寄る辺なく浮遊する現代の家族の姿を描く劇団普通『水彩画』開幕!

劇団普通『水彩画』が6月17日にすみだパークギャラリーささやにて開幕した。今作は、今年唯一の石黒麻衣の新作長編作品になる。本作は、劇団普通主宰で作・演出の石黒麻衣の郷里、茨城の言葉で紡がれるささやかな家族の物語。すみだパークギャラリーささやの空間で、変容していく地方都市を舞台に寄る辺なく浮遊する現代の家族の姿を描く。上演は6月23日(日)まで。

【コメント】

石黒麻衣 

劇団普通は今から約十年前に小さな会場での旗上げ公演から始まり、回を重ねるごとに少しずつ観てくださるお客様が増え、現在まで活動を続けて来ることができました。劇団を始めたばかりの頃には考えられないことです。さらに、私の故郷である茨城に住んでおりました頃には、今の自分を取り巻く状況は到底想像のつくものではありません。私にとっての原風景は、自室の窓から畑越しに臨む家々や学校の景色で、その印象があまりに強いために、いつまでも自分はそこに居て今見ているものは全て夢なのではないかといつも思っておりました。ですが、その時々の偶然が重なり現在東京で生活しております。今思えば過去のとある瞬間、茨城で恐らく一生を過ごすであろう選択をする機会がなかったわけではありませんでした。もしそうなっていたらどうなっていたでしょうか。様々な可能性を考えますが、どの道に進んでも得られるもの、得られないものがやはりあり、どの道に進んでも、本当に得たいものは、手に入れ難く、既に失ってしまったり、得ても不安定なものばかりが手元に残るだけのような気がします。

この作品の登場人物たちも、寄る辺の無い空間で、そんな拠り所のない気持ちを持て余しているのかもしれません。どうかこの場でひと時を過ごす登場人物たちの行く末を覗いてみていただけますと幸いです。

《あらすじ》

ここは寄る辺のない、出発点とこれから行く先の中間地点。何もない田舎の町にそこだけ不釣り合いな洗練された内装のカフェがある。そこには、知人の絵画の個展を見るために町を訪れた老夫婦、その娘夫婦、そして、地元の年若いカップルの3組の客が居る。混みあう昼過ぎのお茶の時間を過ぎて、夕飯にはまだ早いエアポケットのようなひと時に、静かな時間が流れていく。全編茨城弁で描く家族の肖像。

【公演情報】

 劇団普通『水彩画』

作・演出:石黒麻衣

出演:用松 亮、安川まり、坂倉なつこ、浅井浩介、伊島 空、青柳美希

●6/17~23◎すみだパークギャラリーささや(墨田区横川1-1-10 URL:https://gallery.sasayacafe.com/

★(シンポジウム)6/21(金)14:00公演終演後 登壇:石黒麻衣、用松 亮、安川まり、坂倉なつこ、浅井浩介、伊島 空、青柳美希 ※シンポジウムは入場自由

〈料金〉(日時指定・自由席・当日清算・税込・未就学児入場不可)

[前売]一般 3500円/U22 2500円(要証明)/高校生以下 1000円(要証明)

[当日]一般 4000円/U22 3000円(要証明)/高校生以下 1500円(要証明)

リピーター割=チケットの半券ご提示で前売料金から500円引き

※チケット料金のお支払いは現金のみ 

〈チケットお問合せ〉シバイエンジン https://bit.ly/ticket_suisaiga(劇団扱い)

〈公演お問合せ〉劇団普通 制作 gekidanfutsu.info@gmail.com

〈劇団公式サイト〉http://gekidan-futsu.com/   

〈公式X〉@gekidan_futsu

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