イッツフォーリーズは「見上げてごらん夜の星を」や「手のひらを太陽に」など心温まる作品で知られる人気作曲家・いずみたくが1977年に創ったミュージカルを専門に上演する劇団。そのいずみたくの資料を整理している中で、当時の専門学校のために彼によって書かれたミュージカル『十二人の怒れる男』の譜面が見つかった。

劇団ではこの幻のミュージカル作品を50年の時を経て甦させたいと、演出を五戸真理枝に依頼、音楽監督は田中和音が担当して、2月6日(金)~15日(日)に浅草九劇で上演されることとなった。当時の人気作曲家が、不朽の名作『十二人の怒れる男』を題材に、若い学生たちのために書いた作品がどのような形で甦るの興味は尽きない。
五戸真理枝(演出)からのメッセージ

今回、初めてミュージカルの演出に挑戦しています。歌を自然に見せるために、ストレートプレイを演出する時以上に計算したり、気にかけておく事が沢山あるなと感じています。
最初、この作品をミュージカルにすると聞いて、本当にできるだろうか? と不安でした。ですが、歌入の読み合わせを聞いた時に、違和感のなさに驚きました。
それぞれの登場人物の怒りが音楽の形に変わることで少しの客観性と華やかさが加わります。
ミュージカルにすることで、「議論とは何か」、「差別や偏見はなぜなくせないのか」といった作品の底にある問いが立体的に表現され、登場人物の抱える人生も鮮やかに見せられるように思います。
演技のリアリズムも大切にしたいので、マイクなし、ほぼ生声で、歌っている人の個性が出るような作りにしています。浅草九劇の小空間ならではの臨場感を楽しんでいただきたいです。
この作品を映画や舞台で見たことのある方にも、初めてご覧になる方にも、見ているうちに、「ああ。人間とはこういうものか」と、深く感じ、楽しんでいただける時間に出来たらと思います。




あらすじ
スラム街の少年による父殺し裁判で、12人の陪審員が審議をしている。当初11人が有罪を主張する中、ひとりの陪審員だけが無罪を主張し、議論を呼びかける。蒸し暑い密室で、無罪を主張する陪審員は、固定観念や個人的な偏見に囚われず、証拠の疑わしい点を論理的に再検証することを要求。激しい議論の末、次々と意見が変わっていくのだが……。





