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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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政岡泰志(動物電気)×ブルー&スカイ 対談

ブルー&スカイ 政岡泰志

“笑い”の扉ー基礎編ー

シリアスな作品も書いてみたい?

――お二人の出会いはいつごろですかね。
政岡 たぶん97年のガーディアンガーデンという演劇フェスティバル(※1)ですね。その時僕がまだハイレグジーザス(※2)いた頃で、そのハイレグがフェスに出ていて、猫ニャーさん(※3)も同じ年に出ていたはずです。その時初めて見たんですけどご挨拶はしてなかったと思います。
ブルー(ブルー&スカイ) ハイレグジーザスすごい怖かったです。
政岡 わはははは。
ブルー 今日お会いしたら政岡さんはコメディーにこだわってるのか、コメディー以外も書いてみたいとか思っているのか、そこらへんのことを聞いてみたいと思って。
政岡 書いてみたいですけど。いつ書くのか、みたいなところは後回しにしているのかもしれないです。何か結構シリアスなのも思いついたりするんですけど、もちろんそれは動物電気でやるのは違うしなとか思うのかな。
――ブルー&スカイさんはどうなんですか?
ブルー 書けるものなら書いてみたいんですけど、書けないので。それでもたせるというか、観る人を満足させることができるか、真面目なものでは多分もたせられないから、今のところくだらないものしかやれない。シリアスで面白いと思われる作品に憧れはありますけどね。
――今と違うスタイルのお芝居をやったら、うまくいかないっていうことですか?
ブルー 何を書くのかも具体的には考えてはないですしね。
政岡 僕は具体的に書こうとしたことはなくて。ただ動物電気の台本を書いているときに考えることはある。だからもう飽きてるのね。
――逃避ですか?
政岡 はははは、目の前のことから…逃れたいのかな。
ブルー 笑いのないシーンとか思いついたりします?
政岡 例えば台本を考えようとしても飽きちゃって…というか、こっちの方がいいんじゃないかって別なことを考えてる、みたいなところはあるかもしれない。そんなことあるわけないんだけど。


❓※1 ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバル
㈱リクルートが主催していた[新しい表現者たちの発掘を目的としたコンペティション形式の演劇フェスティバル]で、2008年第15回で終了した。ハイレグジーザス、劇団猫ニャー、ヨーロッパ企画、チュルフィッチュ、東京デスロック、イデビアン・クルー等が参加。えんぶ編集長の坂口がほぼ通年審査員として参加している。

❓※2 ハイレグジーザス
センスのよいエログロナンセンス的な行為を客席にまき散らすパフォーマンス集団。人の良さにまぶされたステージングで演劇ぶっくでは大人気だった。1992年に結成され「エロ・バカ・ショック」と叫び2002年に解散。
演劇ぶっく56号での掲載はこちら

❓※3 劇団猫ニャー
1994年、ブルー&スカイが小村裕次郎、池谷のぶえらとともに東洋大学演劇研究会のメンバーを中心に旗揚げ。捉えどころのない普通の演劇が遙か彼方の表現世界に着地してしまったときの感動は、ナンセンスと呼ぶには残念すぎる、えもいわれぬ喜びを観客は味あうことになった。演劇弁当猫ニャーと改名後2004年に解散。
演劇ぶっく55号での掲載はこちら

いつ、どこで台本を書いてますか?

政岡 台本書く人とほとんど喋ることがないので、この機会にブルーさんにいろいろ聞いてみたいです。
ブルー はい。
政岡 まず、どこで台本を書いてますか?
ブルー 僕は基本的に昔から家では書けないんで、喫茶店とか。
政岡 ふーん。
ブルー ファミレスとかを含めて。ドトール(※4)とか。
政岡 ドトールで書けるんですか?
ブルー ドトールが今一番多いです。
政岡 ドトールで直にカタカタカタって打つ感じですか。
ブルー そうですね。そんなすらすらカタカタではないですけど。
政岡 ふーん、台本考えるのは朝ですか、夜ですか?
ブルー ドトールに合わせるとやっぱり夜遅くはやってないので。
政岡 ドトール合わせかぁ。
ブルー 若かった頃はファミレスとかで夜中に書いてた時期もありましたけど。
政岡 じゃあ今は、ドトール合わせで朝?
ブルー 最近は結構朝いちで行ったりすることがあります。
政岡 ふーん。
――政岡さんはどこで書いてるんですか?
政岡 お家です。
ブルー 昔からですか?
政岡 そうですそうです。ためしにファミレスとか行ったんですけど、メニューを見たりとかしてワクワクしてはしゃぐんですよ、行き慣れてないから。だから結局、家で書くのが落ち着くかな。
ブルー 家で書けたら一番いいなとは思いますけど。
政岡 逆に家で書けないから外へ行くとか聞くと、そんなことあるのかなと思う。ま、ファミレスの机、最高なんですけどね。書きやすさとか、椅子の座り心地とかね。
――近くにうるさいおばさんたちが来たりしたらやばいでしょう。
ブルー ま、そのうち帰って行きますから。自分は長時間居るので大丈夫です。
政岡 朝と夜と、やっぱちょっと違う気がしませんか? 昔、僕は深夜に書いてたんですよ。体力考えて朝型になったんですけど、ブルーさんも朝型っておっしゃったんで、思いつくものがちょっと変わったかな、みたいな気がしませんかね。例えば深夜の方がやっぱりすごい変な、ひねったような面白いのができてたかなー、みたいな気はしないですかね。
ブルー 最近、夜に考え事することがなくなっちゃったのであんまり覚えてないんですけど。そもそも昔、夜書いてた頃にやってた芝居、面白く、ない…今思い返すと。
政岡 はははは。
政岡 台本、悩んだ時すること何かありますか?
ブルー とりあえずドトールから一回帰る。
――政岡さんは?
政岡 うーん、お酒とか飲まない。
――書き出したら?
政岡 悩んだ時に飲まない。ちょっと書けたら飲む。

❓※4 ドトール
ドトールコーヒーの社是は「1杯のおいしいコーヒーを通じて人々に安らぎと活力を提供する」とのことでわりと普通です。普通がなにより。ウィキペディアをみると企業ってこんな風に大きくなっていくのかと、なんか凄いです。資本金111億41百万円、売上高685億6,200万円(2023/2月期)従業員数921名(2023年2月28日現在)。「へっへ〜ドトールいこうぜ」などといっている場合ではないですね。

なんで書いてますか?

――話は変わりますけど、パソコン使うようになってからライターの原稿が明らかに違うようになりました。そんな時ってありませんでした? 何か手書きからパソコンに変わった時期ってありますよね。
政岡 ぼくは今も手書きで、原稿用紙、こんな字です。
――勢いがありますね。
ブルー 何となく手書きでザーッと書いて、それをまた考えながらパソコンに打ち込んでいます。確かに言われてみれば勢いが左右されるかもしれない。
――整理されてくる?
ブルー 考え込んじゃった台本になることがあるかなって。
――政岡さんの原稿は整理されてないから、勢いがあるんですね。
ブルー 清書したりは?
小林(動物電気の小林けんいちさん(※5)) スタッフさんが読めないから演助さんとかがそれを打ち直してます。

❓※5 動物電気の小林けんいちさん
全体に気を遣いつつなんとなくズレていくような立ち位置で劇団内で圧倒的な存在感を示す。93年の旗上げより動物電気全ての作品に参加。体をはったギャグはおなじみでコバケンブランドを築きつつある。外部客演、映像への出演も多数。

初見の反応は気になりますか?

政岡 台本を配った時に出演者さんの反応は気になりますか?
ブルー 無茶苦茶気になります。
政岡 あー。メンバーに台本を渡して笑ってなかったらあれ?って思ったりするということですね。
ブルー 泰志さんはどうですか?
政岡 めちゃめちゃ気になります。
――その場で喜ばないとダメっていうことですか?
政岡 「あれ、誰も面白くないのかなあ」と思ったりしてね。
――なるほど。
政岡 僕がまず読むんです。自分の字は他の人は読めないから。まず僕が読んで、みんなが笑うと大丈夫かなと思ったりして。
――ブルースカイさんはどんな感じで渡すんですか?
ブルー 僕は、基本的にはちょっとずつできていくので、ちょっとずつ渡して、いきなり初見だけど読んでもらって、それでくすっとしてくれれば安心しますし、そうじゃなければ、早速ここ書き替えた方がいいかなと。
政岡 ははは、早いな!
――読むというのは、役割分担して読むんですか。それとも一人の方が?
ブルー 稽古に入ってからの話なので普通にその役の人が読みます。

ご時世の演出事情は?

政岡 女優さんへの演出法とかってありますか。
ブルー ぼくは男性女性、特別意識してたことはないかもしれない。
政岡 猫ニャーさんとか観たらそんな感じだったかもしれないなぁ。
――政岡さんは? 意識するからこその質問なんですね?
政岡 そうですね。どうーも……、
――上手くできないということですか?
政岡 うまくやってるつもりなんですけど(笑)。でもちょっと怖いとか言われるの。ご時世的にちょっとやばいんですよ。だから怖いとか本当にそれで追放されちゃうぐらいだから。今は怒っちゃダメだから。
――(劇団員の髙橋和美さん(※6)に向かって)政岡さんは怖いんですか。
髙橋 怖いっていう感じでもないですね。ちゃんと理解できるように言ってくれるんで、「違うだろー!」みたいなのではないです。
ブルー 僕ももちろん気を使いますけど。自分は説明しても伝えにくいことを書いてると思うので、普通に読んだら説明しなきゃ分からない。それを理解してもらうためにはどう伝えたらいいか一生懸命頑張りますけど。だから役者さんは怖いか怖くないかで言ったら怖くないと思います。知らないですけど。
――それは説明すると理解してもらえて演技に反映されるんですね。
ブルー 箇所によってですね。ここ難しそうだなって思っているところをすっとやってくれて、さらに面白くやってくれちゃったり。すっとやってくれそうだなと思ってたところがなかなかうまくいかなくて、結構何度も何度も稽古しながら作ったり。
――ブルースカイさんの演劇って意外なところで意外な面白さがあったりするじゃないですか、そういう意味では役者さんはそれを理解して、うまく演技に反映していくのが難しいのかなと思いますが。
政岡 (劇団員の小林けんいちさんに向かって)この前にブルーさんからちょっとダメ出しがあったんだよね?
小林 僕が「加藤啓アワー」(※7)に出演している時に、ブルーさんが作家として観に来てくれて、多分僕の演技がご本人のイメージとだいぶ違ったんだろうなと思うんですけど、「もうちょっとこうしてみたら」、みたいなことを言われた後に、多分どこかの時点で諦められたんだと思うんですけど、「やりたいようにやっていいです」って。
全員 (笑)。
小林 みたいなことがあって、これはダメだった、あの世界を体現できなかったと。ブルーさんは人がやってうまくいかなかった場合、多分自分の責任みたいに思うんじゃないかと、この人が上手いことできるように書けなかったと、ブルーさん困ってるなって思って申し訳なかったです。
――政岡さんの演出の時もそういうシチュエーションになることはあるんですか?
政岡 そういうことはないかもしれない。僕の方が簡単でしょ。だから、もっと元気でやってよぐらいの感じです。
――お二人ともご自分でも役者として出演するので、そういう意味ではお芝居に対するアプローチの仕方というのが、分かりやすいという気がするんですけど。
政岡 そうですね、演出…何かねぇ。結局、「なんでできないの?」「こうやればいいじゃん」みたいな演出になっちゃう。こんこんと育てる。育てると言ったら、あれですけど苦手かもしれないです。
――でも動物電気は若い方も育ってるじゃないですか。
政岡 ああ、そうですか。うれしいです。

❓※6 劇団員の髙橋和美さん
全体に気を遣いつつなんとなくズレていくような立ち位置で劇団内で微妙に存在感を示す。特技はHIPHOPダンス、看護師・助産師免許、お産するのも立ち会うのも好きだそうです。ブログ【ふれあい動物電気】で時々連載中。

❓※7 「加藤啓アワー」
加藤啓が企画・演出を手がけるプロジェクトで、昨年5月に行われた公演では構成・進行役をブルー&スカイが担当する即興劇が上演され、ヨーロッパ企画の中川晴樹や動物電気の小林けんいち等が出演者した。

役者の口癖は気になる?

政岡 好きな役者さんの口癖ってあります?
ブルー 役者さんの口癖…。
政岡 「頑張ろうぜ!」(太い声)みたいな感じの人とか、
ブルー 普段の口癖…。え、たとえばどういう?
政岡 稽古場でとかで「あー面白いなー」とか言ってくれる。
――え、それはどんなシチュエーションで言うんですか?
政岡 稽古終わった後とかに「何か、今回稽古楽しいな」とか、「面白いな」と言ってくれる人がいたら、なんかそんな人いないけど、わはははは。
ブルー それは嬉しいですね。あまり聞かないですけど。
――励まされたい? モチベーションを高めたい?
政岡 いやいや、いたらいいなって。
ブルー 逆に言うと、口癖とちょっと違いますけど、稽古中に「申し訳ないんですけど明日ちょっと書く作業がしたいので稽古休みにします」って言った時に「やった!」みたいな雰囲気になるのはちょっと。ん?って気持ちになりますね。こっちが悪いんですけど。
政岡 はははは。
ブルー ありません? そういうこと。
政岡 ああ、それはそうかもしれない。でもその時は「じゃあ、頑張ってください!」みたいな人はいいけど、「よっしゃ!」みたいな時は「稽古をします。明日は自主練しましょう」ってなる。
ブルー 全面的に楽しんで参加しているとは限らないんだっていう気持ちになったりします。自分がたまにですけど、お芝居の客演として参加した時に、その公演自体は楽しくやってるんですけど、急な休みはやっぱり嬉しいんですよね。
政岡 はははは。
ブルー 役者として参加するときはね。だから最近は理解しました。
政岡 でも好きでやってるのに、休みになって「やったっ!」て思っちゃうのがおかしい。

影響を受けた作品は?

政岡 影響を受けた漫画、お笑い、演劇を聞きたいかなぁ。演劇は知ってるかな、ナイロンさん(※8)ですよね。しかも『1979』(※9)というのはね。漫画とかありますか? 影響を受けた漫画。
ブルー 漫画は僕、そんなに読む方ではないんですけども…。そのナイロンとかを見るようになってから、同じ時期くらいですかね。どっちか先か分からないですけど、影響を受けたのは吉田戦車の『伝染るんです』(※10)とかですね。
――ナイロン100℃を見る前はどんなものが面白かったんですか?
ブルー お笑いにも特に興味がなかったと思いますね。嫌いとかではなかったですけど。でも、映画とか…中学生の頃は洋画ばっかり見てました。
――どんなジャンルですか?
ブルー マイケル・J・フォックス(※11)のファンだったので、彼が出ている映画『バックトゥザフューチャー』(※12)は特に好きです。
――政岡さんは好きな映画とかありますか?
政岡 伊丹十三(※13)さんの『タンポポ』(※14)。もう何回も繰り返し観てました。
――伊丹十三さんの他の映画もたくさん観てるんですか?
政岡 いや、観てないですね。『タンポポ』と『マルサの女』と、あとはそんなに熱心に見てない。今一番興味を持っているは、昔の時代劇。
――昔ってどのくらい?
政岡 ちょうど70年代後半から80年代前半とか。『必殺シリーズ』(※15)をずっと観てて。
――藤田まこと(※16)とか出ているやつですか?
政岡 そうです。ちょっと嫌な話も多いんですけど。この歳になって、まさかこんなハマると思わなかった。
ブルー 昔は観てなかったんですね?
政岡 観てなかった。必殺シリーズは怖かったから見なかったんです。
――ブルースカイさんはどうなんです?
ブルー 僕は特別ないですね。
――あ、ない。今は何に興味を持っているんですか? 
ブルー …生活どうしていくか。
――それはお互い様ですね。
政岡 ふふふふふ。その通り!

❓※8 ナイロンさん
ナイロン100℃。ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が1993年活動開始し、主宰・劇作・演出を担当している集団。自由な発想、多彩な作風、誠実な舞台づくりで数多くの観客を魅了している。2024年より結成30周年記念公演を継続中。

❓※9 『1979』
アイドルの松野有里巳、宮前真樹、今井佐知子が演じた三人の女の子を中心に、当時を描いたタイムスリップ青春テクノ活劇。東京サンシャインボーイズの伊藤俊人、梶原善、西村雅彦も出演し、演劇ぶっくの表紙に。
演劇ぶっく50号での掲載はこちら

❓※10 吉田戦車の『伝染るんです。』
「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて、1989〜1994年にかけて連載された不条理ギャグ漫画の記念碑的な作品。単行本の累計発行部数は300万部以上を記録。起承転結のない4コマ漫画は他ジャンルにも大きな影響を与えた。
➡伝染るんです。(1) (小学館文庫 よC1)

❓※11 マイケル・J・フォックス
1985年より、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの主人公マーティ・マクフライを演じ、人気俳優に。カナダ生まれのアメリカ合衆国の俳優、プロデューサー、作家。30歳の時、パーキンソン病と診断されたが困難な治療を続けつつ俳優活動を続け、2020年に引退。

❓※12 映画『バックトゥザフューチャー』
1985年ロバート・ゼメキス監督のアメリカのタイムトラベルをテーマにしたSF映画。マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン等が出演。1985年の最高の興行収入3億8,110万ドルを記録し、アカデミー賞を受賞した。
➡バックトゥザフューチャー ポスター

❓※13 伊丹十三
俳優、脚本家、エッセイスト、雑誌編集長、商業デザイナー、イラストレーター、CMプランナー、映像作家などを経験して、51歳で映画監督デビュー。多彩な経験に裏打ちされた豊富なアイディアとコミカルな表現で、困難な出来事に対抗する人たちを描いたエンターテインメント作品を作りヒットメーカーとなった。妥協を良しとしない生き方で、敵も多く暴力による被害にも遭い、その死についての謎も解明されていない。

❓※14 『タンポポ』
1985年に作られた伊丹十三脚本・監督の映画で、ウィキペディアによると「女店主・タンポポが営む売れないラーメン屋を、カウボーイハットのタンクローリー運転手・ゴローとその相棒・ガンが立て直す物語。加えて、様々な「食と欲望」をテーマにしたサブストーリーが挟まる、不思議な構成の作品」とあります。イタリア製西部劇のマカロニ・ウェスタンにちなみ「ラーメンウエスタン」ともいわれ、アメリカでも大ヒットを記録した。

❓※15 『必殺シリーズ』
1972年〜1977年までテレビで放送されていた池波正太郎の時代小説を原作とした一連のテレビシリーズの総称。「金銭を貰って弱者の晴らせぬ恨みを晴らすために裏の仕事を遂行していく者たちの活躍をハードボイルドタッチで描く」藤田まこと演じる中村主水が「一見 情けない男だが、実は腕利きの殺し屋」という設定で大人気に。

❓※16 藤田まこと
俳優、歌手、コメディアン。1962年、時代劇コメディー『てなもんや三度笠』に主役あんかけの時次郎として出演、人気スターに。その後『必殺シリーズ』で監督の三隅研次に「中村主水があんたの体ん中入って、これは一生もんやで」と言わせた。また、18年間主役を務めた『はぐれ刑事純情派』シリーズでは役者としての存在感を示した。「芸人は夢を売る商売。派手に遊ばな」とミナミの高級クラブを飲み歩いていたという。いい時代でした。

お酒、好きですか?

政岡 お酒、好きですか?
ブルー 好きです、強くはないんですけど。
政岡 そうですよね。何回か飲んだことあるし。
――政岡さん、お酒、好きなんですよね?
政岡 好きです。いや弱いです。「飲みの席で政岡さんとご一緒させていただいたことがあるんですよね」って言われて「ああ、そうなんですか、迷惑かけましたね」みたいな感じです。

初めての悪漢ものなんですね?

――では最後。次回作にかける思いというか、そんな真面目な話をしてもしょうがないとも思うんですけれども、せっかくブルー&スカイさんが来てくださっているし、どんな作品になるか。特別何かいつもと違う動物電気が見られるんですか?
政岡 毎回違うようにしようと思っているんですけど。
――ああ、そうですね。
政岡 今回はちょっと悪漢ものをやってみたいかなと思っています。
――悪漢もの? 悪いやつが出てくる?
政岡 そうそう泥棒が出てくるやつ。
――あ~、
政岡 ピンと来てない、わははは。
――チラシのイメージにびっくりしました。いつもはファミリーみたいで楽しそうで安心みたいなね。だから今回はちょっと何かが起こるんじゃないかとか、ちょっとドキッとしましたね。
政岡 悪漢ものです、ピンときませんか?
――う~ん…。
政岡 わははは。あー、困ったなぁ、どうしよう。
――どうすればいいって…。
政岡 ぴんとこないですか?
――どうでしょうブルースカイさん、(チラシをみせて)これを見て。
政岡 ブルーさんに言われると何か恥ずかしいな。
ブルー 初めての悪漢ものなんですね?
政岡 そうです、そうです。
ブルー 楽しみにしています。
政岡 わははは。
ブルー 動物電気って、いつも具象舞台で抽象的な舞台は、基本的にやらないじゃないですか。今回もそこは変わらない?
政岡 そこは変わらないかな。
ブルー 抽象舞台ではやらないこだわりとかって、
政岡 10年ぐらいずーっと抽象舞台でやってたんですけどね。まぁ、まぁ、いろいろな舞台があるから。セットを組み立てて照明で切ってみたいなのが楽しいんです。動物電気をやる分にはやっぱシチュエーションあった方が俺はやりやすいようになっちゃった気がしますね。
ブルー それが僕は結構制約に感じちゃって、シチュエーションって怖くて、なかなかやれないなと。
――でも渋谷でやったコントでは結構シチュエーションを作ってやられてません?
ブルー でも場面はどこにでも変われるようなもので、部屋のロビーとか家の中ってなっちゃうと、ちょっと怖いなってなっちゃう。

動物電気の好きなところは?

ブルー 今回もアクションはあるんですか。
政岡 それはもうやろうと思ってますけど、怪我とかが怖いから怪我しないで迫力があるようにやれればいいですかね。本当に激しいと怪我しちゃいますからね。
ブルー ケアとかは?
政岡 してないです。
小林 ブルーさんに動物電気の好きなところとか、何か期待したいことがあったら聞きたいです。
ブルー 単純にやっぱり必ず笑える、観に行けば必ず笑えるっていうのはすごいことだなと思いますね。動物電気って毎回必ず笑わせてもらえる劇団なので。と言いながら毎回観に行っているわけではないので申し訳ない。
政岡 ありがとうございます。ブルーさんにそんな風に言ってもらえて励みになります! 飲みに行きましょう!
(この後、二人は飲みに行きました。)

【プロフィール】

まさおかたいし
(写真右)○1993年明治大学演劇サークルOBを中心に動物電気を結成、主宰に。ほぼ全作品の作・演出を手がける。人情喜劇をベースにしたストーリーが時折破綻する展開が魅力的。多様な対応力でどんな人物も愛すべき魅力に満ちあふれさせる実力を持っている。最近の公演ではおばさんキャラも定着し、お客さんの目を釘づけに。
【活動予定】動物電気2025初夏公演『愛一輪 バカの花』6/7~15◎下北沢駅前劇場
https://www.doubutsu-denki.com/next/

ぶるー&すかい(写真左)○1994年に東洋大学演劇研究会の仲間と共に「猫ニャー」を旗揚げ。全ての作品の作・演出を手がける。2001年に劇団「演劇弁当猫ニャー」と改名、2004年に解散。2014年に大倉孝二と演劇コンビネーション「ジョンソン&ジャクソン」を結成し、メンバーで作・演出を手がけ役者としても出演。
【活動予定】ブルー&スカイ 作・演出新作公演/2025年8月◎ザ・スズナリ
https://x.com/blue_and_SDP

【インタビュー◇坂口真人 撮影◇矢崎亜希子】

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