ノゾエ征爾– by Nozoe Seiji –
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【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.131「言葉のうつろひ。」
またね。この「。」を付けることをマルハラと呼び、一部の若者の間では、句読点は、ちょっとした圧力を感じるものとなっているらしいと聞いて、驚愕したものだ。とは言え、LINEなどの話し言葉の時に限ったことらしい。「またね マル!以上!」のような、... -
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.130「お役立ち2024」
公園で男の子が泣いていた。小学3年くらいだろうか。近くにいた他の子のお母さんが、大丈夫?などと声をかけていた。男の子はどうも鼻血を出しているようで、そのママさんはあたりを見回す。誰かにヘルプを求めている。私は道路を挟んでこっち側にいる。そ... -
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.129「お選択」
もう今年最後のエッセイとは、信じがたいほどに早い。12月にしてこの異常な暖かさが、より信じられなさに拍車をかけているのかもしれませんが、あれも今年かこれも今年かと思い出していくと、一年ってなかなかにボリューミーである。下半期はずっと身体の... -
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.128「USJとTDS」
一月の間に、西と東の大テーマパークに行ってきた。初めてのUSJと、15年ぶりの東京ディズニーシーである。もうすぐ5歳の息子はいずれも初となる。 まずはU S J。着いたU S Jの駅でエスカレーターに乗りこむと、とあるカップルがエスカの歩く側の途中... -
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.127「暗いマッチ」
尊敬してたアーティストから天才と評されて、一瞬だけいい気分になっているノゾエです。「ガラパコスパコス」も、おかげさまで東京公演をなんとか無事に完走できまして、地方公演の真っ最中であります。一発目の京都公演は一人欠けましたが、私が代役も兼... -
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.126「円の縁」
「えんぶ」が、「演劇ぶっく」という名前だった頃、養成所「ENBUゼミナール」が立ち上がり、私はその第一期生だった。一年目の講師陣は、いのうえひでのり氏、加納幸和氏、ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏、成井豊氏、平田オリザ氏、松尾スズキ氏、... -
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.125「陽の当たらない道」
前回、ベトナムの日差しの強さに少しだけ触れたが、東京もなんら変わらないじゃないかと感じる日々である。歳のせいもあるだろうか、警報の聞きすぎだろうか。いや、実感として、実に暑い。熱い。痛い。自転車通勤の多い私は、白い長袖を羽織り、ツバの広... -
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.124「シクロのおじさん」
ベトナムはハノイに行ってきた。初ベトナム。お休みをいただいて、日数と、距離と、行ったことない国。といったところで、ハノイに行き着いた。激暑を覚悟していたが、雨や曇天に恵まれて?ひどい暑さとかではなかったのだが、一瞬垣間出た日差しに暴力的... -
【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.123「井内ミワク」
紫陽花の咲くこの時期、今年も始まりました、世田谷パブリックシアター@ホーム公演。世田谷区の高齢者施設、障害者施設巡回公演なんですが、早いもので14年目を迎えています。今年は、はえぎわの井内ミワクも初出演。って、2020年に井内さんでやる予定だ...
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