新トップコンビ東京でお披露目!宝塚花組『エンジェリックライ』『Jubilee(ジュビリー)』初日前囲み取材
東京宝塚劇場2024年公演の掉尾と、2025年の幕開けに橋を架けて上演される宝塚花組公演三井住友VISAカード シアター ファンタジー・ホラロマン『エンジェリックライ』作・演出/谷貴矢と、三井住友VISAカード シアター レヴュー グロリア『Jubilee(ジュビリー)』作・演出/稲葉太地が12月7日に開幕し、2025年1月19日までの長丁場の公演を、熱く上演中だ。
花組新トップコンビ永久輝せあと、星空美咲コンビの東京での初お披露目となるこの公演は、天衣無縫の言動が過ぎ、修行と称して天界から人間界へと堕とされた天使が、人間のみならず悪魔も暗躍する世界で繰り広げる大騒動を描いた『エンジェリックライ』と、まさに新トップスター永久輝が花組の王として戴冠する姿をストレートに想起させるシーンも織り込まれた、記念祭や祝典を表す言葉「Jubilee」をタイトルに冠して、新生花組誕生を寿ぐ『Jubilee(ジュビリー)』の華やかな二本立て。またこの公演は主演もすれば助演もするという八面六臂の活躍で、長く宝塚歌劇で躍動し続けた専科の凪七瑠海の退団公演でもあり、千穐楽にはサヨナラショーも実施され、そうした意味でも記念祭と呼ぶに相応しい上演となっている。
そんな公演の初日を前に、新トップコンビ永久輝せあと、星空美咲が囲み取材に応えて東京宝塚劇場公演への抱負を語った。
【囲み取材】
──芝居、ショーどちらでも構いませんので「花組ってこういう魅力があるよね?」という瞬間を教えていただけたらと思います。
永久輝 ショーの中詰めで皆様のいらっしゃる客席に降りるシーンがあるのですけれども、大劇場公演を経ながら、そこで花組生みんなの煌めきをすごく実感して、花組のいいものをお客様に届けられるのが幸せだなと毎日思っていたので、中詰めの「リズムの洪水」という場面です。
星空 私はお芝居のプロローグの天使の皆さんの場面で、上級生の方も下級生も誰もがそれぞれの役作りを、大劇場公演を経てより緻密に積み重ねていって、みんなが果敢に新しいことにチャレンジし続けている姿が、いまの花組の明るい前向きな姿の象徴なのではないのかなと思いながら、毎日袖から拝見させていただいております。
──トップコンビとしてのお披露目おめでとうございます。永久輝さんトップスターの大羽根を背負っていかがですか?
永久輝 宝塚大劇場の舞台稽古で初めて背負った時には、歴代の方々から重みがあると伺っていたので覚悟はしていたつもりだったのですが、それを遥かに越える重みというものをずっしりと感じました。これを感じながら最後にパレードで、みんなの重みを背負って毎日公演する、ということがどれほど大変なことか思い知りましたし、それがあるから余計に責任を持って、誰よりも舞台に真摯に務める必要があるんだなということも自覚したという感じでした。
──お二人はこれからどんなトップコンビになっていかれたいですか?
永久輝 (きっぱりと)明るく、朗らかに!でも花組は本当にみなさん明るい方ばかりなので、その明るさだったり、自由さだったりをつぶすことなく、よりその幅を広げてあげられるように先頭を走っていられたらなと思いますが(星空に)どうですか?
星空 永久輝さんがこの花組でご自身がやることに集中できるような環境を私が作っていけるように、しっかりとお支えできるような自分でいられるように頑張ります。
──谷貴矢先生の作品には出演のご経験も豊富ですが、今回はいつにも増してファンタジーで、どう魅力を感じていらっしゃいますか?
永久輝 過去二作品、谷先生の作品に出演させていただいているのですが、自分のやってきた役柄が作品の中の現実、リアルな部分を担う役だったこともあって、今回は「天使」というフィクションの部分を担当しているので、谷先生の作品の経験者とは言え、最初は少しとまどいもありました。でもその架空の物語、フィクションの部分がまざることによって、より現実的なものや、人間らしさがすごく強調されてお客様の胸に届くところが一番の魅力かなと思っております。
星空 たくさんありますけれども、まずは普段なかなか使わないような「荒唐無稽」や「酒池肉林」といった言葉に……(永久輝が「酒池肉林をあげる?」と軽く驚き二人で笑い合って)先生自身がすごくこだわりを持っていらっしゃるんだな、ということを稽古場から感じていました。演じていてはお役への愛や、暖かさを感じるような作品だなと思いましたので、それをちゃんとお届けできるように精一杯頑張りたいと思います。
──それぞれショーのお気に入りのシーンを教えて下さい。
永久輝 『ジュビリー』の全部の場面がすごく好きなのですが、初めてお稽古場で通しをした時に、本当に花組らしいレヴューだなという印象を受けました。みんながキラキラと咲き誇っている色とりどりの、色んな形のお花が咲いているこの花組を象徴するかのような作品ですので、全部好きですね。この作品でいまの花組がどれだけ素敵かということをお伝えできるレヴューだなと思っていて、毎日幸せを感じながら舞台に立っております。
星空 私も全部好きなんですけれども、なかでも中詰め!お客様と客席降りで直接交流させていただけるということもあって、とても大好きですし、東京でまた劇場の形も変わって、お客様とどんな風に交流できるのか?ということもすごく楽しみで好きです。
東京宝塚劇場では新トップコンビ初となった囲み取材に、共に『Jubilee(ジュビリー)』での好印象を語った中詰めの衣裳で登場した永久輝と星空。終始一つひとつの質問に対して、答えながらお互いの顔を見合わす仕草が新トップコンビらしい初々しさに溢れる。特に、ショーで好きなシーンを問われたところで、二人共に全部が好きで……と言いつつ、星空がパッと閃いたように「中詰め!」と挙げたひと言が、花組の前任トップコンビ柚香光と星風まどかの退団公演『アルカンシェル~パリに架かる虹~』でも恋人同士になる役柄を演じていた二人が、打ち解けていく時間のなかで、星空演じたアネットが永久輝演じたフリードリッヒを「フリードリッヒは長いから…フリッツ!」とはじめて愛称で呼んだ、その「フリッツ!」の話し方にそっくりなのに感嘆。二人の歴史は始まっただけでなく続いているんだなと感じさせられ、新トップコンビへの期待が高まる時間だった。
【公演情報】
宝塚花組公演
三井住友VISAカード シアター
ファンタジー・ホラロマン『エンジェリックライ』
作・演出◇谷貴矢
三井住友VISAカード シアター
レヴュー グロリア『Jubilee(ジュビリー)』
作・演出◇稲葉太地
出演◇永久輝せあ 星空美咲 ほか花組
●2024/12/7~2025/1/19◎東京宝塚劇場
〈お問い合わせ〉0570-00-5100
〈公式サイト〉https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2024/angeliclie/index.html
【ライブ中継情報】
「東京宝塚劇場公演 千秋楽」
■日時:2025年1月19日(日)13:30公演 千秋楽[サヨナラショーあり]
■販売期間:
【先行抽選販売】11月30日(土)11:00~ 12月16日(月)12:00
【一般発売(先着順)】1月11日(土)11:00~ 1月17日(金)12:00
■料金:5,200円(税込/全席指定)
■会場:全国各地、台湾・香港の映画館
■配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
【ライブ配信情報】
「東京宝塚劇場公演 千秋楽」
■日時:2025年1月19日(日)13:30公演 千秋楽[サヨナラショーあり]
■販売期間:1月12日(日)10:00~1月19日(日)14:00
■視聴方法:「Rakuten TV」「U-NEXT」「Lemino」にて配信
■視聴料:4,000円(税込)
【東京宝塚劇場 新人公演『エンジェリックライ』】
■日時:12月19日(木)18:30開演
■販売期間:12月12日(木)10:00~12月19日(木)19:00
■視聴方法:「Rakuten TV」「U-NEXT」「Lemino」にて配信
■視聴料:2,500円(税込)
※いずれも見逃し配信なし
ライブ中継、ライブ配信に関する詳細
https://kageki.hankyu.co.jp/news/20240831_005.html
【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】