『Blue Spark Show』間もなく開幕! 鍵本輝(Lead)・米原幸佑・和田泰右・川原一馬・若松渓太 座談会

2023年夏に上演されたオフブロードウエィミュージカル『ALTAR BOYZ』で「Team Spark」として共演し、大好評を得た鍵本輝、米原幸佑、和田泰右、川原一馬、若松渓太が再び集結。彼らの最大の武器である歌、ダンスを中心に繰り広げる Special な 新作Show case『Blue Spark Show』が9月19日~22日銀座の博品館劇場で上演される。新たに書き下ろされたオリジナルストーリーや、LIVE、ACT、ショーで構成されるノンストップ90分の舞台に臨む5人が、作品へ、そしてお互いへの想いを語ってくれた

川原一馬 鍵本輝 若松渓太
和田泰右 米原幸佑

何故この5人が集まったのか?を面白おかしく

──このメンバーで新しい作品を創ろう!という企画に至る経緯から教えていただけますか?

和田 去年の『ALTAR BOYZ』の打ち上げで「また皆でやりたいね!」と、誰もがほくほくの笑顔で言い合ったんです。それくらい意気投合していて、まぁお酒の勢いかな?みたいなところもあったのですが(笑)、それがトントンと進んで行ったという感じでした。

米原 平成のノリだったよね(笑)。

和田 あ~そうだね(笑)。

米原 僕らが演劇をはじめたての平成の頃って、結構そういうお酒の席で盛り上がって言ったことが「よし!本当にやろう」みたいに進んでいくことがあったんです。その感覚が令和に蘇ったなと思いました。

──それぐらいチームワークが良かったということですよね?

鍵本 そうですね。この5人で別の作品もやりたいねというのは、稽古段階から言っていましたから。僕ら4人(鍵本、和田、米原、川原)は以前から別作品で一緒にやっていたんですけど、そこに渓太(若松)がジョインしてくれて、ピースがピタっと噛み合った感じで。

川原 そうそう、ずっと話してはいたけど、まさかこんなに早く再会できるとは!

若松 そうですよね。ちょうど去年の今頃『ALTAR BOYZ』をやっていて、『ALTAR BOYZ』ってだいたい2年おきくらいのスパンで上演されてきたから、今年、しかも別作品でまたみんなに会えるとは思っていなかったので、ちょっと胃もたれする感じも(爆笑)。

川原 胃もたれするなかで、一番油分が多いじゃない!(笑)。

若松 嬉しいです。

川原 嬉しいのか!(笑)と、そのくらい仲が良いんです。

──そのなかでこの『Blue Spark Show』全体の流れはどんなものに?

和田 1幕ものなのですが、全体が3つに分かれていて、「LIVEパート」「芝居パート」「ショーパート」になります。やっぱり僕らの根底にあるものは歌とダンスなので、まずそれを前面に出すというのがひとつのコンセプトとしてあります。そこで「何故この5人が集まったのか?」というところを芝居パートで面白おかしく描きます。そのお芝居のなかに出てくるキーポイントである人物の為に、みんなで夢に向かって頑張って行こう!という流れでショーにつながっていく、というのが大枠になっています。誰が観ても楽しんでいただける、ある意味説明不要な作品ですね。

舞台観劇の間口を広げ、気楽に観に来てもらえるショーに

──お稽古はこれからというシーンも多いと伺ってはいるのですが、いまの段階でご自身のことでも、メンバーの方々のことでもいいので、ここが見どころだよ!と思っているところを挙げていただくとすると?

若松 ショーパートで結構たくさんのナンバーをやらせていただくんですけど、ミュージカルの楽曲も取り上げていて、このメンバーががっつり「ザ・ミュージカル」の楽曲を歌うことにも新鮮味がありますし、初めてご覧になる方はもちろん僕ら5人の『ALTAR BOYZ』を見てくださった方には、この組み合わせでこの曲?!というような、驚きもあると思いますので、楽しみにしていただきたいです。

川原 全編に亘って色々な要素が詰まったもので、さっき和田P(プロデューサーでもある和田の愛称)が言ってくれた、LIVEと芝居とショー、LIVEとショーは何が違うんだ?を想像していただけたらいいなと思います。僕らの共通点と言えば、やっぱり歌と踊りとステージの上に立っている人間だ、というところだけなんですね。年齢もバラバラですし。でもその5人がひとつの作品をきっかけにここまで仲良くなり、それぞれ個々のプレイヤーとしてだけでなく、クリエイティブな部分も皆が持っていて、チームワークよくやっている、というのがなかなかレアだなと。昭和、平成、令和と駆け抜けてきた3名と、平成、令和の2名で、芝居部分もショーパートもみんなでアイデアを出し合って作り、LIVEも僕らのこの作品を観に来てくれた人にしか披露できない、この5人だけの特別なパフォーマンスが確実に見られるので、楽しみにしてもらえたらなと思います。そして僕が一番心に刺さっているのは、和田Pが稽古開始時におっしゃった「舞台観劇の間口を広げたい」という言葉なんです。芝居も、これまで舞台を観たことがないという人にも分かりやすいストーリーになっているので、アーティストのLIVEや、お笑いのLIVEに行くような感覚で、お客様に気軽に観にきてもらえたらなと思っています。

鍵本 全部言ってくれました。

川原 全部言ってどんどん首を絞めてやろうかなと(笑)。

鍵本 昭和は引き出しがないんだから!(笑)でもそうですね、それぞれの個々の活動を応援して下さっている方がご覧になった時に、いまの言葉で言えば「推しが普段やらないことをやっている!」みたいなこともあると思うんです。僕がミュージカルの歌を歌っていたり、渓ちゃん(若松)がゴリゴリのヒップホップを踊っていたり、それぞれがトライしているところがたくさんあると思います。だから色々と新たな発見がある作品なのかなと。その上で、それぞれが違う武器をしっかり持っているので、色々な武器を駆使してお客様のハートを揺さぶる攻撃を、様々な角度からできたらいいなと思います。

──鍵本さんは振付もされるんですよね?

鍵本 はい、振付します。カンパニーの人に全部お任せするのが普通だと思うんですけど、こうやって自分ができることをトライさせてくれるこの寛大なカンパニーにすごく感謝していますし、だからこそ僕がこれまで培った経験をこの『Blue Spark Show』に惜しみなく注ぎ込みたいです。

米原 オリジナル曲でのライブの経験は結構あるのですが、カバー曲で見せるのが初めての経験なので、そこは大きなトライだなというのがまずあります。でも稽古に入ってみて「これをしなさい」と言うよりは0から1を創っていくという作業が多いので「あ、本当にチームだな」と思います。この5人のショーを一から創っているんだ、ということを強く感じたので、他の舞台とは違う、僕らのオリジナリティがギュッと詰まっていくんだろうなと。肩の力を抜いて、あっという間の1時間半の楽しいショーになると思いますし、日替わりパートもありますから、何回でも観て欲しいです。

──日替わりパートもあるんですね?

鍵本 幸ちゃん(米原)のソロ曲が毎日変わるんです!

米原 おいっ!(笑)

川原 6曲あるんだよね(笑)。

米原 冗談ですからね!(笑)そんなのがあったら、他の場面3曲くらい出られないよ(笑)。日替わりは観てのお楽しみですが、期待していて下さい。

和田 この5人の魅力って、それぞれの人間そのものだと思うんですよ。もちろん舞台役者である以上、何かの役になって表現するのですが、結局舞台に立つと、役者本人が何を持っていて、どんな人生を歩んできたかって全部出るじゃないですか。その中でもこの舞台に関しては板の上に立った5人のそれぞれの素の部分がより出る作品じゃないかなと思っているので、舞台役者としての本人と、本人そのものが同時に感じられる、とても魅力的な作り方になっているのかなと。ですからある意味これまで知らなかったそれぞれの新しい面が見つけられる舞台になると思っています。

5人それぞれの魅力がチームになっていく

──お話を伺っているだけでチームワークの良さが伝わってきますが、是非お互いの魅力をどう感じているかをお伺いしたいのですが、お時間の関係で全員は難しいので、お隣の方の魅力を語ってくださいますか?どちらから回しましょうか。

和田 僕から左隣に回していくのが、意外とこれまで聞いていない新鮮な話が出るかも?

──では和田さん→米原さん→鍵本さん→川原さん→若松さんで和田さんに戻る、と言う形でお願いします。

和田 幸ちゃんは唯一の同い年なんですよ。同い年の同級生でまだこの世界でお仕事してるという数少ない仲間で。いくつもの作品を通じて、役者としても飲み友達としても様々な話をしますけれども、本当に無理をしていないんです。ニュートラルな形で常にいるのが幸ちゃんの魅力かなと思います。壁もないし、彼も気を遣わないし、僕らも気を遣わない。そんな空間を自然に作ってくれるのが素敵なところですね。

米原 あっくん(鍵本)とはデビューがほぼ一緒なので、そういう意味で去年一緒にワンチームの舞台、しかもたった5人でやる芝居で、こんなにも密に関われる機会を持てたことが嬉しかったですね。お互い色々な媒体を通して知ってはいましたけれども、一緒に物を作ることによって、意外とほんわりしているところもあるし、それでいて見せるところはきちんと見せるというところを見ることができて、すごく親近感もわきました。昭和組としては嬉しい再会でした。

鍵本 一馬は違和感を違和感のままにしておかない人だなと思っていて。自分の中で「これはどうなんだろう?」と思っていることを、しっかり修正していくんです。いまも芝居部分の台本のブラッシュアップと言いますか、皆それぞれで組み立てて行く作業をしてるのですが、その中でクエスチョンが生まれた時に、ちゃんと答えに変えていくのがすごいなと。例えば皆でコーラスをしていて不協和音が生まれたら「あっくん、ちょっとフラットしてたよ」と修正してくれる。チームのなかで交通整理をしっかりしてくれる人なので、すごいクリエイターだなと思いますし、そうしたクリエイティブな部分では裏リーダー的なポジションなのかなと思っています。

川原 渓太は一番年下で、チームのムードメーカーでもありますし、1番ライトな部分を背負ってくれていて、誰よりも空気を読んで円滑にこの5人を回してくれているし、基本的にみんなが動きたくないなという部分でも率先して動いてくれるんです。本当に渓太がいないとこのチームは成り立たないなというのは、まず根本的に思っています。技術面で言うと、ソロで歌を聴かせる能力というのがこの5人の中でずば抜けているなと思っていて、特にミュージカルナンバーには本人のミュージカルが好きなんだ!という気持ちが溢れ出ているんです。その一方で、アイドルやアーティストが好きだというある意味ファン目線の視点も持っていて、その視点から言ってくれる言葉がものを作る上ですごく重要で。僕らのように創る側であり、プレイヤーでもあるメンバーだけの感覚でいくとどうしてもお客様を置いてきぼりにしてしまう瞬間が出来てしまう危険性があるんです。でもそこをすごくフラットに見てバランスを取ってくれているので、とても感謝しています。

若松 泰ちゃんはプロデューサーとしての側面も現場で垣間見させていただくんですけど、本当に人を信頼する方だなと思っていて。もちろん一人でやられていることもたくさんあるのですが、人に任せることもすごく上手なんです。それはちゃんと周りにいる人を信頼しているからこそのことで、適材適所な人たちに任せて一緒に作っていくことができる人なんだ、ということを、今回また改めて感じてすごいなと思いました。

やりたいからやっているという気持ちが機動力に

──そうした魅力を持った5人の方々ですが、こういう少人数でやる舞台だからこその面白さ、逆に大変さなどはありますか?

和田 大変と感じたことは全然ないんですよ。それはこの世界に入る原点の気持ちと一緒で、やっぱりやりたいからやっているので、それが機動力になっています。困難なことが起こっても、そこを乗り越えた上に見える景色がある、ということを知っている経験値を皆が持っているから、不安にもならないし、より上に行こうというモチベーションがすごくありますね。もちろん不安がないと言ったら嘘になるかもしれないですが、それを超越するぐらい自分たちの気持ちにエネルギーがあるので。

鍵本 きっと俺たちなら行けるよね!という感じはあるんですけど、しかし時間がないなという厳しい現実が!

川原 そうそう。ただこのメンバーだったら大丈夫かな?という部分もあるんですよね。他の現場でいまの状態だったら、かなり煮詰まっていると思うのですが、いや、このメンバーなら大丈夫だろうというお互いの信頼度もあるので、みんなでなんとかやろうというライトな感じでやれているし、おそらく今後もキリキリすることはそんなにないかなと思えるので。

──それは素晴らしいですね。

若松 ただ香盤表をいただいた時に、想像の3倍くらいあったから。

鍵本 わかる、わかる!

若松 お客様には絶対に楽しんでいただけるという確信もありつつ、「いっぱいあるぞ?」という気持ちにはちょっとなりました(笑)。でもこの5人は本当に割りとのほほんとしているし「自分のやることをやります!」という感じなので、今までもマイナスな空気になることもなく、ずっと和やかにやれているので、今回もそのまま行けるといいなと。

米原 それは行けるでしょう!

川原 まぁ確かに0から1を創る作業だからね、少し時間はかかるけど。

鍵本 ケンカしたらどうする?

川原 もうその時はめっちゃケンカしてみるのもいいよ!でもならないと思うな。

米原 確かにこういうクリエイトをする時って、それぞれに自分の意見がありますから、ぶつかりがちだと思うんですが、この5人って自分の意見はちゃんとあるのにぶつからないのがすごく面白くて。だからこうしてひとつのショーを創れているんだな、不思議なバランスだなと思いながらやっています。

川原 一番キリキリするのはたぶん僕なので、それを受け入れてくれているなという感じがあります。ただキリキリすると言っても空気が読める方のキリキリタイプだと自分では思っていますが、それ以上にみんなの受け入れ力が普通の俳優さん達よりも高いなと感じますね。

──そんな皆さんで創られる、ノンストップショーに期待が高まりますが、では最後に改めて楽しみにしている方たちにメッセージをお願いします。

若松 90分一本勝負の舞台ですが、なかにはLIVE、お芝居、ショーのパートがギュギュッと詰まっています。1回、1回、僕たちも真剣勝負で皆様にお届けしますので、皆様も一緒に走るような気持ちで、どっぷりつかって楽しんでいただけたらと思います。

川原 この5人でやれることは本当に奇跡だと思っているので、この奇跡の6公演を全力でお届けするので、まだ僕らに触れたことがない人も、今までを知っていて楽しみにしてくださっている人も、皆さんを絶対に楽しませるものにしますので、是非いらして下さい。

鍵本 僕たちの「Team Spark」を観たことがある方たちからすると、とてつもなく燃える瞬間がたくさんある作品なんですよね。特に芝居パートや、オープニング、ラストも。「あ、『Team Spark』に今年も会えた!」と思っていただけるところがたくさんあると思います。かといって「Team Spark」のことは全く知らないよという方たちにも、この『Blue Spark Show』がもっと観たい、これシリーズにならないのかな?と思ってもらえる1時間半にしようと意気込んでいますので、ぜひみんなを笑顔にして、最高の千秋楽を迎えたいなと思っています。

米原 5人しかいないんで、逃げ道がないんですが(笑)、5人しかいないけど、5人だから最高だった!という感じになったらいいなと思っているので、僕らの個々の個性を余すことなく見てもらえると思います。特に今まで観たことがないカップリングや姿が見えたり、歌声が聞けると思うので、少しでも興味があったら是非劇場に来ていただきたいなと思っています。

和田 この5人って何かしらマイナスイオン的なものが出せるメンバーなんです。だから今日は楽しかった、幸せだったと思って劇場から帰ってもらえる、森林浴のような効果が出せる5人だと思いますから、この4日間でそれを大いに浴びに来てほしいなと思います。あとは自分たちで言うのもなんですけど、顔面偏差値が非常に高いメンバーなので。

4人(口々に)それ言う!?(笑)

和田 博品館劇場に、目の保養にも来ていただけたらと思っています。

4人 (拍手)。

【公演情報】
『Blue Spark Show』
~ALTAR BOYZ Team Sparkがダンス&ボーカル&アクトで織りなす煌めきの夢GALAXY!~
総合演出:小寺利光 宗田梁市
ACT脚本・演出:宗田梁市
音楽監督・作曲:宮﨑誠
作詞・作曲:宗田梁市
総合振付:木野村温子
振付:鍵本輝(Lead)
出演:
鍵本 輝(Lead) 米原幸佑 和田泰右 川原一馬 若松渓太
ミュージシャン:宮﨑誠(Conductor/Keyboard) 蛇石徹(Bass) 三輪達宏(Guitar) 井上順乃介(Drums)
●9/19〜22◎博品館劇場
〈料金〉10,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉博品館劇場 03-3571-1003
〈公式サイト〉https://www.hakuhinkan.co.jp/theater/archives/event/pr_2024_09_19
※アフターイベントあり
https://www.hakuhinkan.co.jp/theater/archives/news/news_pr_02_2024_09_19

【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】

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