岸田國士戯曲賞作家の山本卓卓と、本年度の読売演劇大賞優秀演出賞に決定した額田大志が初タッグを組む範宙遊泳『われらの血がしょうたい』が、2月21日〜3月1日、シアタートラムに初登場する。演劇集団範宙遊泳(はんちゅうゆうえい)は、劇作家・演出家の山本卓卓を代表に、2007年から東京を拠点に活動。現実と物語の境界をみつめ、その行き来によりそれらの所在位置を問い直す。近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行っている。

─インターネットは血をみるか?─
ネット上に不可解な投稿を残して消えた母。
海の彼方に消えてしまったらしい彼女はある日、家電製品の人工知能”ザマ”として現れる。娘の痕跡を見守りながらも時は流れ、住む人間が次々と入れ替わっても、”ザマ”は人間の歴史を積み上げながらバグとともに存在し続けている━━━。
本作『われらの血がしょうたい』 は、人間の根源的な営みや愛、生命の安全といったモチーフを冷笑のインターネットを用いて表現する範宙遊泳の意欲作で、2015年に横浜とインドで上演され、衝撃を与えた。今回は、額田大志が新たに演出・音楽を担当。さらに出演者も一新、範宙遊泳から植田崇幸、井神沙恵、埜本幸良、福原冠、そして客演に端栞里(南極)というキャストたちでリクリエーションする。
山本卓卓(作・映像)からのメッセージ

見終わってから自分がどこにいるか、考えざるを得ない作品になりました。時間感覚もわからなくなるかもしれません。私、という存在を問い直す仕掛けが、言葉にも演出にも盛り込まれています。これを見て1ミリでも何か動くものがあれば、それがあなたが人工知能ではないということの証明になると思います。ぜひお楽しみに!
額田大志(演出・音楽)からのメッセージ

『われらの血がしょうたい』は人工知能を扱った作品です。ただ、それが人間と対立したり、大きな戦いを招くことはありません。未来を描いてはいますが、積み重なった人間の記憶や身体、つまり人間と切り離せない物事を、演劇という人類と伴走してきたメディアを通じて語る、そんな壮大な試みです。とにかく突き抜けた作品であり、懐かしくも新しい範宙遊泳がお見せできると思います。劇場でお待ちしています。
公演情報

範宙遊泳『われらの血がしょうたい』
作・映像◇山本卓卓
演出・音楽◇額田大志(ヌトミック)
アートディレクション◇たかくらかずき
出演◇井神沙恵 植田崇幸 埜本幸良 福原冠 端栞里(南極)
2/21〜3/1◎シアタートラム





