ダミアン・ジャレ×名和晃平『Planet[wanderer]』上演決定!

東京芸術劇場では、舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」において、芸劇オータムセレクション ダミアン・ジャレ×名和晃平『Planet[wanderer]』を、11月に東京芸術劇場プレイハウスで上演。鬼才の振付家ダミアン・ジャレと、京都発の彫刻家 名和晃平のコラボレーションによる『VESSEL』に続く舞台作品が、いよいよ東京・京都で日本初上演されることになった。

『Planet[wanderer]』は、2016年秋にロームシアター京都で世界初演を迎え、その他国内では岡山、神奈川で上演し好評を博した『VESSEL』に続く舞台作品。『VESSEL』が日本最古の書物『古事記』の二つの世界、すなわち「黄泉の国(死者の世界)」と「高天原たかまがはら(神の住処)」を描いたのに対し、『Planet[wanderer]』は三つ目の世界である「葦原あしはら中国なかつくに」—私たちが生きる世界を舞台にしている。

本作では、人間が葦のように力と脆弱さ、調和と生存、破壊と進化の間に揺れ動く様子を表現する。副題「wanderer」は、「Planet」の語源となるギリシャ語が持つ「さまようもの」という意味と重なる。生者と死者の境界線で、人間の身体と宇宙世界の構成要素や重力の不可分な関係を描き出す本作は、日本の彫刻家と欧州の振付家の共同作業ならではの唯一無二の世界観を提示する。 本作は2020年に東京芸術劇場にて上演予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期となり、このたび上演されることになった。
【コメント】
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ダミアン・ジャレ
『Planet[wanderer]』をついに日本で上演できることに、大変感動し、高揚しています。日本は、名和晃平氏とともに構想を温め始めた場所であり、この複雑なプロジェクトの最初のリサーチ・ワークショップを京都と石巻で丹念に作り上げた場所でもあります。当初はもっと早い時期での上演を目指していましたが、新型コロナウイルスのパンデミックやその他の技術的な要因により、実現が叶いませんでした。
『Planet[wanderer]』はこれまで世界各地で上演されてきましたが、日本の観客の皆様は、この作品のコンセプトの背景と表現形式の両方に見られる、計り知れないほど多くの深く日本的な文化的要素をすぐに認識されることでしょう。
この作品は日本でこそ、他の国では成し得ないほどの共感を得ると信じています。例えば、古事記における「葦原中国」、京都の枯山水、雅楽が未来的なエレクトロ・アコースティックな層が対話するティム・ヘッカー氏の音楽、8人のダンサーの一つ一つの動きに見られる儀式的な正確さとテンポ、吉本有輝子氏が作り上げた心を捉える陰影に富んだ照明デザイン、作品の中核をなすダンサーの湯浅永麻氏の力強いパフォーマンス、そしてその他にも数多くの要素が盛り込まれています。
これらの公演は、私が名和氏とのコラボレーションを始めて10周年という節目でもあります。名和氏は今や私にとって最も重要なコラボレーターの一人であり、彼からは本当に多くを学んできました。11月に東京と京都でお会いできることを楽しみにしています!

名和晃平
ロームシアター京都は2016年秋に『VESSEL』を初演した劇場であり、その成功が、以後の継続的な舞台作品制作の契機となったといっても過言ではありません。いわば、10年以上にわたるジャレとのコラボレーションの原点にあたる記念すべき場所です。三部作のひとつである『Planet[wanderer]』もこの流れの中に位置づけられ、これは今年5月にスイス・ジュネーヴで初演を行った最新作『Mirage』へとつながる極めて重要な作品です。本来、2020年および2022年にロームシアター京都で上演予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によって叶いませんでした。今回ようやく公演が実現することを、心から嬉しく思っております。

【公演情報】
舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」 芸劇オータムセレクション
ダミアン・ジャレ×名和晃平『Planet[wanderer]』
コンセプト・振付:ダミアン・ジャレ
コンセプト・舞台美術:名和晃平
出演:ショーン・アハーン エミリオス・アラポグル カリマ・エル・アムラニ フランチェスコ・フェラーリ ヴィンソン・フレイリー クリスティーナ・ギエブ アストリッド・スウィーニー 湯浅永麻
●11/1〜3◎東京公演 東京芸術劇場 プレイハウス
〈公演サイト〉https://www.geigeki.jp/performance/theater376/
●11/8・9◎京都公演 ロームシアター京都 サウスホール