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株式会社えんぶ が隔月で発行している演劇専門誌「えんぶ」から飛び出した新鮮な情報をお届け。
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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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ROLLY インタビュー

この歯を付ければイヤミになれるざんす!!

昨年、赤塚不二夫生誕90周年を記念して上演された『赤塚不二夫スクラップブック』が今年再び帰ってきます。
赤塚不二夫作品に通底する「愛すべき不条理ギャグの世界」を大胆にスクラップし、華やかなショーとして再構成。
おなじみの名キャラクターや名フレーズが次々と飛び交う、赤塚ワールド全開の舞台です。その本編で、あの「イヤミ」を演じるのが、
ミュージシャンで俳優のROLLY。しかも、イヤミに扮する衣装の数々には、本人の私物も多く含まれているのだとか。
そのこだわりからも役への本気度が伝わってきます。ROLLYはイヤミというキャラクターとどう向き合っているのか。
そして『Vol.2』出演に向けて、どんな想いを抱いているのか。当人にお話を伺いました。

イヤミをやるために熟成されて待っていた

──ROLLYさんは本作で、あの人気キャラ「イヤミ」を演じられるとか。

はい。全てはこの歯から始まりました(と、玩具の歯を装着してポーズを取る)。

──それ、ガチャガチャで入手したとお聞きしました。

10年以上前に、おそらく回転寿司屋で見つけて。すごく装着感がよく、「いつか何かに使えるのでは?」と取って置きました。

──ROLLYさんの私物?

左様。似たようなタイプも買ってみて、これはちょっと違う(別の歯を装着して再びポーズを取る)。

──イヤミの表情が変わる(笑)。

何とかとハサミは使いようと言うか、こんな子供のおもちゃをね、100円とかで買いましたけど、これがなかったらイヤミ役は決まらなかった。それと、このウィッグも自前だし、このブーツもそう。色々なパーツが、イヤミをやるために熟成されて何十年も待っていた、みたいな。

──それらを着ると、普段のROLLYさんと異なる「イヤミのスイッチ」が入ったりします?

その質問でスイッチが入ったざんす。これは自分の中で「イヤミのスーツ」と捉えていて、30年前位に作ったざんすよ(※上着の内側をめくると「ROLLY」の刺繍が入っている)。

──すごい、刺繍も!

これもイヤミをやるために買ったようなもの。

──オンオフのコントロールは割と容易?

簡単ざんす。「ざんす」をつけるだけだから。難しいことがあるとすれば、イヤミとトニー谷の演じ分けは難しいざんすね。

──なるほど(笑)。

今のギャグ、分かってくれる読者がいるといいなぁ。トニー谷さんがイヤミのモデルですから。

他の方に負けない魅力があるざんす

──舞台上でイヤミを演じる機会について、どう思われますか?

二次元のイヤミを三次元化した作品は沢山あって、これまで色々な方がイヤミを演じられていますが、私のイヤミにもひとつだけ、他の方に負けない魅力があるざんす。今からそれを見せるざんすよ。いいざんすか!? ※歯を付けて、イヤミの代表的ポーズ「シェー!」を披露する。

──ありがとうございます! ええと、これは……「身体表現が秀逸」と解釈してよろしいですか?

そうじゃなくて(笑)、ご自分でやってみると分かりますよ。このポーズ、何十秒もできないから。私はこのまま15分立っていることが可能です。

──すごい! イヤミの代名詞ですし、このポーズをすると客席も盛り上がるでしょうね。

それは勿論。お客さんも、(会場の)もぎりのお姉さんも、全員心の中でやっているでしょうし、周辺にいるネズミなんかも「チュー!」とやっているに違いありません。

ありとあらゆることをやりました

──昨年上演された『赤塚不二夫スクラップブック』の感想を聞かせてください。

演出家の髙平哲郎さんは、25年前にPARCO劇場でやった『喝采』(01〜03年)というシャンソンのワンマンショーで知り合いました。それ以降、私は自分の親のように髙平さんを慕い、色々な現場でご一緒しています。ある時、髙平さんから「いま考えている作品がある」と台本が送られてきて、それがイヨネスコの『授業』。この台本を全部覚えきるには22世紀までかかる……と思ったけれど、髙平さんは事あるごとに『授業』を僕にやらせたがり、去年の『スクラップブック』に、そのシーンの断片があります。それは結構大変でした。

──演劇、歌、ダンスなど、様々な要素が混ざった企画。

そう、オムニバスです。髙平さんが作詞、私が作曲した『フジオちゃんのサンバ』もレコーディングしましたし、ありとあらゆることをやりましたよ。ギタリスト役、少女役、女学生役、あと主婦役も。イヤミから主婦に着替える際はおばさんっぽいスカートを履いて、あれも結構気にいっていました。それから、小堺一機さん、松田洋治さん、私の三人で『もののけ姫ごっこ』みたいなこともやって、あれも好きでしたねぇ。

──ROLLYさん大活躍。

ありがたいことです。60歳を過ぎて色々な役に挑戦でき、楽しい機会でした。

何より私自身が面白がっている

──今年9月の『Vol.2』に関して、ご自身が期待していることを教えてください。

うーん、そうですねぇ……。前回に続き、今回も色々なことをやると思いますが、正直なところ、お手柔らかにお願いできたら嬉しいです(笑)。髙平さんは半分笑いながら「できるだろ?」と言うのですが、そう言われると「ハハーッ!」と言ってやるしかない。でも、歯を付ければイヤミになれるし、基本的に「イヤミが誰かを演じている」訳ですから。まず寺西一雄がROLLYを演じ、ROLLYがイヤミを演じ、イヤミが誰かを演じるという、その4段階を経て出演しています。

──複雑ざんす(笑)。

いやいや、寺西一雄がROLLYを演じることは難しくないし、そこからイヤミになるのも、歯を付ければいいからさほど難しくない。実は大したことじゃないんですよ(笑)。つまりね、何より私自身が面白がっているので、苦労はあまり感じないのです。

プロフィール

ろーりー◯大阪府出身。ロックシンガー、ギタリスト、音楽プロデューサー、俳優。ロックバンド「すかんち」のボーカル兼ギターとしてデビュー。音楽活動と並行し、俳優として映画や舞台でも活躍する。26年10月にミュージカル『ALICE 〜不思議の国のアリスより〜』の出演を控える。

(このインタビューは雑誌「えんぶ」2026年10月号より転載)
インタビュー◇園田喬し 撮影◇松山仁

公演情報

舞台『赤塚不二夫スクラップブックVol.2』

脚本・演出◇髙平哲郎 舞台美術◇赤塚りえ子
出演◇ROLLY(9/12 ・13 ・14 出演)
松田洋治/花木さち子
はるな愛(9/11 ・15 ・16 出演)
TEAM A:京山陽春/一之瀬優/早川維織/ 笠原織人/前田優輝/棟方翔也
TEAM B:宮内伊織/結城伽寿也/黒木文貴/内藤将大/戸塚世那/横山統威
スペシャルゲスト◇縣 豪紀 工藤大夢 大平峻也 清水ミチコ 坂田大夢
9/11〜16◎CBGK シブゲキ!!
〈問い合わせ〉株式会社アイランズ islandsco2014@gmail.com

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