある日、シェン・テは、首を括ろうとしていた失業中のパイロットの青年ヤン・スン(木村達成)と出会い、恋に落ちてしまう。その日からシェン・テはヤンが復職できるように金銭的援助も惜しまず奔走しはじめるのだが、一方で、自身を犠牲にしてまで人助けを続けることに疑問をいだくようになっていた。彼女はある一策を思いつく。それは冷酷にビジネスに徹する架空の従兄、シュイ・タ(葵わかな・二役)を作り出し、自らその従兄に変装をして、邪魔者を一掃するという計画だった……。
【コメント】
葵わかな
無事に東京千秋楽を迎えることができました。
ほっとする気持ちと、寂しさとが混じった気持ちです。
毎公演、新しい解釈や表現が生まれるような体験をしていました。
観に来てくださるお客様が違えばどんどん変わっていくのがとても面白くて心地よく感じていました。
残すは兵庫公演の2回となりましたが、また違う劇場で、違う土地でどんな作品になっていくのか、楽しめたらなと思います!
ぜひ劇場でお待ちしてます。
木村達成
「セツアンの善人」東京公演が、力強い拍手に包まれながら無事終了しました。ありがとうございました!
今週末は兵庫公演です。
僕、個人的には2022年ミュージカル「四月は君の嘘」と「管理人」以来の兵庫公演となります。
舞台は、観客の皆さまがあって成立するということを改めて痛感する作品です。
劇場でお待ちしてます。
トレーラー公開中(舞台映像)
https://youtu.be/KYKOMlb8OCo?si=E4wThob9u5Mhjr8u
【公演情報】
『セツアンの善人』
作:ベルトルト・ブレヒト
音楽:パウル・デッサウ
翻訳:酒寄進一
上演台本・演出:白井晃
訳詞・音楽監督:国広和毅
出演:葵わかな 木村達成 渡部豪太 七瀬なつみ あめくみちこ
栗田桃子 粟野史浩 枝元萌 斉藤悠 小柳友 大場みなみ 小日向春平 佐々木春香
小林勝也 松澤一之 小宮孝泰 ラサール石井
演奏:加藤優美(Vn. 兵庫公演) 島津由美(Vc.) 熊谷太輔(Perc.)
●11/9・10◎兵庫公演 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
〈チケット取扱〉芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255 (10:00AM‐5:00PM/月曜休み ※祝日の場合翌日)
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00~17:00 月曜休/祝日の場合翌日)
〈劇場公式サイト〉https://www1.gcenter-hyogo.jp/
(撮影/細野晋司)