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ミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート! 三浦宏規 インタビュー

フルオーケストラで体感する贅沢なコンサートバージョンに!

累計3,900万部超の大ヒットを誇る漫画『のだめカンタービレ』(原作:二ノ宮知子)。2023年初のミュージカル化が実現し、全公演が数分で完売するという驚異的な反響を巻き起こした作品が、東京フィルハーモニー交響楽団の生演奏でのコンサートバージョン、ミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート! として台湾公演を経て、本日、9月13日から15日まで、東京ガーデンシアターで上演される。

6千人の観客を迎える東京ガーデンシアターの大舞台に、実写版のレジェンドキャストでもある、のだめ役・上野樹里、シュトレーゼマン役・竹中直人をはじめ初演からの続投キャストと、新たなキャストが集結。クラシック音楽に懸ける人々のドラマを描く作品にとって、これ以上ない大規模な企画は台湾での上演も決定し、いま大きな期待が集まっている。

そんな作品で、音楽の高みへとのだめを導く千秋真一を再び演じる三浦宏規が、東京から世界へと飛び出す作品への思いを語ってくれた。(このインタビューはえんぶ10月号より転載)

作品を共に振り返る贅沢な空間

──初演の千秋楽でこの作品はコンサートバージョンにしても面白そうだとお話になっていたと公式サイトでコメントされていますが、フルオーケストラでのシンフォニックコンサートバージョンが実現するいま、いかがですか?

夢としてはそう言っていたんですが、まさか本当にコンサートバージョンができるとは想像していなかったので、とても驚きました。我々出演者にとっても大きなご褒美という気持ちですし、東京ガーデンシアターという大会場で、歴史ある東京フィルハーモニー交響楽団の皆様の演奏と共に、お客様が愛してくださった作品を一緒に体感できるのは、本当にすごいことだなと思っています。

──6千人が入る大会場で、観客の皆さんもペンライトを持ったりされるかもしれないですし、すごく一体感があるでしょうね。

そういう大会場で皆さんと一体になって、という形の公演はキャストのなかでも僕はかなり経験のある方だとは思うんですが、特にクラシック音楽の世界が舞台になっているので、コンサートバージョンがこれほど似合う作品はないんじゃないかなと。台本自体もみんなで物語を振り返るというような構成になっていますから、音楽も含めて壮大な厚みを感じていただけるだろうと思います。

──そのシンフォニックコンサートバージョンとしての新しい構成について、いまお話いただける範囲で教えていただけますか?

基本的にミュージカルでやった音楽は全て歌いますし、ミュージカル版では短縮していたクラシック楽曲をフルサイズにしたりするので、もちろんお芝居部分もありますが、そうした演奏を聴いていただくところでは、映像を使って上演時を思い出しながら楽曲を楽しむなど、芝居とコンサートのどちらにも寄りすぎていない、バランスの良い構成です。物語のなかでの、のだめと千秋先輩との関係性に添っているので、MCも含めて僕の千秋が進行していく感じになります。

──MCも千秋先輩、つまり三浦さんがなさるのですね?

 あくまでも千秋先輩としてなんですけど、すごくやることが多いんですよ。MCもして、歌も歌って、ピアノも弾いて、指揮もして、バレエも踊る。最初はこれを全部僕がやるの?とちょっと驚いたんですけど、自分のなかで整理していくうちに、「あ、これ『THE BEST』(※休館中の帝国劇場で行われたファイナルコンサート)の芳雄さんだ、井上芳雄ポジションだ!」と気づいて!

──とてもわかりやすいです!

レギュラーメンバーとしてご一緒させていただいたので、全日程ずっと近くで拝見していて良かったなと思っています。東京ガーデンシアターでコンサートバージョンを創ることも、堂本光一さんと芳雄さんを中心にした『ナイツ・テイル』がまず先にありましたし、背中を見て勉強させていただいているなと感じます。

周りの方々が自分を千秋先輩にしてくれた

──いまのお話を伺っただけで期待がどんどん膨らみますが、ここで初演を振り返っていただいて、実際に社会現象にまでなった作品の千秋真一を演じていかがでしたか?

千秋のような役柄って、自分だけの役作りでどうにかできる役じゃなくて、周りの方々に頼っているんですよね。圧倒的な何かを持っている人、スターとかキングとか、表現は色々ですけれども、そういう人を演じる、創り上げる為には、周りの方々がそういう特別な人として接してくれることによってはじめて役の立ち位置が見えてくるんだなと。その意味でものだめ役の上野樹里さん、シュトレーゼマン役の竹中直人さんには心から感謝しています。長い歴史のある作品で、お二人は実写版で既に演じていらっしゃるレジェンドで、俳優同士として考えたら年齢も下でキャリアも浅い僕の方が学ばせていただく関係性じゃないですか。でも舞台の上では、お二人が千秋として僕を盛り立ててくださった。だからこそ僕は怖がることなく作品のなかにいることができたので、とても感謝しています。

──その初演からの日々だけを考えても、三浦さんの精力的なご活躍には目覚ましいものがありますが、ご自身でその経験から培ったものを感じることはありますか?

感覚的には休むことなく走り続けてきて、あまり自覚がなかったのですが、どの現場に行っても必ず顔見知りの方がいるので、あぁたくさん舞台をさせていただいてきたんだなと。一緒に作品を創ってきた人たちがこれだけいるほどの経験を積んだんだ、という感覚が自信にもつながっています。その上で先日初めて休演せざるを得ないという事態に遭遇して、舞台に立つ怖さを知りました。これまで舞台には絶対に穴は空けてはいけないないと思って突き進んできましたけれども、そういう気持ちや情熱だけではどうにもならないことがあると知ったのは、皆様には本当にご迷惑をおかけしてしまいましたが、だからこそこれからの糧にしていきたいです。

──三浦さんの舞台に更に深みが加わっていくことでしょうが、新たなキャストもいらっしゃるカンパニーの雰囲気はどうですか?

全員前からいたのかな?と思うくらい馴染んでいて、それはやっぱりコンサートバージョンの力だなと思います。演出の上田一豪さんが「お祭りだよね」と言ってくださっていて、台湾公演にまで行ける、しかも完売して追加公演が決まるとか、まだ現実感がないくらいなんですが、それだけ海外でも人気のある作品をお届けするので、盛大なお祭りとしてみんなで楽しんでやっていけたらいいなと思います。ここまでお話してきて、初演のミュージカル版を観ていないと楽しめないかも、と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、全くそんなことはなくて。フルオーケストラで、音楽に懸ける人たちの物語と上質な音楽をお届けしますし、僕も堂々とマエストロが務められるように頑張りますので、是非観にいらして下さい!

【プロフィール】
みうらひろき〇三重県出身。5歳でクラシックバレエを始め、数々のバレエコンクールで入賞。2015年舞台『恋するブロードウェイ♪』でミュージカル作品に初出演。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 跡部景吾役や、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ 髭切役で注目を集める。19年ミュージカル『レ・ミゼラブル』でグランドミュージカルに初参加。23年舞台『キングダム』で帝国劇場初主演を務めた。近年の主な出演作に舞台『千と千尋の神隠し』ミュージカル『ナビレラ』『BOLERO -最終章-』CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』ミュージカル『ジェイミー』などがあり、11月『デスノート THE MUSICAL』への出演が控えている。

【公演情報】
ミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート!
原作:二ノ宮知子「のだめカンタービレ」(講談社「Kiss」所載) 作詞・上演台本・演出:上田一豪 
音楽:和田唱 
クラシック音楽監修・指揮指導:茂木大輔
出演:上野樹里 三浦宏規
松島勇之介/有澤樟太郎/高橋健介 (日替出演・出演日順)
華優希/清水美依紗 (日替出演・出演日順)
大久保祥太郎 竹内將人 なだぎ武 /竹中直人
●9/13~15◎東京ガーデンシアター 
〈問い合わせ〉東宝テレザーブ 0570-00-7777
〈公式サイト〉https://www.tohostage.com/nodame-concert/

【インタビュー◇橘涼香 撮影◇中村嘉昭 衣装◇FABRIC TOKYO スタイリスト◇小田優士  ヘアメイク◇小林雄美】

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