明治座「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」制作発表レポート
俳優、歌手として第一線を走り続けてきた中村雅俊の芸能生活50周年記念公演が明治座にて、2024年6月2日(日)~18日(火)に上演される。
第1部は昭和歌謡音楽劇『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』、第2部はヒット曲を中心に明治座ならではの趣向を凝らした演出によるライブステージ『MASATOSHI NAKAMURA LIVE -look back with smile , look ahead with pride.-』、と二部構成で芸能生活50年の軌跡を振り返る特別なエンターテインメント公演となる。
本作について制作発表が行われ、中村雅俊、第1部の上演台本・演出・振付・出演の玉野和紀、出演のコロッケ、久本雅美、林翔太、土生瑞穂、小川菜摘、松田悟志、特別出演の田中美佐子が登壇した。
【挨拶と質疑応答】
中村雅俊
1974年に『われら青春!』でデビューして、そこからいろんな出会いがあって、振り返るといい思い出ばかり残っています。今回は50周年の節目ということで、こんな豪華な皆さんと一緒に仕事ができる喜びをかみしめながら、千秋楽には「本当によかったね」と言えるように素晴らしい舞台を作り上げたいと思っています。
──今回のステージが決まったときの思いは。
「やばいな」と思いました。共演者の名前を聞いたときに「絶対喜劇なんだな」と思い、あまり喜劇をやったことがないので危機感がありました。でも実際に皆さんと顔を合わせたら、なんだかうまくいきそうな感じがして「いやこれは絶対うまくいく」という確信に変わりました。大丈夫です、いい舞台ができそうです。
──50周年を迎えて何か気持ちの変化はあったか。
50という数字は、半世紀じゃないですか。初めて「俺ってよくやってきたな」と思いました。それと同時に、この先は意外と短いなと思い、限られた時間だからこそどうやって生きていくのか、という自問自答みたいなものがありました。
──メッセージを。
この作品は、歌って踊って泣いて笑って、という欲張りな作品だと思います。共演者の顔ぶれを見て、絶対喜劇だと思っていらっしゃると思いますが、そうでもなくて、ゆで卵みたいに、外は白くて“喜劇”だけど、中に入っていくと黄身があって、それが形を変えた“悲劇”になっているという形です。13年前に東日本大震災があって、そのとき震災と戦った人たちの人間模様が描かれている作品です。絶対に皆さん楽しめると思いますので、ぜひ劇場にお運びください。
玉野和紀
僕は中村雅俊さんのテレビドラマ『俺たちの祭』がきっかけでこの世界に入りました。今回のお話をいただいたとき、本当に驚きと喜びでいっぱいになりました。しかも50周年ということで、気合い入りまくりです。楽しく頑張ろうと思っています。この豪華なメンバーで面白くないわけがないと思いますので、どうぞ劇場のほうに足をお運びください。
コロッケ
中学生のときに新聞配達をやっていて、そのお金で初めて買ったのが、ドラマ『俺たちの旅』で中村雅俊さんが着ていたフィールドジャケットでした。雅俊さんに憧れて、下駄やベルボトムのラッパズボンもはいていました。今回こうやって一緒にやらせていただけることを、本当に心待ちにしておりました。雅俊さんのものまねはどうするのか、それも含めた上で、いろんな形で皆様に面白いものを、物語の邪魔にならないようにやりたいと思っています。一生懸命、中村雅俊さんの50周年に花を添えられるように頑張ります。
──今ここで中村雅俊さんの物真似をしてもらえないか。
それはやっぱり舞台を見に来ていただかないと。(中村の物真似は)正直言って難しいです。
──どういうところが見どころか。
中村雅俊さんが今までやったことのない動きとかがありますので、これはかなり楽しんでいただける作品になるんじゃないかなと思います。お茶目な中村雅俊さんが見れます。
久本雅美
私も中村雅俊さんの大ファンで、高校のときに『俺たちの旅』とかを、最後に出てくるいい言葉を全部ノートに書き写して溜めていたぐらい感動しながら見ていた。そんな方の50周年の舞台に出させていただくというのは本当にありがたく光栄に思っています。看板娘としてこの舞台に花を添えられるように、お役に立てるように頑張りますので、どうか楽しみに見ていただきたいと思います。
──どういうところが見どころか。
皆さん本当にそれぞれのキャラが出ているような作品で、私自身については稽古中にアドリブとか入れながら膨らませていこう、と虎視眈々と狙っています。台本はあるけれどもそこからさらに皆さんのそれぞれの思いが乗っかっていくと思いますの で、いい感じになると思います。
林翔太
この特別な公演に呼んでいただいてすごく幸せです。先日顔合わせがあって本読みをしたのですが、稽古場で皆さんがずらっと並んでいるのを見て「うわ、テレビの中の人たちだ!」という、夢見心地なふわふわした気持ちのまま本読みが終わってしまいました。皆さんが稽古場に揃うと、まるでバラエティー番組を見ているかのようなすごいトークが繰り広げられるので、僕はバラエティーの経験がほとんどないので、稽古期間中にお芝居の勉強をさせていただきながら、バラエティーの勉強もさせていただこうと思っております。添島裕太を爽やかな青年として演じられるように、玉野さん演出のもと頑張りたいと思っています。
土生瑞穂
最初この舞台のお話を聞いたときは、家族も大ファンなあの中村雅俊さんの50周年記念という素敵な公演に私も参加していいのだろうか、という気持ちと、豪華な皆さんとご一緒することへの緊張で、眠れぬ夜を過ごすくらい嬉しかったです。私の役は三崎麻衣という、みんなからかわいがられているキュートな女の子で、演出の玉野さんが「おいしい役だね」とタップを踏みながら言ってくださいました。皆さんの背中を見て、良いところをしっかり盗んで、麻衣のかわいい魅力をたくさんお届けできるように、千秋楽まで精一杯がんばりたいと思います。
小川菜摘
私は15歳のときに中村雅俊さん主演の『ゆうひが丘の総理大臣』という番組でデビューさせてもらいました。そこから何十年も時を経てまたご一緒できるということで、このお話を聞いたときはドッキリかと思ったぐらい本当にびっくりしました。50周年という節目の公演に参加できることは、本当に演劇を続けてきてよかったな、とつくづく思っています。素晴らしいキャストの皆様、そして玉野さんの演出のもと、カンパニーのみんなと一丸になって、楽しく最後まで誰1人欠けることなく駆け抜けていきたいと思います。
松田悟志
中村雅俊先輩とは、同じ事務所、同じマネージャーという形でここ数年ご縁をいただいています。中村雅俊さんの50周年の舞台があると聞きましたので、もう何としてもそこに僕をねじ込んでくれというふうに担当マネージャーに切望しまして、僕は今日晴れてこの場に立たせていただいております。やる気が空回りしないようにだけしっかりと気をつけて、皆さんとともにカンパニーを盛り上げて、力を合わせて最高の舞台にしたいと思っています。
田中美佐子
いま裏で待っているときに、オジさん臭いダジャレが聞こえてきて、誰が言っているのだろう? と思ったら雅俊さんでした(笑)。私がドラマで夫婦役をやらせていただいたのも、もう30年以上前なので、雅俊さんもそういう年齢になっているし、私もそうなんだな、と実感しました。昔ドラマでご一緒させていただいたとき、私は雅俊さんの物真似が得意だったんですけど、ご本人からは「全然似てないじゃないか」と言われていたことを思い出しました。この舞台のどこかでやれたらなって……やらないですよ、嘘ですよ(笑)。
【公演情報】
中村雅俊芸能生活50周年記念公演
〈第1部〉『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』
上演台本・演出・振付:玉野和紀
脚本:堤 泰之
出演:中村雅俊 コロッケ 久本雅美
林 翔太 土生瑞穂/小川菜摘/松田悟志/玉野和紀/
田中美佐子(特別出演)ほか
〈第2部〉『MASATOSHI NAKAMURA LIVE -look back with smile,look ahead with pride.-』
6/2~18◎明治座
〈お問い合わせ〉明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00~17:00)
〈公式サイト〉https://www.meijiza.co.jp/info/2024/2024_06/
【取材・文/久田綾子 写真提供/明治座】