「マッチング☆フリーダム」チャレンジングシリーズ Vol.2

9/25までモーションギャラリーにてクラウドファンディング中のプロジェクト「えんぶ☆TOWN」。
その中の1セクション「マッチング☆フリーダム」を盛り上げようと、現在発売中の雑誌えんぶ(2024年10月号)に掲載された、”強引にラッキーにラッキーを重ねたPR版”フィクションをご紹介!

誰にも想像できないような未来を作りたい!

ことの始まりは「マッチング☆フリーダム」募集情報欄に投稿された1通のメッセージだった。
「映画作りません? なんかグズグズしててもいいことないし、
どなたか一緒に一発勝負にでませんか!」

このお話は、チャンスの少ない俳優やスタッフが集まって、出会いを武器に、貧困にもめげず知恵と工夫を重ねて、ラッキーを呼び込み、一発勝負に出る!という「マッチング☆フリーダム」プロモーション“チャレンジング”ドリームストーリーです。

言いだしたのは大石とよ子(20)。某県立高校を優秀な成績で卒業。あえて大学には行かずに地元の企業に就職したのだが、かなり無気力な雰囲気に呑み込まれそうで、不安。日々のニュースを見るに付けても、このまま生きていてもあんまりいいことはないなと、ほぼ確信に至る。在学中は映画研究会副部長。
クラノスケ♂猫の飼い主である。いま思えばおとなしい彼女がこんな乱暴な投稿したのは、後に猫又となって彼女らの偉業を語ることになるクラノスケがそそのかしたのかもしれない、と言われているのだが…。

この呼びかけに
いきなり4人が反応したのは驚く?

(編注:以下のコメントは著者が意訳している部分があります)

売れない女優A(32)
私は才能が無いかもですが…。オーディションはほとんど落ちてしまうし、受かったら受かったで長時間拘束されて出番は数秒、コスパ悪すぎギャラ安すぎBLACK! 私もやりたい!

タレント志望女子B(24)
映画やテレビに出演したいけどどうしたらいいかよくわからんうちに24才、甘えるな自分! とりあえずアキバでコスプレやっているけど、焦る! 特技はリズムなぎなたです。参加します。

バカ田大学演劇部員C(21)
みんなバカばっかで俺の言ってること誰もわからん! 恋愛中毒患者め! 俺は自分の可能性を試したいのだ! 堺雅人になりたくて何が悪い! 時代劇が好き! 参加したいです。

シナリオ作家志望D(77)
participate!年寄りですみません! シナリオ学校へ通ってます。とにかくぼくは自分の手で見たことのないような映像作品を作りたいです。タイムスリップものと鈴木清順にこだわってます。

諸事万端?

作品の内容は5人が落語の三題噺のように一つずつお題を出したものをシナリオ作家志望Dが中心になってまとめることになった。ちなみに、お題は「猫」「ゾンビ」「タイムスリップ」「忠臣蔵」「コスプレ」。
世の中には面白い人、変わった人がけっこういるもので「誰にも想像できないような映画を作りたい!」というフレーズで呼びかけると有象無象(いい意味で使ってます)46人まではあっという間に集まった。だが、ここから金縛りに会ったように参加希望者がパタリと止まってしまった。

企画相談の際に提出された画像

タイトルは「ゾンビーヌ忠臣蔵」に決まった?

演目は「忠臣蔵」をベースにすることになり、足りない一人は大石とよ子の愛猫クラノスケを抜擢して、併せて47士。後に猫又となるクラノスケが事態を誘導しているような気もするのだが…。

クラノスケとその仲間達

なんと監督がいないことに気づく?

監督がいない。「マッチング☆フリーダム」で募集をかけてみると、なんと国際的! アル中のフランス人系映画監督Eが参加を申し出た。彼は、先鋭的な手法で遅れ過ぎてきたゴダールと言われていたことも、飲酒過多などで問題を起こし業界的にはほぼ永久謹慎中だったのだ。ロケ撮影中心、同時録音、即興演出などのヌーベルバーグ的な手法?が予算の無い今回とても役に立った。

さらに音楽も必要なのではと、募集をかけてみた

モーリタニアのラッパーFが参加を申し出た。彼は、本作品成功の大きな要因の一つとなる狂言回し的な出演者として、よくわからない日本語が劇的効果を盛り上げ、混乱を混乱たらしめた存在となった。本国では名の通ったアーティストだったそうだが自称アナーキストのため半追放の身。「いざ闘わん いざ 奮い立て いざ あぁ インターナショナル 我等がもの」

某人気劇団が撮影に協力してくれた?

たまたま、「電子版☆ミュージアム」で展開中の“進行レポート”を見ていた某人気劇団が、撮影に協力を申し出てくれた。某劇団はこの時期、某劇場で時代劇の作品を上演していたのだが、休演日にその衣装を使って“敵役”として全員で出演してくれたのだ。時代劇っぽい要素が全くなくて心を痛めていた監督は嬉しすぎて当日飛び上がりっぱなしで撮影を続けたので、画面が揺れていてヌーベルバーグ的と評価された。

その後のエピソードをひとつ?

劇団主宰者と監督はこの出会いで意気投合し、5年後に「クラノスケと売れない女優Aを主演にした」映像作品を一緒に作り、赤い絨毯の上を歩くことになるのだが、これはまた別の機会に詳しく話そう。

お金が絡んだ話を少々します?

不足した資金の一部は「えんぶクラウドファンディング☆ファーム」で調達した。返礼品は無し。逆に出資者は全員ゾンビ役として出演することが支援金を支払う条件となった。だが、必然的にタイトルロールに名前が出ることにはなりました。

お弁当屋さんがみんなの仕事をくれた?

「マッチング☆フリーダム」でアルバイトの募集をしていた弁当を中心に販売している飲食関連の会社が、チームの勤労希望者をまとめてローテーション化してくれて、日々の生活を助けてくれた。そして、この試みは先方も人手不足を補って余りある成果を上げた。

演劇と弁当をミックスした会社を立ち上げた?

このチームに参加した一人は、のちに演劇と弁当をミックスした会社を立ち上げ、演劇弁当差入れ屋として後世に名を残すことになるのだが、その昔、猫の名前が付く劇団が同様に素敵な試みをしたことがあるのだが、その事実を知る者はもうほとんどいなかった。

語れば尽きぬ?

このあと後半の困難と栄光は限りなくドラマチックだったのだが、残念ながら紙面が尽きた。機会があればまた続きの話をしよう。
ちなみに、ゾンビ映画にした大きな理由は三つ。ひとつは通常の演技が下手でもゾンビならできるかも、と思った。ふたつめは大多数の参加者が自分もゾンビぽい所があるかも、と思った。もう一つは、某スクールの無名な人たちが作ったゾンビ映画が大ヒットしたから自分たちも、と思った。「忠臣蔵」は、たぶんなりゆきだと思います。

編注:これは「マッチング☆フリーダム」を紹介するためのPR版でフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。

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赤穂市「忠臣蔵」浮世絵デジタル展示室で公開された歌川広重(2代目)「忠臣蔵夜討之図 四十余騎大手搦手ト別テ討入ノ雪景色」=忠臣蔵浮世絵データベースから。同展示室では過去3回企画を変えて「忠臣蔵」テーマにした展示を見ることができます。
https://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/vm/akochushingura/

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「マッチング☆フリーダム」は、みんなが勝手にPR情報を投稿、自由に「なにかを探し・発見する」場所です。“同行の友”との出会いを楽しみながら、次のステップになるとよいと考えています。

【文◇ハロー・トルーマン】

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