劇作家として幅広いジャンルで活躍する長田育恵、なかでも連続テレビ小説『らんまん』は大きな話題を呼んだ。今回、民藝に書き下ろした新作『風紋 ―この身はやがて風になりても―』が、2月6日~14日に紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演される。民藝では『SOETSU』『「仕事クラブ」の女優たち』『レストラン「ドイツ亭」』に続く、待望の4作目となる。演出は湯浅芳子賞や毎日芸術賞千田是也賞を受賞した民藝の演出家、丹野郁弓が手がける。

今なお多くの人を魅了する詩人、宮澤賢治。その死の2か月ほど前から物語がはじまる。彼が最後の生命をかけた旅で目指した<終着駅>とはいったいどこだったのか──。
壮絶な人生をもがき続けた宮澤賢治。生きている人と死んでいる人が対等に干渉しあう目線、グスコーブドリの自己犠牲の精神。彼から願いを託されたはずの未来の私たちは、どんな現在を築けているのか──。
宮澤賢治役には一之瀬朝登、親友の保阪嘉内に釜谷洸士、妹トシに佐々木郁美という若手たちから、佐々木梅治や桜井明美というベテランまで、実力ある俳優たちの出演で、賢治生誕130年の年にそのメッセージを見つめ直す。
一之瀬朝登からのメッセージ

宮沢賢治役を演じます一之瀬朝登です。
彼の作品『春と修羅』にあるように、賢治はよく「修羅」という言葉を使います。では私にとっての「修羅」は何かと考えると、それは「俳優」という仕事でした。「自分じゃない誰か」になれるかもという希望が、未熟なせいですぐに絶望になりかけます。それでも誰かがくれたちょっとした言葉に小さな光を感じて、いま、そうした「希望」を手繰り寄せて芝居と向き合っています。
宮澤賢治は苦しみながらもわずかな希望を糧にして、自分の人生を生き抜いた人だと思いました。そう考えると自分自身と重ねられて彼を近くに感じる事ができました。
賢治の故郷の岩手県にも足を運び、花巻の美しい風景や地元の方々の温かい人柄に触れました。なによりこんなにも賢治が愛されて、大事にされていることを知って、身の引き締まる思いがしました。
自分なりの賢治を精一杯務め、素晴らしい舞台にしたいと思います。ぜひ、劇場で見届けてください。
公演情報

劇団民藝『風紋 ―この身はやがて風になりても―』
作◇長田育恵
演出◇丹野郁弓
出演◇佐々木梅治 一之瀬朝登 桜井明美 印南唯 佐々木郁美 他
2/6〜14◎紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA




