池田ヒトシが1996年、自らの主宰団体として立ち上げた「華翔」。小劇場で、少人数の見ごたえのある作品上演を基本に、その時にやりたい作品創りにこだわり、質の高い演劇公演を行っていくことを目指している。
今回は2024年10月に上演し、好評を博したふたり芝居『あたま山心中 散ル、散ル、満チル』に続き、劇作家・竹内銃一郎の傑作戯曲『眠レ、巴里』をプロデュース。2月12日~15日に中野のスタジオあくとれで上演する。

『眠レ、巴里』は、1985年に東京の都営住宅で実際に起こったサラ金に追い詰められた「姉妹餓死事件」に触発されて、竹内銃一郎が書き下ろした傑作戯曲。演出はイケダヒトシが手がけ、姉妹を演じるのは松岡洋子とクリタイクコ、さらにこの部屋に現れる男の役で池田ヒトシも出演する。
そこは巴里なのか、姉妹が住むアパートなのか、奇妙な会話を交わす姉妹。エッフェル塔からこの部屋が見えるだろうか────夢・現=生・死の間を行き交う姉妹の物語から、人の生の儚さや無常。生きるとは何か?と問いかける。
晴れた日には、永遠が見える、というのは、ひょっとすると本当かもしれない……。
池田ヒトシからのメッセージ

少人数の出演者による、濃密な空間での公演を続ける華翔の次回公演は竹内銃一郎作「眠レ、巴里」。
竹内銃一郎作品はドイツの詩人カール・ブッセの「山のあなた」に強く影響されていると思います。人は常に、山のかなたのどこか遠くに幸せがあると信じて、現実のつらさ、厳しさからしばし逃れているのではないか。今回の「眠レ、巴里」も二人の姉妹は巴里を、山の向こうに見立てていると想像します。
この戯曲は実際に起こった悲惨な事件からインスピレーションを受けていますが、姉妹の会話は人の生の儚さや無常だけではなく、生きる楽しみや明るさ、面白ささえも感じさせます。生きるとは何か?という問いを、見ている人と共有できればと思っています。






