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古川健脚本、日澤雄介演出、宮﨑秋人主演『Too Young』開幕!

新宿・歌舞伎町に集う「トー横キッズ」を題材にした舞台『Too Young』が2025年11月13日、東京・紀伊國屋ホールにて初日を迎えた。その公開ゲネプロッレポートと舞台写真が届いた。

本公演は、ワタナベエンターテインメントがさまざまなクリエイター、プロデューサーとコラボレーションし、演劇の新たな可能性を拡げる実験的プロジェクト「Diverse Theater」の第2弾として企画されたもの。実力派俳優として着実にキャリアを重ねる宮﨑秋人のたっての希望により、劇団チョコレートケーキの古川健が脚本、日澤雄介が演出を手掛け、誰もが抱える孤独や生きづらさに真正面から挑む。また共演には綱啓永、伊礼姫奈、岡島遼太郎、⼤⽯愛陽、⽟置孝匡、朝海ひかるが名を連ねる。

《あらすじ》
若者たちがたむろし“界隈” を形成している新宿・歌舞伎町の一角、トー横。ある時、トー横キッズの一人であった少女が雑居ビルの屋上から飛び降りた。しかしその死はすぐに過去の出来事になってしまう。
一方、しがない興信所の調査員である本郷(宮崎秋人)のもとに奇妙な依頼が飛び込んできた。それは、「娘の生きた痕跡を辿って欲しい」という、死んだ少女の母親(朝海ひかる)からの要望だった。戸惑いながらもトー横を訪れる本郷。調査の途上、その“界隈” の顔役であるジャック(綱啓永)と関りを持つようになり、「死んだ少女が未だ歌舞伎町にいる」というおかしな噂も耳に入る。
本郷は調査を通し、トー横に居座る人間の心の内側に深く潜り込んでいくことになる。
そして…

《公開ゲネプロレポート》

明かりが落ちた客席に新宿駅の発車音が響き、劇場という非日常の空間から“現実”へと引き戻された。物語の舞台は現代の新宿。興信所の調査員・本郷信吾(演:宮﨑秋人)は、喫茶店で待ち合わせた亀山裕子(演:朝海ひかる)から依頼を受ける。それは先月、歌舞伎町の雑居ビルの屋上から飛び降り自殺した娘・茉姫(演:伊礼姫奈)の“生きた足跡”をたどってほしいという切実なものだった。
戸惑いながらも依頼を引き受けた本郷は「トー横」へと足を運び、顔役と呼ばれるジャック(演:綱啓永)や、トー横キッズのショーヘイ(演:岡島遼太郎)、カコ(演:大石愛陽)と出会う。一見明るく見える彼らは、拠り所のない心をこの街に預けているのだ。ショーヘイの姿が過去のトラウマと重なり、本郷の胸に「どうにかしなければ」という焦燥が芽生える。
しかし、カコはそんな本郷を「おっさん」と突き放し、自分の人生には関係のない他人だと線を引く。「子どもたちのために」という思いは同じでも、彼らの世界に踏み込みすぎる本郷に、ジャックも反発する。ジャック自身もまた、茉姫の「人間ってどうして生きてるんだろう」という言葉を思い出し、何もできなかった自責に苛まれていた。
一方、亀山の元夫・高田光男(演:玉置孝匡)も、祖母の死後に引きこもってしまった茉姫を救えなかったことを悔い、本郷に「父親失格だ」と吐露する。
やがて「自殺した少女についての調査」は、本郷にとって自分自身の傷と向き合う旅へと変わっていく――。
年齢も性別も、歩んできた人生も異なる登場人物たちは、それぞれが割り切れない痛みを抱えながら不器用に生きている。その姿は、かつての自分であり、今の自分であり、これから先そうなるかもしれない自分の姿でもある。その生きづらさを劇場で共に分かち合うことで、観る人の心にもそっと希望がともると信じたい。(取材・文/榊恵美)

【公演情報】
Diverse Theater第二弾『Too Young』
脚本:古川健
演出:日澤雄介
出演:宮崎秋人 綱啓永 
伊礼姫奈 岡島遼太郎 ⼤⽯愛陽
⽟置孝匡 朝海ひかる
●11/13〜24◎新宿・紀伊國屋ホール 
〈公式サイト〉https://tooyoung.westage.jp/

【舞台撮影:遠山高広】

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