スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』四都市公演のグランドフィナーレ 博多座公演開幕レポート到着!

『ヤマトタケル』右から隼人 中車 門之助.(c)松竹)

福岡・博多座で10月8日、スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』が開幕した。(22日まで)
スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』は、「古事記」を題材に哲学者梅原猛が書き下ろし、日本神話のヤマトタケルの波瀾に満ちた半生と伝説を大胆な構想のもと、独創的なドラマとして築き上げた作品。昭和61(1986)年2月4日に新橋演舞場で初演され大きな反響を呼び、“スーパー歌舞伎”を演劇界の新たなジャンルに打ち立てた歴史的な作品として名高い。博多座では平成20(2008)年4月、そして平成25(2013)年6月に大盛況のなかで上演されて以来の、待望久しい11年ぶりの上演となる。

これまで数々の再演、練り直しての上演が行われてきたなか、今回は初演に立ち返り、壮大なストーリーを丹念に描き出す。清新な配役も揃い、中村隼人と市川團子が小碓命後にヤマトタケルと大碓命。中村壱太郎と中村米吉が兄橘姫。弟橘姫の姉妹をそれぞれ交互出演にて演じ、新たな歴史を刻むスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』が博多座の舞台で躍動している。

『ヤマトタケル』右から隼人 福之助(C)松竹
ヤマトタケル』右から團子_青虎_猿四郎(C)松竹

特に博多座での上演では、2・3 月新橋演舞場(隼人・團子・米吉)、5 月御園座(團子・壱太郎)、6 月大阪松竹座(團子・壱太郎)にての上演を経て、最終地に相応しく、4 名が“集結”することでも大きな注目を集めている。初日は市川團子がヤマトタケル、中村米吉が兄橘姫・弟橘姫を演じ、交互出演の中村隼人は帝の使者を、同じく交互出演の中村壱太郎はみやず姫を務め、立見も出るほどの満員御礼。躍動する若手俳優たちと初演から参加するメンバーらも脇を固めた充実の舞台に、客席からは万雷の拍手が贈られた。

『ヤマトタケル』右から米吉_團子(c)松竹)

そんな舞台の初日に先立ち、中村隼人、市川團子、中村壱太郎、中村米吉が博多座正面の大階段で“初日鏡開き”を行い、小雨の降る中にも関わらず劇場前には初日を祝う約400人のファンが詰めかけ、隼人、團子、壱太郎、米吉が揃って階段上から登場すると「待ってました!」などと大きな声援が飛び交い、四人は笑顔で手を振って応えた。

ヤマトタケル劇場前_初日鏡開き(C)松竹
ヤマトタケル劇場前_初日鏡開(C)松竹

最初に隼人が「本日はあいにくの雨、しかし恵みの雨ということで、お集まりいただきありがとうございます。2月、3月の東京新橋演舞場から始まり、名古屋、大阪、そして博多座が集大成です。この4人が集結するのはこの博多座が初めて。38 4年前に團子くんのお祖父さま(二世市川猿翁)が歌舞伎の未来のために創ったと言っても過言ではないこの作品が受け継がれています。作品の持っているパワーに負けないように必死に勤めてまいります」と熱い意気込みを語る。

『ヤマトタケル』中村隼人-(c)松竹)

猿翁の孫である團子は「博多座が開場してすぐの 2000年の 11 月に、祖父がスーパー歌舞伎の『新・三国志』で博多座に出演しました。私も昨年2月に同じ『新・三国志』で博多座の舞台に初めて立たせていただきました。私は母が福岡出身で私自身も福岡生まれということで、『ヤマトタケル』の集大成の舞台を博多座で勤めさせていただくことを本当にうれしく思っております」と、福岡との深い縁を話した。

『ヤマトタケル』團子(c)松竹)

壱太郎は「本当にありがたいことに本日満員御礼でございます。今日は團子くんと米吉くんが主人公とヒロインでございますが、今日観て安心しないでください。私と隼人くんのバージョンもございます!たくさんのバージョンでご覧いただきたいと思います。満員御礼の日も立見席が出るということで当日券もございます。千穐楽まで毎日“満員御礼”を公約に掲げまして乗り切っていきたいと思います」とアピール。

『ヤマトタケル』_右から隼人_壱太郎.(c)松竹 

米吉は「今回の公演は(交互出演)で8パターンの上演の形がございます。8つ全部とは言いませんが、少なくとも 4つは観ていただけたらと思います。『ヤマトタケル』は次にいつ上演されるかわかりません。どうかお見逃しのないよう、ぜひご通行中の皆様も、通りの向こうの皆様も博多座にどうぞよろしくお願いいたします。博多座の25周年という記念すべき年でございますので悔いのないよう良い公演にできるよう勤めます」と目の前のファンはもちろん博多の街に向かって呼びかけた。

『ヤマトタケル』_右から隼人_米吉(C)松竹
『ヤマトタケル』_右から團子_壱太郎(C)松竹

続いて「よいしょ!よいしょ!よいしょー!」の掛け声とともに鏡開きが行われ、最後には今回の博多座公演のテーマである“集結せよ”を観衆とともにカメラに向かってコール。セレモニー終了後は博多座スタッフによるお客様へのふるまい酒が行われ、公演前から大きな熱気に包まれた。

ヤマトタケル劇場前_初日鏡開(C)松竹
ヤマトタケル劇場前_初日鏡開き(C)松竹

初日鏡開きは 2024年からスタートした博多座25周年イヤーの一環として行われたものだが、博多座はスーパー歌舞伎の創始者・二世市川猿翁が“スーパー歌舞伎座”と呼んだほど充実の舞台機構を持ち、スーパー歌舞伎と相性のいい劇場。猿翁が愛した劇場・博多座の25周年イヤーに、花形俳優たちの“天翔ける心”が、四都市公演の集大成となる新たな飛翔を魅せる。なお、公演期間中はトークイベント、大掛かりな場内装飾、初日・中日・千穐楽にはプレゼントも配られるなど、博多座も “スーパー博多座”となっての公演は、大千穐楽に向けてますますヒートアップしていくこと間違いない、必見の舞台となっている。

【公演情報】
スーパー歌舞伎
三代猿之助四十八撰(さんだいえんのすけしじゅうはっせん)の内
『ヤマトタケル』
●10/8〜22◎福岡・博多座(福岡市博多区下川端町2—1)
昼の部11:00開演  夜の部16:30開演 【休演】15日(火)
※昼夜同一演目
〈料金〉A席 16,500円 特B席12,500円 B席 9,500円 C席 5,500円(全席指定・税込)
※残席僅少 当日立ち見券あり
〈お問い合わせ〉博多座電話予約センター 092-263-5555(10:00〜17:00)
〈公式サイト〉https://www.hakataza.co.jp/lineup/22

【写真提供(C)松竹※写真の無断転載を禁じます】

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