稲葉賀恵が寺山修司の異色作を演出する音楽劇『不思議な国のエロス』上演決定!

寺山修司の幻の異色作に稲葉賀恵が挑む『不思議な国のエロス』~アリストパネス「女の平和」より~の上演が決まった。2024年2月、新国立劇場 小劇場にて上演する。
 
本作は1965年、浅利慶太の依頼で寺山修司がアリストパネスの名作『女の平和』をベースに書き下ろした。しかし、当時は上演されず戯曲だけが残された。そこには、反戦と強い平和への願い、そしてジェンダー問題への意識改革が込められている。2014年に流山児★事務所が『寺山修司の「女の平和」』のタイトルで初演した。

この異色作に、第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した気鋭の若手演出家・稲葉賀恵が挑む。音楽は、世界で活躍するシンガー、演奏家であり、『幽霊はここにいる』の演奏・編曲で稲葉とタッグを組んだ古川麦が、全曲を書き下ろす。濃厚で刺激的な音楽劇の誕生に期待が集まる!

また、出演はミュージカル、ストレートプレイで活躍する実力派、勢いのある若手など、ジャンルを超えた顔ぶれが揃う。キャスト発表を楽しみに待ちたい。

2500年前から続く平和を強く願うメッセージ、ジェンダー意識を、現代でも新鮮なテラヤマの世界に乗せて届ける本公演。若い世代にも熱狂的なファンを持つ寺山修司の演劇作品における魅力を再発見する機会になるはずだ。また、テラヤマ・ワールドの協力を得て寺山修司没後40年記念認定事業として上演する。

《本作品について》
舞台はアテナイの都。戦争を終わらせる能力がない男たちに愛想をつかした女たちは、武将ラケースの妻ヘレネーの呼びかけでアクロポリスに立てこもり、戦争をやめさせるためのセックス・ストライキを始めます。戦争から帰還した男たちはどうにか懐柔しようとあの手、この手を繰り出します。若いクローエは平和を願いつつも、戦場に向かうアイアスを恋する思いが止められません。敵国からも賛同者を募り平和をかちとろうとする女たちですが…。
葬儀屋や武器屋など寺山修司ならではの世界観を盛り込み現代へと甦る、反戦と平和を祈る音楽劇。

【コメント】
稲葉賀恵
アリストパネスの『女の平和』に触れた寺山修司がこの戯曲を書いて60年近く経ちました。
今読んでみても男女間の性差、加害と被害の密接な関係性、戦争と国のからくり、その眼差しはとても先駆的で、独特で、挑戦的です。この企画が立ち上がった時、戯曲の頂の高さにたじろぐ自分がおりましたが、何よりも今私たちの国でこの作品を創作する意義を強く感じました。そして私自身これ
を現代に放ってみたいという強い思いに駆られました。
この挑戦を共にして下さるとても豊かで鮮烈なキャスト、スタッフが集まりました。
劇場で物語を傍観してもらうのではなく、お客さまを巻き込み、揺さぶり、飲み込むような現代劇として世に放ちたいと思います。どうぞご期待下さいませ。

【公演情報】
音楽劇『不思議な国のエロス』~アリストパネス「女の平和」より~
作:寺山修司
演出:稲葉賀恵
音楽:古川麦
出演:後日発表
●2024/2/16〜25◎新国立劇場 小劇場
〈一般発売日〉2024年1月発売(予定)
〈公式X〉 @fushigina_stage
 

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