KAAT『リア王の悲劇』開幕!

いま最も注目される演出家のひとり藤田俊太郎が手掛ける『リア王の悲劇』が、KAAT 神奈川芸術劇場で、9 月17日に開幕。その舞台写真と演出・藤田俊太郎、出演の木場勝巳、伊原剛志からコメントが届いた。

「リア王」には、クォート版『リア王の物語』とフォーリオ版(シェイクスピアによる改訂版)『リア王の悲劇』があり、この折衷版が『リア王』として上演され続けてきた。今回はこれまでの『リア王』とは異なる、河合祥一郎による新訳のフォーリオ版を、日本で初めてとなる舞台化した。

演出は、ミュージカルからストレートプレイまで多彩な作品を手掛け、本年 2月に第31回読売演劇大賞の大賞を受賞するなど、いま最も注目される演出家のひとりである藤田俊太郎が、初めてのシェイクスピア作品に挑む。

今回の上演では、時代をキリスト教が入ってくる前の3~5世紀のブリテンに設定して人間としての在り方や尊厳を見つめ直している。特に女性の登場人物たちに新たな視点や解釈を施しながら、リアの生き様を通して人間の本質に迫り、2024年の現在に問うべきテーマを多義かつ豊かに表現する。

出演は、タイトルロールのリア王を、蜷川幸雄作品をはじめ数多くの舞台や映像など幅広く活躍し、藤田が信頼をおく名優・木場勝己。リア王の長女ゴネリルを水夏希。次女リーガンを森尾舞。グロスター伯爵の嫡子でありエドマンドの策略により追いやられるエドガーを土井ケイト。追放されながらも姿を変え支え続けるリア王の家臣・ケント伯爵を石母田史朗。グロスター伯爵の私生児であり、エドガーを陥れるエドマンドを章平。リア王の三女コーディーリアとリア王に寄り添い影となる道化の二役を原田真絢。リーガンの夫・コーンウォール公爵を新川將人。ゴネリルの夫・オールバニ公爵を二反田雅澄。ゴネリルの執事を塚本幸男。リア王の家臣であり裏切りの果てに苦悩するグロスター伯爵を伊原剛志が演じる。現代も輝きを失わずに世界中で上演され続けるシェイクスピア作品を、藤田がホールの空間を大胆に構築し演出している。

《あらすじ》
老いにより国王として退位を決意したリアは、国を3つに分け、3人の娘のうち自分を最も愛するものに財産を多く分けようとする。きれいごとを並べる姉たちとは違って三女のコーディーリアは正直な思いを述べるが、リアは激怒し、コーディーリアを勘当する。しかし、本心ではリアを疎ましく思っていた姉たちは、リアを嵐の荒野へと追い出してしまう。裏切りの失意にリアは嵐を彷徨い、狂乱の果てに自身と向き合う──。

【コメント】
藤田俊太郎[演出]
『リア王の悲劇』開幕に寄せて。数年にわたる準備期間、そしておよそ二ヶ月の稽古期間、一歩一歩着実に、充実のリハーサルを重ねてきました。キャスト、プランナー、スタッフ、関係者一同、誠実に取り組みました。カンパニーの総力を合わせ、作品のテーマを追い求めました。融和や希望、未来へ向けた真実の言葉、多様性の時代に相応しい新しいシェイクスピア劇の誕生です。演劇を愛する方にも初めて舞台をご覧になる方にも、この作品を観劇していただけたらと思っております。是非、劇場に足を運んでいただき、豊かな気持ちで大いに笑って、大いに泣いていただけたら。 KAAT神奈川芸術劇場ホール内特設会場にて、心を込め、親愛なる観客の皆様をお待ちしております。

木場勝巳[出演]
9月16日、『リア王の悲劇』初日の幕が開きました。
私にとっては61年間の念願が叶ってリア王役をやらせていただくことになりました。
10月3日まで公演は続きます。75歳を目前にしての大暴れ、是非ご覧ください!

伊原剛志[出演]
充分に稽古する時間がありましたので、やっと初日が開けて、やっとお客様に観ていただける喜びがあります。稽古場で最初に通し稽古をした時に自分自身が面白さを感じたので、お客様にもその面白さを体験して頂きたいです。是非劇場でお待ちしております。

【公演情報】
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 『リア王の悲劇』
作:W.シェイクスピア
翻訳:河合祥一郎(『新訳 リア王の悲劇』(角川文庫))
演出:藤田俊太郎
出演:木場勝己
水夏希 森尾舞 土井ケイト 石母田史朗 章平 原田真絢
新川將人 二反田雅澄 塚本幸男
伊原剛志
稲岡良純 入手杏奈 加茂智里 河野顕斗 宮川安利 柳本璃音 山口ルツコ 渡辺翔
●9/16〜10/3◎KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ 
〈チケット問い合わせ〉チケットかながわ 0570-015-415(10:00-18:00)
〈公式サイト〉https://www.kaat.jp/d/king_lear

【撮影: 宮川舞子】

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