劇団唐ゼミ☆が、唐十郎の傑作戯曲『少女仮面』に挑む第33回公演は2組キャストの交互上演で8/19に開幕!

横浜国立大学の教授を務めた(1997〜2005)唐十郎が、授業のゼミナールで演劇公演を行い、それをもとに発足した劇団唐ゼミ☆。2001年12月、二期生として入った中野敦之は、第2回公演より唐十郎とともに演出を担当。以降、唐十郎作品の研究を続け、作品上演、ワークショップも多数開催している。
これまで、「唐十郎門下として、世間や他の演劇人が注目しない作品にスポットを当ててこそ私たちだ、そういう思いが強かったから」と、どちらかと言えばマニアックな作品を上演してきた唐ゼミ☆だが、
「しかしここからは舵をきります。いわゆる傑作に、初演時の成功作に、これからは挑もうと狙っています。誰もが上演したがる作品を、誰もができないレベル、深度、多彩さ、振幅の激しさに到達して上演できなければ、『唐ゼミ☆』を名乗る資格はありません。」という。(「」は劇団HPの代表・中野敦之のあいさつより抜粋)

そして今年、1969年に鈴木忠志が主宰する早稲田小劇場に書き下ろされ、岸田戯曲賞を受賞した唐十郎の傑作戯曲『少女仮面』を昨年上演したメンバー【A.同期の桜組】と、新たに結集した【B.ニューウェーブ組】のWキャストで上演! 昨年も出演した劇団員の椎野裕美子から熱いメッセージが届いた。

撮影:伏見行介

A:同期の桜組:春日野八千代役 Bニューウェーブ組:老婆役で出演する椎野裕美子です。昨年、同じ『少女仮面』で6年ぶりに舞台に立ちました。自分の顔を鏡で見ることもなく、髪を振り乱しながら日々子育てに奮闘してきた私は、久方ぶりにメイクのために鏡をのぞき、シミもシワもくっきりで、白髪があちこちからピョンピョン飛び出す自分の表情に遭遇。「こんなにふけちゃって」と恥じる気持ちがあったのは確かです。後退した髪の生え際を黒くぬりつぶしたり、やせた髪の毛を無理やりたてて髪にボリュームをださせたり必死でした。その必死さは役柄としての「春日野八千代」の必死さと通じているように思えました。ですが、今年は、さらに進化して「老婆」が私に舞い降りてきました。すると、今度は、シミもシワも白髪もウェルカム!!老婆なんだし。そして舞台上でも老婆心を持つと、熱演する若手役者陣に胸打たれ、熟練の役者陣に感動し、常に圧倒されっぱなし。与えられた役で、こんなに見える世界が変わるんだなと思っています。どちらの組も本当に笑えて感動できる舞台です。是非、2チームのそれぞれを快くまで堪能しにきてください!

【あらすじ】
貝(かい)は 宝塚歌劇団に憧れる女の子。
彼女はいつも少女フレンドを抱える老婆とともに、
大スター・春日野八千代(かすがのやちよ)が営む
喫茶店「肉体」にやってきた。
喫茶店のお客を装いながら新人女優として
入門を果たそうと意気込む貝だったが、
そこには困難が待ち受けていた。
店を差配するボーイ主任は、
スパルタ演出家のようにボーイたちを叱責し、
厳しく歌とダンスを仕込む。
果ては、お客である腹話術師にもつらく当たる。
覚悟を決めて春日野の入門を切り出す貝もまた、
主任によって一蹴されてします。
が、実際に春日野本人が現れると、
相手役として見初められ…

【公演情報】
唐ゼミ☆ 第33回公演
『少女仮面』
作◇唐十郎
演出◇中野敦之
出演◇椎野裕美子 津内口淑香 米澤剛志 赤松怜音 丸山正吾 他
8/19〜24◎エコー劇場
劇団HP
http://karazemi.com/

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