歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第三部『野田版 研辰の討たれ』配役決定&野田秀樹コメント到着!

野田秀樹×中村勘九郎(十八世勘三郎)のタッグが生んだ人気作『野田版 研辰の討たれ』が、歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第三部で上演される。その配役が決定。作・演出の野田秀樹からのコメントも到着した。
『野田版 研辰の討たれ』は、十八世中村勘三郎とのタッグで新しい歌舞伎を生み出してきた野田秀樹脚本・演出による、野田版歌舞伎の第一弾として平成13(2001)年8月の歌舞伎座「納涼歌舞伎」で初演され、大きな話題となった。さらに平成17(2005)年5月歌舞伎座、7月大阪松竹座において、十八代目中村勘三郎襲名披露狂言として再演され、その舞台は映画館で気軽に楽しめる新しい形のエンタテインメント、シネマ歌舞伎でも平成20(2008)年を皮切りに上映された。
笑いあり、涙ありと楽しさがいっぱい詰まった極上のエンタテインメント『野田版 研辰の討たれ』がこの8月、新たな配役で歌舞伎座に登場。今回は主役・辰次を十八世中村勘三郎の長男・中村勘九郎が初役で演じる。また家老平井市郎右衛門には松本幸四郎、その息子2人を市川染五郎と中村勘太郎、さらに市川中車、中村七之助、中村扇雀と豪華な顔合わせで演じる。
【あらすじ】
守山辰次は元は刀の研屋で、殿様の刀を研いだ縁で侍に取り立てられたものの、武芸はまったく駄目。家中の侍に打ちのめされた辰次は家老へ意趣返しをしようとします。ところが、仕返しのために仕掛けたからくりが元で家老は死んでしまい、辰次は家老を殺した敵として追われる身となります。仇討ちの旅に出た家老の息子二人に追われて、諸国を逃げ回る辰次でしたが……。

【野田秀樹コメント】
「お父さんはもっと…」
歌舞伎役者は、その血筋が大切であるという理由からよく「サラブレッド」などと競馬の馬扱いされることがあります。今回の芝居のキャスティングを見ながら、まさにそんなことを感じます。この馬こそ、あの何々という名馬の子供だみたいな感慨でしょうか。おそらく初演(2001年)再演(2005年)をご覧になったお客様は、その楽しみと特権で「お父さんはもっと…」とか「お父さんだったら…」とか「お父さんの方が…」とか、兎に角、前世代の名馬の一世を風靡した姿の方が良かったあ、と言いたいがために観劇なさったりするものです。けれども、松竹という厩舎から雇われた戯作者であり演出家である私は、そうは言わせない心意気です。この新しい世代のサラブレッドたちもサラブレッドである所以をお見せできるような、そんな舞台に仕上げようと思っております。因みにではございますが、私一人だけ姑息にも、このサラブレッドたちの世代交代の波と違うところで相変わらず調教師を務めさていただいております。それは何より私ひとりが、サラブレッドの家系ではない証でございます。…ごめんあそばせ。
野田秀樹
【公演情報】
歌舞伎座 松竹創業百三十周年「八月納涼歌舞伎」第三部
2025(令和7)年8月3日(日)~26日(火)[休演]12日(火)、20日(水)
村錦花 作
平田兼三郎 脚色
野田秀樹 脚本・演出
『野田版 研辰の討たれ』
守山辰次 中村勘九郎
平井九市郎 市川染五郎
平井才次郎 中村勘太郎
八見伝内 市川中車
粟津の奥方萩の江/姉娘およし 中村七之助
家老平井市郎右衛門 松本幸四郎
僧良観 中村扇雀
〈一般発売日〉7月14日(月)午前10時より電話予約・WEB受付開始
チケットホン松竹 0570-000-489(午前10時~午後5時)チケットWeb松竹(24時間受付)