
きっと普段は見目麗しかったりおばちゃんだったりするであろう20〜50代の女性演者たちが、入れ替わり立ち替わり老若男女を演じ分け、一十口裏の描く孤高のナンセンスコメディをストイックに上演し続ける劇団げんこつ団。驚きの第55回公演は更なる地平に挑戦する、一念発起の真っ向勝負!
火葬場の乱立した町で、母を亡くしたベテラン女性作家は何を手にするのか…。今年、五人に一人が後期高齢者となった日本で、比類無き”カタルシスクライシスナンセンス喜劇”を上演する団員たちより、意気込みのメッセージが到着した。

<一十口 裏>
この度はわたくし初、境遇は全く違えど、自分と同じ問題を抱えている主人公です。
団塊世代の紡いできた重厚な人生の物語の数々に対して、自分は自分の人生の物語を一行でも紡いで来られているのやらいないのやら。
失われていってしまうその物語を前にして、さて自分には何が出来るのやら出来ないのやら。
ともあれそんなことよりも、働いていかなきゃいけない。身を粉にしなければならない。
野放図に動いていく世の中で、身を粉にして無意識に色々な選択をしていくだけの日々。
そうして知らぬうちに、自分の人生の物語は綴られていっているのやらいないのやら。
少しでも共感があれば是非ともご来場をご検討ください。なくとも是非ともご検討ください。
そんな世の中でそんな人々が無意識に綴る、「物語のない物語」です。
なので終始、非常に荒唐無稽。
しかしこれもまた、これぞまた、「今の此処」です。
演者の皆様のお陰様で、それぞれに魅惑的な登場人物たちが一つ所で右往左往します。
乞うご期待の今回です。一同、心よりお待ちしております。

<植木 早苗>
なんと55回目公演!!
記念すべき今回は今に送る物語。
世の中そんなに悲観せずに生きていこうと思っていただけたら幸い。
人生は喜劇ですよ。ケセラセラ。

<春原 久子>
溢れ出す団塊の世代!羽ばたけ後期高齢者達!
何も無い物語の中で垣間見た、こびりついた人生の物語。
突然訪れた母の死と、無意識に握りしめた原稿用紙。
さあ、彼女の元に、カタルシスは訪れるのか?!

<河野 美菜>
今回の公演は本公演55回目の記念公演になりますが、あいかわらずのナンセンスっぷりを更に爆発させています。
個性あるキャラクター達と一緒に物語を進んでいきながら、沢山の方に楽しんでいただける公演になればと思っております。
ぜひ期待して劇場に足をはこんでいただけたら嬉しいです。

<丹野 薫>
五人に一人が後期高齢者となった今年。
もはや他人事ではない世の中。
只事ではない何かが起き始めているかも。
この世の全員が、これだけは平等に年を取る。
老い。死。それとも他の何か。
何をみつめることになるのか。
確かめに来てください。

【あらすじ】
団塊ジュニアの、ある叫びから始まる今回。
大混雑する火葬場で働く業務員たちと、溌剌と生きる団塊世代。
過酷な労働環境と、それを強いてきた企業。
何も書いたことのないベテラン作家は、そのなかで物語を語ることが出来るのか。
既に死んでいるのはどの人たちかは、観て頂けたら分かります。
【公演情報】
げんこつ団 55回目の本公演
『800〜1200度のカタルシス』
脚本・演出◇一十口裏
出演◇植木早苗 春原久子 河野美菜 丹野薫 三明真実 白宮綺桜 生江美香穂 清水さと
10/29〜11/2◎小劇場楽園
公演サイト http://genkotu-dan.xxxx.jp/
げんこつ団 http://genkotu-dan.official.jp/