伊藤英明主演、アーサー・ミラーの名作『橋からの眺め』開幕!

アーサー・ミラーの名作『橋からの眺め』が、J.H.ギビンズの日本初演出、13年ぶりの舞台出演となる伊藤英明の主演で、9月2日に東京芸術劇場 プレイハウスにて開幕した。(24日まで。のち北九州、広島、京都でも上演)。

『セールスマンの死』(ピュリツァー賞、トニー賞受賞)、『るつぼ』などで有名な、20世紀を代表するアメリカの劇作家アーサー・ミラーの社会派ドラマである『橋からの眺め』。違法移民の従兄弟家族を受け入れたことで一家に巻き起こる悲劇を描き、ピュリツァー賞をはじめ、数々の賞を受賞している。近年、ウエストエンドでリバイバル作品として上演され、マーク・ストロング主演、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出で、ローレンス・オリヴィエ賞、トニー賞の各賞を総なめにした。アーサー・ミラーは、生涯にわたって弱者に対する連帯を訴え続けた作家でもあり、昨今、絆の重要性が再認識されている現代日本で共感を呼んでいる。

本作の演出を手掛けるのは、演劇とオペラの演出家として定評があり、コンセプチュアルな演出で評価も高く英国内外で活躍するジョー・ヒル=ギビンズ。演出作『リチャード二世』は、英国ナショナル・シアターが厳選した、世界で観られるべき傑作舞台を上映するプロジェクト、ナショナル・シアター・ライブでも上映された。かねてより本作の演出を熱望していた彼が、初演出となる日本でどのような作品を誕生させるのか注目を集めている。

主演を務めるのは、2010年上演の『ジャンヌ・ダルク』以来、13年ぶりの舞台出演となる伊藤英明。イタリア系アメリカ人の港湾労働者で、“男性らしさ”に固執し一家に悲劇をもたらす主人公・エディを演じる。幼くして孤児となった姪をひきとり、ひたすら幸せを願って育ててきたものの、愛情が次第に歪んでいき、悲劇を呼び込むことになってしまう……。舞台出演の無かった13年の間も、数々の映像作品にて幅広い演技を魅せ続けている伊藤が、一家を抑圧する家長の姿を演じる。

そして、エディの妻ビアトリス役には映像のみならず舞台にも意欲的に取り組み各方面から高い評価を集め続ける坂井真紀、エディの姪キャサリン役にはNHK連続テレビ小説『なつぞら』や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演するなど多数の映像作品で活躍し、今作が初めての舞台出演となる福地桃子、ビアトリスの従弟ロドルフォ役には映画、TVドラマ、舞台とジャンルを問わず活躍し国外の作品にも多数出演している松島庄汰、ビアトリスの従兄マルコ役には話題の映像作品に多く出演しながらもコンスタントに舞台への出演も続けている和田正人、ストーリーテラーとなる弁護士アルフィエーリ役は舞台、映画、ドラマのみならず司会やナレーションなど多方面で活躍する高橋克実が演じている。

《物語》
弁護士アルフィエリによって語られ、ニューヨーク・ブルックリンの労働者階級が住む波止場が舞台。イタリア系アメリカ人の港湾労働者エディは、妻のビアトリスと17歳になる最愛の姪キャサリンとの3人暮らし。エディは幼くして孤児となったキャサリンをひきとり、ひたすら姪の幸せを願って育ててきた。そこへ、ビアトリスの従兄弟マルコとロドルフォが同郷のシチリアから出稼ぎ目的で密入国してくる。最初は、エディも歓迎するが、キャサリンが色男ロドルフォに徐々にひかれていくようになると、彼らに対する態度が豹変する。そして、自分の気持ちを抑えきれなくなったエディがとった最後の手段は……? 

【コメント】

演出家:ジョー・ヒル=ギビンズ 
日本に来て、優れた俳優の皆さんと共に創作し、素晴らしい体験ができました。俳優の皆さんが、私が稽古場を後にしても稽古を続けていたと聞いて、その姿勢にも感銘を受けました。現代社会において、この作品が伝えるべきメッセージは何か?ということを大事にしながら演出しましたが、本作は世界中に存在する移民の問題を描きながらも、同時に、あるひとつの家族にも焦点を当てています。ですからきっと世界中の誰もが共感できる作品だと思いますので、ぜひ劇場でご覧頂けたら嬉しいです。

ジョー・ヒル=ギビンズ 和田正人 坂井真紀 伊藤英明 高橋克実 福地桃子 松島庄汰

伊藤英明 
50歳を目前にして芝居に向き合いたいと思い、この作品、そしてジョーさんと巡り合うことができました。ここまで稽古を重ねる中で、毎日積み上げたものがゼロになって、また積み上げて、その中で新たな気付きや学びがあって……。いつ終わるんだろうと思ったこともありました。
舞台出演は13年ぶりですが、その時の感覚とは違って、早く皆さんに届けたいという気持ちが常にありました。これを終えた時、自分自身にはどんな景色が広がっているんだろうと楽しみな気持ちでいっぱいです。
スピード感があり、エネルギッシュな作品になっています。ご覧くださる皆さんと一緒に、さらにエネルギー溢れる作品に創り上げたいと思っています。ぜひ観劇にいらしてください。

坂井真紀 
約60年前の戯曲ですが内容はとても力強くて色褪せてないと感じています。稽古中ウォーミングアップでバレーボールを皆さんと一緒にやったのですが、ジョーさんが一番燃えていたのが印象に残っています。そんなジョーさんがこの作品を現代に置き換えてすごく面白く演出をつけてくださって、素敵なセットの中で演じられることをとても幸せに思います。観に来てくださる皆様にはセットも含めて楽しみにしていただきたいです。

福地桃子 
私自身、舞台出演が初めてで、こんなにも長く共演者やスタッフの皆さんと同じ時間を過ごす経験がなかったので、あっという間にこの日が来てしまった という感覚です。
信頼できる皆さんとご一緒できることをとても光栄に思います。
この作品は、お客様が入ったときに 今まで感じなかったことも受け取ることができると思っているので、それも楽しみに初日を迎えたいです。

松島庄汰 
目で見て楽しい、素晴らしいセットや衣装がすでにできあがっているので、観に来てくださった方々の感想がそれだけにならないように、役者として中身も印象に残せるようにがんばっていきたいと思っています。伊藤さんがとても早く稽古場にいらしていたりと、お稽古に向き合う姿勢にとても刺激を受けましたし、勉強になりました。今後の役者としての糧にしていきたいと思っています。伊藤さんをはじめとする素敵なキャスト・スタッフの皆さんと頑張っていますので、ぜひ劇場にお越しください。

和田正人 
稽古場で誕生日をお祝いしてもらったときに写真を撮ったのですが、皆さんセリフが膨大で、僕とジョーさん以外目が笑っていないほど(笑)、大変な思いで稽古を重ねていきました。お稽古より早く集まったり、居残りをして練習をしたり、日に日にチームワークが強くなっていったのを実感しています。皆さんのお稽古に対する姿を見て、このチームいけるなと思いましたし、ジョーさんにこのままついていけば良い作品がお届けできると確信しました。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

高橋克実 
ジョーさんは最後まで諦めない情熱的な演出家さんです。直前まで細かいところを丁寧に熱心に見てくださったので、僕らはその熱い気持ちをしっかりと受け止めて、お客様にお届けしなければ、、、と思っています。でも、僕ら役者の舞台上の動きは結構大変なんです (笑)。もちろん、そこが役者にとってのやりどころですから頑張らないと・・・。僕ら役者たちの頑張り、美術、照明、衣装などすべてが素晴らしい調和を見せていて、お客様に、この劇空間全体を堪能いただける舞台になっていると思っています。お待ちしています!

【公演情報】
パルコ・プロデュース2023『橋からの眺め』
作:アーサー・ミラー
演出:ジョー・ヒル=ギビンズ
出演:伊藤英明 坂井真紀 福地桃子 松島庄汰 和田正人 高橋克実
●9/2~24◎東京芸術劇場 プレイハウス
〈料金〉S席11,000円 A:9,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
〈お問い合わせ〉パルコステージ 03-3477-5858 https://stage.parco.jp/
〈公式サイト〉https://stage.parco.jp/program/aviewfromthebridge

●10/1◎J:COM北九州芸術劇場 大ホール
〈お問い合わせ〉 TSSイベント事務局 082-253-1010(平日10:00~17:30)
キャンディープロモーション 082-249-8334(平日11:00~17:00) 
●10/4◎広島 JMSアステールプラザ 大ホールチケット 
〈お問い合わせ〉 TSSイベント事務局 082-253-1010(平日10:00~17:30)
キャンディープロモーション 082-249-8334(平日11:00~17:00)
●10/14・15◎ 京都劇場
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日11:00~18:00)※日・祝は休み

【撮影:御堂義乘】

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