戦国時代に広がる壮大な世界観! 舞台『HiGH&LOW THE 戦国』囲み取材レポート!

藤原樹 瀬央ゆりあ 水美舞斗 片寄涼太 RIKU 浦川翔平

舞台『HiGH&LOW THE 戦国』が東京新宿のTHEATER MILANO-Zaで上演中だ(25日まで)。
『HiGH&LOW』はEXILE HIROが企画・プロデュースを手がける総合エンタテインメントプロジェクト。これまでに4作の連続ドラマと、7作の映画が制作された他、LIVE、コミックス、ゲームなどメディアミックスでその世界観を広げ続けている。2022年には前日譚という位置づけの『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』が宝塚歌劇団で上演されたが、今回は戦国時代に時を移したオリジナルストーリーでの舞台版で、EXILE HIROが企画・プロデュースを担当。クリエイター集団のTEAM GENESIS演出、平沼紀久と渡辺啓が脚本を手がける。
物語の舞台は戦乱の世。かつてその一帯には5つの社が建てられ、周囲にはそれぞれの国が栄えていた。緑豊かな土地だったが、内乱によって国土が砂漠と化した“須和国(スワノクニ)”。河口に栄えた水の都“乃伎国(ノギノクニ)”。生まれながらに戦う戦闘族が集まる火の国“尊武国(ソンブノクニ)”。さらに、“袁空国”、“佐峨国”を加えた5つの国が群雄割拠する時代に、ある謀略から、須和国、乃伎国、尊武国の3国を巻き込んだ戦いが描かれていく、濃く、熱い舞台が展開中だ。

この上演に先立つ1月28日、公開ゲネプロを前に囲み取材が行われ、須和国の若き指導者・黄斬の片寄涼太(GENERATIONS)、若くして水の民を従える城主を継いだ乃伎国の長・湧水の水美舞斗(宝塚歌劇団)、尊武国の軍事総大将・ 玄武のRIKU(THE RAMPAGE)、黄斬の幼馴染で国王の血を受け継ぐ吏希丸の瀬央ゆりあ(宝塚歌劇団)、湧水の側近・弦流の藤原樹(THE RAMPAGE)、玄武の戦いに惚れ込む白銀の浦川翔平(THE RAMPAGE)が登壇。公演への抱負を語った。

【囲み取材

──今回の企画をはじめて聞かれた時の率直な感想から教えてください。

片寄 お話を聞いた時は、自分自身LDHに所属してもう10年以上になりますが、とても大きなプロジェクトであった『HiGH&LOW』シリーズが舞台になるということで、すごく期待感を感じつつ、戦国というテーマがどういう作品になるのか、ワクワクしつつ不安もありつつ、という感じだったのを覚えています。

水美 私も宝塚歌劇団に所属していながら、このような外部出演をさせていただけることを大変光栄に思いましたのと同時に、男性の中で男役、男として挑むのか、果たして何の役をさせていただくんだろう、ということを(瀬央と)二人で話しながら、ワクワクしておりました。

RIKU 自分は普段相方たちが出ている作品に、楽曲を提供するという形で関わらせていただいていた人間なので、まさか自分が『HiGH&LOW』の世界に身を投じるというか、この世界で生きることになるとは思わなかったので、お話をいただいた時はすごく嬉しかったです。でも最初に涼太くん(片寄)もおっしゃったように、『HiGH&LOW』はLDHにとってとても大切な作品なので、自分が出演することで、その名を汚してしまわないか、という不安もあったのですが、これはもうご縁なのでやるしかないと思った次第です。

瀬央 私も宝塚に所属していながら、こうして外部出演という機会をいただけたことに、本当に感謝しておりますし、このLDHさんの『HiGH&LOW』という歴史ある作品の舞台化に携わらせていただけたことを大変光栄に思っております。身の引き締まる思いでございます。

藤原 『HiGH&LOW』はこれまでに映画、ドラマ、LIVEと様々なプロジェクトをさせていただきましたが、その中でいつか舞台もあるだろうなと予想していたので、ついに来たか!という感じがありましたし、そこに出演のお話をいただいてすごく光栄な気持ちでした。]

浦川 自分は「THE RAMPAGE」というグループに所属させていただいていて、すでに色々なメンバーが『HiGH&LOW』のドラマや映画に出ていますし、幼馴染のあちらにいる藤原樹も既に出ていて、すごくジェラシーというか(笑)、羨ましさを感じていたので、やっと関わらせていただけるということで、すごく嬉しい気持ちと、光栄な気持ちをたくさん抱えております。

──お稽古のなかで、刺激になったことや印象に残ったことなどのエピソードをお願いします。


片寄 色々なエピソードがあるんですけれども、個人的には自分が初めて舞台に出させていただくということもあって、「THE RAMPAGE」のメンバーはそれぞれ舞台経験が豊富ですし、宝塚のお二人もすごく舞台経験のある方たちだったので、いろはから教えていただきながら、すごく温かくサポートし、支えていただきながら、僕自身が今日を迎えることができたのかなと感じます。

水美 片寄さんがおっしゃったように、役者それぞれがもちろん役を作り上げていくのですが、その中でカンパニー全員が教え合いながら、創ってくることができました。宝塚から二人でLDHさんの舞台に出演させていただくと決まってから、本当にドキドキしつつやってきたのですが、皆さんがとてもお優しくて楽しいお稽古期間でしたし、スタッフの皆様も本当に手厚くたくさんのことをサポートしてくださったので、あっという間に初日を迎えるんだなという、そんな気持ちでございます。

RIKU 自分自身いくつかの作品に出てきたなかで、稽古が始まってすぐに「あ、このカンパニーすごく好きだな」と思いました。いまお二方もおっしゃったように、普段の稽古の中、何気ない瞬間に、自分で思うキャラクターに対しての認識や、それが外から見てどうなのか?というのが、わざわざ話し合わなくても自然に生まれているのが、すごく素敵だなと思って。それはいまここにいない他のキャストを含めて、演出の紀さん(平沼紀久)をはじめみんながやってくださっていましたし、自分としては普段歌手として活動していますので、宝塚のお二人の歌唱だったり、声の出し方だったりからたくさん学べることがありました。気になったことも訊きにいくと全部答えてくださって。やっぱりお人柄も素敵な方故のご活躍なんだなと感じたので、自分もっともっと頑張らないとなと、毎日の稽古で思っていました。


瀬央 本当に皆さん温かい方ばかりで、お忙しいスケジュールの中、そして限られた時間の中で、すごくストイックに、ハードにお稽古に挑まれる姿を見て、私もまだまだ頑張らないと、とたくさんの刺激をいただきました。
藤原 宝塚のお二人と共演するのが初めてなのですが、役作りの仕方などがやっぱりプロだな、と感じる瞬間が多々ありました。そういった部分ですごく刺激をいただきましたし、僕ももっと役と向き合って、成長していかなければいけないなと感じました。

浦川 12月の初めの頃に顔合わせをして、約2ヶ月間稽古をしてきたのですが、自分は舞台に立つのは今回が3回目で、殺陣だったり、ステージに立つ役作りの上で色々未熟な部分がたくさんある中で、一人で頭を抱えているとキャストの皆さんが「こうしたらいいんじゃないか」と親身になって考えてくださって、本当に温かいカンパニーだなと思いました。ですから自分も何かこのカンパニーにひとつでもお返しができることはないかと考えて、ちょうど稽古の間に藤原樹と一緒にタイに行ったので、「みなさんへのお土産を何かないか」と探して、“ヤードム”という疲れたときや集中したいときに嗅ぐとスッキリするアイテムを50個くらい差し入れさせていただきました。最初はみなさん「これはなんだ?」という反応だったのですが、やがてみなさんが自分の机の上にしっかり置いてくださっていたのが、とても嬉しかったです。

──男性陣の方々はこれまで様々な形で『HiGH&LOW』に関わっていらしたかと思いますが、改めて『HiGH&LOW』の魅力をどう感じていますか?

片寄 多くの出演者がいるなかで、それぞれが主役級の思いと覚悟を背負って役を生きている世界だというのが見どころかなと思うのと、色々な伏線があって、一つひとつの台詞に意味が込められいるところが、今回の舞台にも反映されているのが『HiGH&LOW』らしいなと感じました。

RIKU  同じ国、チームの中での絆だったり、今までの『HiGH&LOW』の映画やドラマ作品を観ていただいてわかる通り、各チームが敵対していても最後には、というところがある。それが今回の戦国という時代になった時に、どう昇華されていくのかが見どころかなと。本当にそこはすごいですよ。


藤原 『HiGH&LOW』と言えばアクションなので、世界基準のアクションが大きな魅力のひとつだなと感じています。そういった意味では今回初めての舞台のアクションになるので、そこはまた新しい挑戦ですから、しっかりとこの『HiGH&LOW』の魅力を繋げていきたいなと思っています。

浦川 ちょうど戦国の各国と同じで、『HiGH&LOW』には地区ごとの外交だったり、色々なグループがある中で、それぞれがそれぞれの正義を持っているからこそぶつかり合うのですが、やっぱり一人ひとりがどう生きていくかという時に、どんどん力を合わせていく。そういう物語がすごく素敵ですし、LDHさんのエンターテイメントなので、すごくいい瞬間に楽曲が流れてきたりすることも魅力になるなと感じています。

──宝塚のお二人は、男性と一緒のステージで違いを感じるところなどはありますか?

水美 私たちは基本的に女性ばかりなので、やはり立ち回りのスピードやね。

瀬央 パワーがね。

水美 そう、何もかも違いますし、私たちがちょっと押し切ったら、皆さんがパッと回転してくださるプロフェッショナルなので。

瀬央 色々お勉強させていただいております。

水美 そのなかでも、私たちができないところを残って自主練習していますと、一緒に稽古をしてくださるなど、親身に教えていただけて、本当にありがたいお稽古場を過ごさせていただきました。

──『HiGH&LOW THE 戦国』という作品のなかに入って体感したことや、映像と舞台で感じる違いはありますか?

片寄 台本を読んだときや、稽古がはじまった時にも気付かなかったのですが、少しずつ演じていく中で、HIROさんというプロデューサーから、僕らにメッセージが送られているような、そんな気がして。特にここ数年HIROさんと二人で打合せをする機会があったのですが、HIROさん自身が感じ取ったことが作品となり、僕のセリフとなっているような気もして。『HiGH&LOW』はLDHの作品だからこそ、今の自分の立場やこれからの人生を考えさせられるメッセージが込められているんじゃないかな、と感じることができました。

RIKU 約2ヶ月玄武を生きてきて、玄武に向き合っていく中で、自分が思う玄武像というのはあくまで主観的なものであって、周りの方々やカンパニーメンバー、紀さんからいただく第三者の見る玄武など、色々なところから思い返して考えてみると、本当にリアルに、表現者の自分にとって必要なものにたくさん出会えた気がしていて。この舞台での役者としての成長はもちろんなんですが、「THE RAMPAGE」に帰ってきた時に、必ず生かせるなというもの、宝塚のお二人との出会いも含めて、様々なことをキャッチできた2ヶ月間でしたので、玄武に出会えてよかったなという感じです。

藤原 映画の方ははじめに脚本と役をいただいて、割とすぐ撮影に入ってやってきたのですが、やはり舞台になると稽古期間が長いので、深く作品や役について考える時間があって、色々な疑問が出てきたりもするなか、紀さんを筆頭にみんなで話し合いながら創り上げた感じは、舞台と映像の違いかなと思います。

浦川 この『HiGH&LOW』の世界観に入って、改めてすごく人間味の強い作品だなと感じました。白銀とも向き合いつつ、実は浦川翔平とも向き合うきっかけにもなっていて。自分としてはすごくおふざけが大好きなんですが、メンバーによく「翔平は本当に真面目だもんね」と言われてきたんです。それがこの脚本の中ですごく熱い気持ちで玄武に向き合って、間違っていることさえも大好きで「わかってください、わかってください」と真面目にぶつけているところに、自分のような感覚があったので、白銀というキャラと自分を照らし合わせながら演じて、すごく楽しませていただいております。

──衣装も宝塚歌劇団の有村淳さんが担当されていますが、『HiGH&LOW THE 戦国』の世界での衣装の印象は?

水美 (自分の衣装を広げて)皆さんいかがですか?(男性陣から口々に「すごいです」など称賛の言葉)それぞれの国や、役柄にあった素敵なお衣装をデザインしてくださったので、後は舞台でそれがどう見えるか、舞台でこの衣装が生きて、お客様に伝わってこそ有村先生も喜んでくださると思うので、三階の後ろのお客様にまでこのお衣装の素晴らしさが、更に演者にも行き渡るようにしていきたいです。

瀬央 長年私たちのことを知り尽くしてくださっている有村先生だからこそのデザインだなと、自分の衣装を見た時に思ったのですが、お稽古場で衣装付き通しをした時に、全体の、皆様のお衣装を見て、リアル男性が着るとこんなにも布の量が少ないのかと驚いて……

浦川 少なすぎますね!(手で身体を隠すので、会場爆笑)

瀬央 実際に照明などが当たってどう見えるのかがとても楽しみです。

──宝塚のお二人は、今回の挑戦で一番楽しかったことと、一番苦労したことはどんなことでしたか?

水美 私は楽しかったことも苦労した点も共通しているのですが、今まで宝塚に15年在籍して学んできた男役を、男性の中でさせていただくとなると、やはりどうしても比べるところと言いますか、見本となる男性の方々がたくさんいらっしゃる中で、どうしたらより男性に見えるかを、演出の紀さんとご相談させていただきながら作っていくその過程がとても興味深く、楽しくもありましたし、わかっているのにできないもどかしさに苦労もしながら、させていただきました。

瀬央 私も同じなんですけれども、男性の方と一緒にお芝居するということで私が宝塚で色々培ってきたもの。長年ついている芝居のくせであったりが、リアルな男性と一緒にお芝居するとなると、ある種の邪魔になってしまったりする部分が多々あったので、一度ゼロから芝居と向き合うつもりで作り上げなければならないなと思い、紀さんとそして一緒にお芝居させていただく片寄さんに引っ張っていただきながら、持ち上げていただきながら創っていった、そこが一番苦労した点でもあり、楽しくもありました。

──では最後に代表して片寄さんから、楽しみにされているお客様へのメッセージをお願いします。

片寄 『HiGH&LOW THE 戦国』明日から幕を開けるということで、もう本当に皆さんで僕ら出演者もちろんですが、多くの方々がたくさん支えてくださって、全主演者、全スタッフの皆さんが熱い思いで創り上げた作品になっていると思います。また新しい『HiGH&LOW』の世界を楽しんでいただき、是非多くの方に受け取っていただけたらと思います。よろしくお願いします。

【公演情報】
戦国時代活劇
『HiGH&LOW THE 戦国』
企画・プロデュース:EXILE HIRO
演出:TEAM GENESIS
脚本:平沼紀久・渡辺啓
衣裳:有村淳(宝塚歌劇団)
出演:片寄涼太(GENERATIONS) 水美舞斗(宝塚歌劇団) RIKU(THE RAMPAGE)
瀬央ゆりあ(宝塚歌劇団) 藤原樹(THE RAMPAGE) 浦川翔平(THE RAMPAGE)
小野塚勇人(劇団EXILE) うえきやサトシ 櫻井佑樹(劇団EXILE) 阿部亮平 久保田創 冨田昌則
<KADOKAWA DREAMS >※日替わりキャスト
MINAMI 颯希(SATSUKI) Ryo TSY syuichi AIRA RAIZYU MIZUHO
<RAG POUND>
SHUN(Baby Twiggz) SHOOT(Soulja Twiggz) KC(General Twiggz) 
YOUTA MADD TWIGGZ 藤澤慧士 
真鍋恭輔 宮永裕都 じゃっき~ 杉本佳幹 横山慶次郎 佐久本歩夢 桜井鷹
●1/29〜2/25◎THEATER MILANO-Za
〈料金〉S席15,000円  A席12,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉ticketbookカスタマーセンター(日本語対応のみ)0570-009-098
(11:00~18:00・不定休)
〈公式サイト〉 https://www.high-low.jp/stage/sengoku/

【ライブ・ビューイング情報】
●2/25 12:00開演(千秋楽)◎全国各地の映画館
https://liveviewing.jp/highandlow-sengoku/
〈料金〉4,500円(税込 / 全席指定)
〈チケットチケットスケジュール / 申込み〉
◆プレリクエスト(抽選)
●1/26(金)10:00~2/4(日)23:59
◆一般発売(先着順・予定枚数に達し次第受付終了)
●2/17(土)18:00~2/22(木)12:00
ローソンチケット https://l-tike.com/cinema/mevent/?mid=712343
〈お問合せ〉ローソンチケットインフォメーション https://l-tike.com/contact/

(C)2023 HiGH&LOW THE 戦国 製作委員会

【取材・文・撮影/橘涼香】

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