芸劇dance中村蓉ダブルビル『邦子狂詩曲 クニコラプソディー』8月上演決定!
ダンス・音楽・演劇の要素を取り入れて描く『花の名前』×コンテンポラリーダンサーの鍛えられた身体で描く『禍福はあざなえる縄のごとし』2つのアプローチで向田邦子の世界を奏でるダブルビル『邦子狂詩曲 クニコラプソディー』が8月に東京芸術劇場シアターウエストにて上演されることが決まった。
文学作品を度々題材に、才能を濃密に発揮し、高い評価を得て多彩に活躍するダンサー・振付家の中村蓉。2023年には、東京芸術劇場にて一般参加型のダンスワークショップ企画「芸劇danceワークショップ」の講師を務め、ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』を題材にダンス作品の創造の過程から楽しみ味わうワークショップに挑戦。一般公募で集まった多彩なメンバーと約2ヵ月の濃密な時間を重ね、シアターイーストでの発表公演を大成功に導iた(芸劇danceワークショップ2023発表公演『√オーランドー』)。
今回は、東京芸術劇場が注目する、上質なダンス作品を創造する新進気鋭のアーティストとタッグを組んで公演を実施する芸劇danceシリーズとして、中村が研鑽を重ねてきた向田邦子原作ダンス作品のリクリエーション&新作のタブルビルに挑む。
中村蓉(ダンサー)による身体表現に、福原冠(俳優)・和田美樹子(メゾソプラノ歌手)・長谷川ミキ(ピアノ)による朗読や音楽を交え、中村が得意とする舞台芸術の多要素を横断的に用いながら描く『花の名前』。2022年初演、2023年に再演した『花の名前』を、東京芸術劇場と協同しスケールアップし、シアターウエストにて待望の再再演。そしていくつかのエッセイ題材に、個性的な実力派コンテンポラリーダンサー島地保武・西山友貴が、中村とともに、鍛えられた身体で向田邦子の言葉の美学と対峙し立ち上げる新作『禍福はあざなえる縄のごとし』。向田邦子が綴るスリリングな人間関係を2つのアプローチで描く期待作だ。
【コメント】
振付・構成・演出:中村 蓉
『花の名前』を題材に作品を創ったとき、学んだことが2つあった。ひとつは「物言わぬ、物の佇まい」。向田さんの小説に登場する電話機やじゃがいもの芽は、在るだけで、それを扱う人間の本音を雄弁に語る。物の、研ぎ澄まされた身体性に魅せられた。もうひとつは「自分を外に置く」こと。興味の濃淡に関わらず、小説で語られる要素全てに向き合うことで私の視野は広がった。そして今「外に置いた自分と、どう付き合うか?向田さんは、どう自分自身と対峙したのだろう?」そんな問いを持って向田さんのエッセイをもとに新作を創っている。学びを得てさらに小説を“遊び”尽くすリクリエーションと、エッセイで繰り広げられる「記憶の連想ゲーム」に究極の身体で挑み人生の紆余曲折の体現を目指す新作。どうぞ、お楽しみに。
【公演情報】
芸劇dance 中村蓉ダブルビル『邦子狂詩曲 クニコラプソディー』
振付・構成・演出:中村蓉
『花の名前』
出演:福原冠・和田美樹子・中村蓉
ピアノ演奏:長谷川ミキ
『禍福はあざなえる縄のごとし』
出演:島地保武・西山友貴
●8/9~12◎東京芸術劇場 シアターウエスト
〈チケットお問合せ〉東京芸術劇場ボックスオフィス https://www.geigeki.jp/t/