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作・オノマリコ、演出・稲葉賀恵『Yerma イェルマ』開幕!

9月21日にシアタートラムにて『Yerma イェルマ』が開幕。その舞台写真とコメントが到着した。

本作は、1930年代スペインの閉塞的な寒村を舞台に、抑圧された女性の苦悩と孤独を鮮烈に描き出した詩人・劇作家 フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる不朽の傑作「イェルマ」を起点に、新たに現代社会を舞台として再構築された。
現代社会で自らの居場所や価値を見出そうともがき苦しむ女と男たちの物語が、いま新たに立ち上がる。現代が抱える切実な問題を舞台上に鮮やかに映し出し、「家族の在り方」や「自己の存在意義」といった、今を生きるすべての人々に深い問いを投げかける。

自らの存在価値に苦悩する女性、イェルマ役を咲妃みゆ。家庭生活に非協力的なイェルマの夫で、自らもある秘密を抱えるフワン役に渡邊圭祐。イェルマの幼馴染であるビクトル役は小林亮太。そしてイェルマの内的な存在であり、物語の展開に鮮烈なアクセントを刻む老婆役を渡辺いっけいが演じている。さらに、樋之津琳太郎、大場みなみ、青山祥子、前東美菜子と総勢8名の俳優が、稲葉賀恵の演出のもと濃密に描く。

《ストーリー》
都心から少し離れたところにある一軒家。イェルマが夫フワンを見送ると、いつの間にかリビングに一人の老婆が座っている。心身の不調が原因で仕事をあきらめ結婚したイェルマは、夫との子供が欲しいと思っている。イェルマは子供ができない寂しさを、老婆に語る。壊れそうなフワンとの関係。同居している義理の姉。リモートワークの部屋として、家の空き部屋を借りている幼馴染のビクトル。仕事をしながら妊娠にも成功した友人たち。この世の中からの承認を求めるイェルマは、自分には存在価値がないのではないかと疑っている。その混乱は、夫のフワンにも伝染していく。

【コメント】
オノマリコ(作)
今作『Yerma イェルマ』は、様々なものにとらわれながら、自分の人生を自分の手に取り戻そうとする女性と、その周囲にいる男性たちの話です。
「愛されたい/支配されたくない」
「自由になりたい/誰かの特別な存在でいたい」
「自分で人生を選びたい/誰かに選んでほしい」
そんな矛盾した欲望は、イェルマだけのものではないと思います。
稲葉さん、咲妃さんを始めとした素晴らしいキャスト・スタッフの皆様の力で、脚本を書き上げた時には想像できなかったわくわくする舞台が誕生しています。
2026年の今、この作品が客席にどんな問いや感情を残すのか。ぜひ劇場で見届けていただけたらと思います。

稲葉賀恵(構成・演出)
おかげさまで『Yerma イェルマ』が無事幕を開けました。
イェルマに向き合う創作期間は自分の心の中でも、色々な自分がものを言い始めて騒がしく、ぐらぐらと揺れて漣のたつ日々でした。
一人では全く歯が立たない難敵を、まずオノマさんと一つ一つ紐解き、強靭なクリエイティブと議論を繰り返していく中で薄らぼんやりと輪郭が見えてきました。
この新しくもまだ不確かな輪郭を鮮明に表出してくれたのが、咲妃みゆさんをはじめとした敬愛するキャストたちです。彼らが恐れを厭わず身を晒してこの作品を引き受けてくれたことで、どこかシニカルでウィットに富む、しかし切れば鮮血がはっきりと見える様なグロテスクな作品が出来上がりました。
私の劇場の好きな所は、みんな違うのだということに出会える所です。議論が起きるのも、一人噛み締めて帰るのも、全ては自由です。
この作品もそういう場所が生み出せる様に、そう願って作りました。
ぜひ劇場に集いに来て頂ければ幸いです。

咲妃みゆ(イェルマ役)
お芝居をしている時は無我夢中でそれどころではありませんでしたが、カーテンコールでお客様に感謝をお伝えする瞬間に幸せを実感しました。念願のシアタートラムの舞台に立たせていただける喜びを日々噛み締めております。情熱溢れる稲葉賀恵さんを始めとする素晴らしいカンパニーの方々のおかげで、難解なお役をも楽しめる気持ちが私の中ですくすくと育まれています。一期一会の舞台を、ぜひ劇場空間で味わっていただけたら嬉しいです。

渡邊圭祐(フワン役)
初日を迎えられたことにひとまず安堵しております。とはいえ、公演中もまだまだ変化をしていきそうな熱量を裏側で感じております。観た方それぞれの受け取り方が様々な方向になる劇かと思いますので、一人で噛み締めるも良し、観た方で意見交換するも良し、イェルマの辿り着く終末についてそれぞれの楽しみ方をしていただけたら幸いです。

小林亮太(ビクトル役)
初日の幕が開き、憧れの劇場でもあったシアタートラムで演劇をしていること、この作品と出会ってくださるお客さまがいることの、喜びや難しさ、色々な実感が沸きました。演出の稲葉賀恵さんが導いてくださる道中で伝えてくださった言葉の数々が身体の中を漂っています。楽しめる心を忘れずに、千穐楽まで努めてまいります。

渡辺いっけい(老婆役)
こんなに精も根も尽き果てた初日は久しぶりです。稽古場で作って壊してを繰り返すことが好きなのですが、今回ほど作って壊したことはないと思います。初日を終えて、いよいよ戦いが始まったんだなと思っています。
この作品は90年以上前のスペインの戯曲を現在の日本に置き換えていて、難解かもしれないですが、人によって感じ方が違うと思います。共感できるところがある人もいると思います。今の日本のいろいろな問題が小難しくなくサラサラと散りばめられているので、難しいけれど分かりやすい作品です。ぜひ、どっこいしょではなく、えいっと飛び込んできていただきたい。きっと楽しめると思います。

トレーラー https://youtu.be/poUbCVvGiZ0

【公演情報】
『Yerma イェルマ』 
作:オノマリコ
構成・演出:稲葉賀恵
出演:咲妃みゆ 渡邊圭祐 小林亮太
樋之津琳太郎 大場みなみ 青山祥子 前東美菜子
渡辺いっけい
●9/21〜10/12◎東京公演 シアタートラム
●10/17・18◎兵庫公演 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
●10/31〜11/1◎宮城公演 多賀城市民会館 大ホール
●11/7・8◎愛知公演 東海市芸術劇場 大ホール
〈公式サイト〉https://setagaya-pt.jp/stage/32248/
〈公式X〉@Yerma_sept

【撮影/細野晋司】