初台アート・ロフト『針と糸で繋ぐ未来への扉』展、開催中!
時空を超えた人生の旅を構想する屋根裏部屋「初台アート・ロフト」。アート作品である舞台衣裳に光を当て、新たな物語を創造する。2019年にスタートした「初台アート・ロフト」は、「ファンタジー展」「パラード展」「生命の木展」「神話への旅展」「想像力と技-素材と型-展」「時空をこえて展」「奇想空間展」など様々な切り口から舞台衣裳の展示を実施してきました。今回は、『針と糸で繋ぐ未来への扉』と題し、舞台衣裳と空間デザインから広がる世界=宇宙の表現を試みている。
宇宙の「宇」は大地四方、空間の広がりを、「宙」は古往今来、時間の広がりを表す。舞台作品の魅力のひとつは、舞台と客席がそれぞれ自由に空間と時間の広がりを持てることであり、その中で衣裳は重要な役割を果たしている。
今回の展示では、オペラ『ローエングリン』(1997年初演/2012年初演)、『魔笛』(1998年初演) 、『ナクソス島のアリアドネ』(2002年初演)、『ホフマン物語』(2003年初演)、『エレクトラ』(2004年初演)、『イドメネオ』(2006年初演)、こどものためのオペラ劇場『ジークフリートの冒険』(2004年初演)から、未来感のある、とりわけ人の手がかかった素材や細工技術に特徴がある衣裳の数々となっている。
「初台アート・ロフト」は、新国立劇場のオープンスペースやギャラリーが会場となっている。高い天井から差し込む日光、夜の照明と展示物の影が織りなす神秘的な空間は、建築上の大きな魅力。この劇場という非日常の空間の中で、本展示の衣裳の彩り豊かなそれぞれの魅力と個性が表現されている。
今回の展示では、ストレッチ生地で縫製された花と蔦による装飾が各コーナーにエッジを効かせている。すべて手で制作された約2,000枚の花びらと約1,500枚の蔦の葉。それら装飾モチーフ、衣裳、小道具、植栽が有機的に融合調和し、一つの芸術的空間を創り出している。会場であるオープンスペースは自然光が差し込み、その時々に様々な表情が楽しめる建築空間となる。
「初台アート・ロフト」展示の魅力は、この建築空間と展示作品が創り出す世界=宇宙と言える。また、実際の衣裳やオブジェと併せて、今回も約200枚以上の展示作品の写真をパネルにて紹介している。カメラのフィルターを通して表現された世界も楽しみたい。
展示ブースの随所には、ストレッチ生地で縫製された花と蔦による装飾がエッジを効かせている。展示全体を彩る装飾にも注目したい。装飾はマネキンのヘッドや各ブースの柱にも散りばめられている。
【展示情報】
2024年春 初台アート・ロフト『針と糸で繋ぐ未来への扉』展
■会期:2024年4月1日~2024年8月下旬まで
■会場:1階メインエントランスホールおよび、2・3階ギャラリー
■開場時間:8:00~20:00
■観覧料:無料
キュレーション:桜井久美(アトリエヒノデ)
インスタレーション :渡邊健斗/青木美穂
写真撮影:田中亜紀
マネキン製作:株式会社七彩
小道具:新国立劇場 技術総括室
制作:新国立劇場 情報センター
〈問い合わせ〉新国立劇場 情報センター(151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1 ☎03-5352-571
【ワークショップも開催】
https://www.nntt.jac.go.jp/centre/news/detail/62_027969.html