【池谷のぶえの「人生相談の館」】第90回 野田地図アンサンブル男子チームの皆さんと、スウィングさんたち

むしろこっちが人生相談したい気持ち満々のコラム、「池谷のぶえの人生相談の館」です。

NODA・MAP「正三角関係」、8/25に無事東京公演を閉幕いたしました。
このコラムが掲載される頃は、北九州公演も無事閉幕し、大阪公演初日の頃かと思います。

梅雨からお稽古が始まったこの公演も、すっかり秋めいてまいりました。
街は、ハロハロウィンウィン。
なんなら、クリクリスマススマス。
いっそ、正正月月です。

私にとっての2024年はなんだか目まぐるしく、珍しく体調不良を2回も経験した1年でした。
どちらの体調不良も、忙しさ×ストレスがマックスになった直後、「いまならいける!」という菌に隙を狙われるタイミングでやってきます。
奴が来るな…というのがなんとなくわかるようになりました。しかし、受け入れるしか仕方ないこともわかるようになりました。

とにかくいまはただ、ぼんやりしたくて仕方ありません。
とか言いながら、今回は11名のご相談にお答えするという暴挙…コラム1年分の量じゃないですか…一体私はどういうつもりなのでしょう…自分で自分を勝手に忙しくしているのかもしれない…と今気づきました。

ということで今回は、前回の野田地図アンサンブル女子チーム&スウィングさんに続き、野田地図アンサンブル男子チームの皆さんと、スウィングさんたちからのご相談です。

お名前の明記はご本人のご意志にお任せさせていただいたので、本名だったり、匿名だったり色々な記名パターンがありますがご了承下さい。

ご相談A*****

のぶえさま

あっきーです!
人から相談をされることはあっても
なかなか自分の悩みを誰かに話すことが出来ないので…この機会は逃すまい!
のぶえさん、お話聞いていただけますか?
とても有難いことなのですが、すくすくのびのびと人や環境に恵まれて、僕は30歳になりました。30代に入り大人の階段を1つ上って最初に思ったのが、このままの自分で良いのだろうか…という不安でした。自分の持つ雰囲気や声、キャラクターがあまりにも30という数字と比べると、全く釣り合っていないように感じてしまったのです。急に襲いかかってきたコノ不安感、この気持ちとどう戦ったらよいものか。
とても個人的なことで申し訳ないのですが、のぶえさんにご教示いただけますと幸いです。

あっきーさん

*****

まずは30歳のお誕生日おめでとうございます。
あっきーと出会ったのは、今から7年ほど前だったと思いますが、7年経ってもあっきーの雰囲気が大きく変わったか…と言われると、印象はほぼほぼ変わっていません。もちろんいい意味でですよ。

それはきっと、「すくすくのびのびと人や環境に恵まれて」というあっきーの言葉の中にもあるように、本当にとても良い環境、もしくは「人や良い環境に恵まれた」と感じることができるあっきーの心が、素敵な時間を紡いでいたのかもしれません。

そんな素敵な状況が30代になるつい数日前まであったのですから、30代になったからといって、今までの自分に不安になるのはちょっと勿体無い気がします。

もし自分が変わりたい具体的な雰囲気や声があるならば対応も違ってきますが、取り急ぎ不安に感じているだけなら、今までのように周りの方々を信じ、どのように自分が変化していくか、30代という新しい大地に身を任せてみるのも良いのではないでしょうか。

私の場合は、10代の頃から40代と言われ続け、50代になった最近やっと年相応の役柄が巡って来るようになりました。
若いうちは年相応の役に憧れたりもしましたが、それが自分だったので仕方ありませんし、そのおかげでいただけたお仕事もたくさんあると思います。

あっきーも、自分の年齢と、それに伴うほんのりとした不安や、これから出てくるかもしれない新たな理想、それら全てが合わさった自分を必要としてくれる表現の場があるはずですし、それがきっと、人や良い環境に恵まれた場所なのだと思います。

30という数字は、変わらなければいけないような、何かを決断しなければいけないような、魔力のある数字ですよね。
どうかその魔力を、あっきーが幸せになる素敵なことに使ってください。

ご相談B******

去年、娘が産まれました。溺愛しすぎて、今から彼氏が出来たらどう対応すればいいのか悩んでいます。
どんな彼氏でも受け入れたい気持ちではいるのですが、金のネックレスにゴリゴリのタトゥーが入った男がやってきたらどうしようとか思ってしまいます。
父親として、娘の為にはどうするのが一番でしょうか?

織田圭祐さん

*****

娘さんのご誕生、おめでとうございます。
私は自分に子どもがいませんし、父親とは宿敵の関係だったので、織田さんがお父さんになられて、娘さんのことを本当に愛おしく思っているという状況が、決して当たり前のことではなく、素晴らしく尊いことなのだと、改めて感じます。

そんな大事な娘さんですから、本当にそんじょそこらの人間に任せてなるものか! ですよね。
しかしこの世の中、そんじょそこらの人間ばかりだと思うのです。
それと同時に、金のネックレスにゴリゴリのタトゥーが入った人間という、一見そんじょそこらなイメージの方でも、そんじょそこらの人間よりも数倍素敵な場合もあると思うのです。

こうなってくると、織田さんが父親として必要なのは、「いろんな人を受け入れてみる」なのではないでしょうか。

娘さんがお年頃になって、モテモテで困ってしまう場合もあるでしょうし、彼氏さんを作りたくなる場合もあるでしょうし、出来ない場合もあるでしょうし、同じ性別の方を好きになる場合もあるでしょうし、推しに夢中になって実際の人間に興味を持てない場合などもあるでしょう。

娘さんがどんな状況になっても、そして、娘さんにどのような相手ができた時も、織田さんが「なるほど、こうしたパターンなのだな」とまずは受け止められるよう、多くの人間の表層と内部を観察したり触れたりすることが、いつか娘さんを受け止め寄り添う力になる気がします。

こんなにも愛情を注いでいただいている娘さんは、すでに素敵な人生を歩んでいると思いますので、来たるべき15年後くらいにやってくる娘さんの初パートナー紹介の際に「想定内じゃ!」と更に幸せで包んであげられることを祈っています。

ご相談C*****

のぶえさんへ

毎日ご一緒させていただき、ありがとうございます。
自分は今回、8年ぶりのノダマップ参加。久しぶりすぎて、右も左も、前も後ろも分からなくなっている状態でしたが、ワークショップから稽古、そして本番に入って東京公演も残りわずか(8/22時点)と夢のようにあっという間にここまで来ました。

ノダマップに出ていなかった8年間、本当にいろんなことがあり、そのいろんなことと一緒にまたこの場所に存在しいることがとても感慨深いです。

さて質問なのですが、のぶえさんはこれまで役者をやめようと考えたことはありますか?(いきなりすみません)もしあったとしたらそれはどんな時でしょうか。また、のぶえさんの人生にはこれまで役者以外に何か他の道という選択肢が存在したことはありますか。

自分は実家がばあちゃんから続く食堂だったこともあり、子どもの頃から「食堂を継ぐ」というのはずっと心のどこかにあった気がします。結果、自分は音楽をやりたかったので継がない(現在は従兄弟が続けています)という選択をしましたが、「店を継がない」と告げた時の父の表情は今も心に残っています。そしてまた、それだけ音楽をやりたかったのに今こうして役者を続けているという人生の不思議もあります。

ぶしつけな質問ですみません。11月までご一緒させていただきますが、残る日々もよろしくお願いします。

菊沢将憲さん

*****

私は「役者になりたい」と思ったことは一度もありません。
中学時代から大学までずっと演劇部だったので、傍目からはなるべくしてなったように見えるかもしれませんが、中学時代は私を演劇部に誘っておきながら他の部に入ってしまった友人への復讐のために3年間居続けただけですし、高校時代は公立に落ちてしまい知り合いが誰もいない寂しさから唯一馴染みのある部活に入っただけですし、大学時代は知り合いが誰も居ない寂しさから高校の先輩が先に入っていた演劇サークルに入っただけですし、卒業してからの劇団活動も初めて経験する社会の荒波が辛くて拠り所を求めただけで、一度も役者になろうとしたことはありませんでした。
なので、まだ役者をやろうと思っていないので、やめようと思ったこともないのです。

私の望みは、一般企業に就職して安定した職に就くことでした。
大学卒業後は企業に勤めましたが、3年ほどで経営が傾き、退職せざるを得ませんでした。
その頃、会社勤めと平行して活動していた劇団がちょっと注目されてきたのでそこで公演してるうちに今がある…といった状況です。

毎回違う人と会い、コミュニケーションをとり、美人だブスだと評価され、世間的にいい人でいなければならず、せっかく覚えたものもまた一から覚えて…苦手なことばかりなので、このお仕事が自分に合っているとは到底思えません。まあ、このお仕事でなくても人生そんなことばかりですかね。

しかし、菊ちゃんが食堂を継がず、音楽をやりたいと思って、いま演劇をやっている…ように、理想に向かって選択したことが必ずしも理想に向かうわけではないのが人生ですね。
でもきっと、選択する時には理想に向かわなければ後で後悔すると思いますし、後悔しながらの人生は無駄だなぁと思ったりはします。

なので最近では、この世を去る時に後悔しないように、与えられたお仕事をやっていこう…というところまでは来ました。役者になろう!とはまだ決められてませんが(笑)

選択をする時は最低でも2つ以上のものから1つ以上を選ぶことになります。
そうなると1つ以上の選択されなかったものたちをその場所に置いてきてしまったような気持ちになりますよね。
菊ちゃんがずっと覚えているお父様の表情も、きっとその一つだと思います。

でも、選択した後は選択しなかったものたちを置いてきたのではなく、伴走しているのかなぁなんて思ったりもします。それも含めて生きているのが、いまなのではないかなぁと。

ご相談D*****

のぶえさん
僕は人と雑談するのが大好きなのですが、話にオチを付けるのが上手くないのです。

僕「こんな事があって」相手方「それでそれで?」僕「(オチを上手く付けられず)あんな感じだったなぁ〜」相手方「…」僕「それで思い出したのだけど…(次の話題へ)」

このような具合で思ったような反応を得られないのをごまかすように会話を進めてしまいます。
このまま行くと、ただでさえ少ない僕の雑談に付き合ってくださる方がいなくなってしまうんじゃないかと不安です。

のぶえさんにおかれましては会話を如何に着地させているのか気になりますし、
大変恐縮ではありますがアドバイス等をいただけたらと思います。

くぼてぃーさん

(…くぼてぃーというあだ名に関しましても、四十を前にした大人が「くぼてぃーと呼んでください」と言うのはどうなのかと悩んでおりまして…
これは今度直接相談しに伺います)」

*****

 くぼてぃーめ…私ほど人に何かを口頭で伝えることが苦手な人間に、なんというご相談を! という気持ちでいっぱいですが、ここは同じ悩みを持つ同士、どうしたら良いか考えてみましょう。

世の中には、本当に上手に話せる人と、適度に話せる人と、大して上手に話せてもいないのにその人が喋り始めたら聞かなければいけない雰囲気になる人と、上手に話せないと自覚している人、という大きくわけて四種類の状況があると思うのです。

私から見たら、くぼてぃーが話し始めるとどんな面白い話をしてくれるんだろうとみんなが耳を傾けるイメージがあるので、少なくとも「適度に話せる人」に入ると思うのですが、ご自分では「上手に話せないと自覚している人」だと思っているとお見受けします。
私は確実に、「上手に話せないと自覚している人」なので、ここは同じ立場として捉えていきますが、「本当に上手に話せる人」になるには素質と果てしない努力が必要だと思いますので、手っ取り早いのは、「大して上手に話せてもいないのにその人が喋り始めたら聞かなければいけない雰囲気になる人」に勝るものはないと思います。

近しい方にそうした方がいるのですが、この方はなんでこんなにも内容のないことをしっかりとしゃべれるのだろう…とずっと観察を重ねてきた結果、どうも自信とその自信から生まれる雰囲気なのではないか…という結論に至りました。

「この話はつまらないのではないか…」「この話でみんなの時間を盗んでしまったのではないだろうか…」「オチが全くなくて楽しませられないけど大丈夫だろうか…」そうした迷いと不安を一切持たないまましゃべっているのです。
そのどこからくるのかわからない自信は、人々が聞かねばならない雰囲気を作りあげます。
こうなったらもう、面白い面白くないとかの次元ではありません。聞くしか方法がないのです。

まあ、私は「へー」と思ってしまうので、そういう方もいるのかもしれませんが、こちらかどんなに「へー」と思おうが関係ない、自信というパワーがあるのです。

そうなれたら、幸せですよね…でも、そんな人嫌い…。
どうしましょう、くぼてぃー。

でも今度二人で、それで世間話してみましょう。訓練と思って。
くれぐれも嫌い合わないようにしましょうね。

ご相談E*****

のぶえさんへ

決して重くない意味で、のぶえさんがもし、お芝居ができない状況に、いろんな要因が重なってなってしまったら、のぶえさんは何をしますでしょうか。新しい趣味とか見つけたりするものでしょうか。僕は一回挫折したら釣りなんてどうなんだろうかと考えているのですが。

白倉裕二さん

*****

自然も国も自分の心身も、この先、いつどうなるか本当にわかりませんものね。
特にお芝居というものは、ライフラインが整ってこそのものだと思うので、生活を脅かすことが起きた場合は、とても儚いものだと自覚しています。

しかし、お芝居が出来なくなった場合「これをやろう!」という具体的な行動は起こせていません。
元来、企業に就職し事務的な作業が大好きな性質があるので、そうしたことが出来れば良いですが、私ももう53歳です。今更、ちゃんとした企業でそうした地位につけるとは思っていません。

なので仕事となるともう、できることと、それをやらせてくれるものをやるしかないのかなぁ…選択肢はほとんどないのだろうな、と思っています。

白倉さんは、挫折したら釣りをするの?
なんとなくでも決まっているのは、とてもいいですね。釣りがお好きなのかしら?

釣りを仕事にするには、いろいろ資格も必要そうですが、興味があるというのは強みだと思います。
私は、本当にいろんなことに興味がないのがコンプレックスなので、本当にいつお芝居ができなくなっても救われる何かを持っておくって大事ですね。

白倉さんのおかげで、改めて自分が何をしたいか、何ができるか、考えてみるべきだと思いました。何か人の役に立つことはやりたいな…あと、何かをひたすら分けたり入れたりする作業。

「それって、○○がいいんじゃないですか?」というものがあったら、教えてください。

ご相談F*****

池谷のぶえ様

僕は、のぶえさんとは同い年で、大学生から演劇をはじめました。
当時の仲間たちのほとんどは演劇をやめてしまっていて、
同い年の演劇仲間もだいぶ少なくなってしまいました。
経歴や立場は違えど、大学生から今まで、演劇の世界の荒波を乗り越え、
のぶえさんと同じ舞台に立てたことを本当にうれしく思っております。

と同時に、日々、アンサンブルとして後ろからのぶえさんの芝居を見るにつけ、
同じぐらいの時間、演劇を続けていても、こんなにもパフォーマンスが違ってくるのか…と
自分のいたらなさを痛感する毎日です。

よどみなく、流れるように出てくる言葉のすべてが客席に聴こえ、
常に面白く、時に狂気をはらみ、まるで普段の生活と変わらずに
舞台上で生きているように見えるのぶえさんにはお聞きしたいことばかりですが
今回は特に、「台詞を言うこと」についてご相談したいと思います。

僕は、舞台の発声について、「相手の目を見て、大きな声でまっすぐしゃべる」
という教えを、その真意を理解せず、曲解したまま長い年月過ごしたせいか
たいして台詞をしゃべってもいないのに、よく声を枯らしがちです。
また、活舌にコンプレックスがあり、そのせいか、台詞の回しが遅いと
指摘されがちです。努力不足と言えばそれまでですが、
尊敬している個性派俳優で演出家の方が「滑舌は才能だから、努力しても直らないよ」と
言っているとの話を聞いて、身も蓋もなさすぎる…と絶望したこともあります。

のぶえさんの様に、総ての言葉を漏れなく客席に伝えるには
どうしたらよいのでしょうか。技術的な話は俳優個別の課題が色々あるとは思うのですが、
普段、台詞を言う時に心がけていらっしゃること、
喉のケアはどうされているかなど、教えて頂けたら幸いです。

追伸 のぶえさんは東洋大学出身でいらっしゃるかと思いますが、
千石駅の駅近に「中華太楼」というお店があったこと、ご存じですか?
僕は高校生まで千石駅の近くに住んでいたのですが
「中華太楼」のコショウが猛烈に効いた「胡椒そば(太楼麺)」が大好きで、
時折無性に食べたくなります。
「胡椒そば」、食べたこと、ありますか?

代田正彦さん

*****

この歳になると、あまり同級生というものに出会う機会が少なくなってくるので、同じ現場に同級生がいるというのはなんとも頼もしく感じております。

と同時に、同じ時代、同じ時間を過ごしている中で、本当に全く違うジャンルのお芝居の道を歩いて出会ったわけですよね。演劇の世界も狭いようで広いのかもしれません。

なので、滑舌や発声にしても本当にいろんな方法論があると思います。
私は演劇に関して、どなたかに師事したり、システムを学んだことがあるわけではないので、全くの独学です。なので私がやってきたことが正解だとは全く言えませんが、なんとなく心に残ったり、実感しているものとしては、

・手洗い、うがい、寝る時に口が開かないようテープを貼る
→地味ですが、毎日のコツコツです。でも、これをやっていても持ち堪えられないことも増えてきました。年齢のせいにしています。

・本番前にちゃんとセリフを言わない
→間違えそうな不安なセリフがある場合、小声で確認してみたりはもちろんしますが、本意気の声やセリフ回しでは、公式のお稽古以外ではやりません。
本番で出てきた大きさや言い方に、新鮮さをとっておきたいです。

・対象に対してきちんとセリフを投げかけると、激しいやり取りでも声を壊しにくい
→どなたかがおっしゃていたことだと思いますが、声を壊す壊さない関係なく、時々やってるつもりだけになってしまったりもするので、気にかけるようにしています。

・なるべく大盤振る舞いをする気持ちでやる
→観ているお客さんが1秒でも長くトリップできるために必要なことだなぁと、心がけています。

・演劇を常に疑う
→演劇を愛する気持ちと、演劇を憎む気持ちと、両方持ちながらいたいと思っています。愛してばかりいると甘い箇所が多くなってしまう気がするので。

・時に自分にやらせないで、空間に自分を放り出してみる
→自分が演技していることを放棄することがあります。
放り出す、という表現が一番近いかもなのですが、その空間に自分を放置して、演技しない時間を作ってみる…と言う感覚でしょうか。自分が演劇や役を支配できると思ったら大間違いだ…と言うことを、気にするためでもあります。

なにしろ独学なので、このくらいしか得たものがありません。
具体的に実践してもあまり役に立たないものばかりで、申し訳ありません。

そして、胡椒そばは食べたことがないのです…千石ラーメンは仲間たちと時々行きました!
でももうなくなってしまいました。胡椒そばはまだ健在なのかしら。

ご相談G*****

のぶえさん

こんにちわ。あ、こんにちは。
おはようございます。こんばんわ。あ、こんばんは。
どのご挨拶が正しいのか、と考えながら、どんなことを相談させていただこうか、とドキドキワクワク(相談させていただくのにワクワクもおかしいですが)しながら文章を作っています。
声をかけてくださってありがとうございます。とっても嬉しいです。

どんな人生相談をさせていただいたらいいのでしょうか!と相談させていただきたい気持ちをおさえつけまして。

人生相談をする、という経験にドキドキワクワクし過ぎているので、どんなことを相談するかは文章を作る時、その時の気持ちと勢いに任せてその時思いついたことを相談させていただこう!と決めて文章を作成しています。

ここまでの文章を自分で見返して、改めて(あくまでも改めて)自分という人間のいわゆる めんどくささ をひしひしと感じました!(もう、この一文もめんどくさい人ですね!)
この めんどくさい自分 と、少しでも軽い気持ちで付き合うにはどんな心がけがあるといいでしょうか。
という内容を人生相談とさせていただけますでしょうか!のぶえさんよろしくお願いいたします!

的場祐太さん

*****

挨拶から心情へ、そしていつの間にか相談になってる!笑
この文章から見るに、まってぃは「めんどくさい自分」も既にだいぶ受け入れているように思えますが、手こずっているのかしら?

まあ、自分って大体めんどくさいですよね。
社会的に表に出す自分は、ある程度整えて出しているものの、自分の中のそのままの感情と日々付き合っていたら、「なんなの!? 自分!!」ってなると思います。

思うにまってぃは、他の人に比べたら、思考の速度が幾分速いのではないかと思います。
私も遅くない方だと思っているので、ちょっとシンパシーを感じる時があります。

ただ悲しいかな、速いからいいということではないようにも思えます。
一つのことが目に入ったら、あらゆる角度、周りの状況、過去、未来、などのことを一気に思い巡らせ、いらぬ妄想をし、何パターンかの筋道をたて、備える…そんなことをしながらも、私にこんなことさせないでよ!! とプンプンし始め、最終的にはなくなってしまえ地球!! と放棄。
ここまで1分くらい。

まってぃの気遣い(違う角度から見ると、めんどくささになるのかもですね)も、物凄い速さの思考によるものなのだろなぁ…と思ってしまったりするのです。

この速度を変えることは、なかなか難しいのではないかと思います。
ならば、まずは1日2〜3個、今までなら気にしてしまいそうなことを思考しないようにしてみませんか。
思考が走り始めそうになったら、シャットアウトしてぼんやりするか、次の行動に移ってみる。

いろんなことがシンプルになっていけば、めんどくささを感じづらくなるような気がしています。
まあ、シンプルということは…? って、すぐ考え始めちゃいますけどね。
ぼーっとして! まってぃ! そして私!

ご相談H*****

自分自身、様々な場面でのチャンスを逃しがちだと思っています。
人見知りとまではいきませんが、
初めてご一緒してお近づきになりたいと思った方や、憧れの役者さん演出家さんなど「今こそ話しかけられそう」という時に尻込みしてしまいます。
また話しかけたはいいものの、うまくお話を展開できなかったり…

どう思われてしまうかが気になり、何かにつけて「思い切る」ということが苦手です。
その1歩を踏み出すにはどうしたらいいでしょうか?

他者との間に壁を作りたい訳ではまったくないのですが、壁を感じさせてしまうことも多いようで…
もうひとつ違うフェーズに行きたいと思っている今日この頃です。

吉田朋弘さん

*****

とてもよくわかります。
私も、その尻込みは幾度となく経験してきました。
話しかけたものの、「素敵でした!」と言ったきり何も続けられなかったり。

よっしーとは野田地図2回めの共演ですし、なんなら割と一緒にご飯したりしている回数も少なくはないと思います。何か質問があったらよっしーに聞いたりもしますし、仲が悪いわけでは決してないはずなのですが、お互いの尻込み気質からか、確かになかなか距離が縮まりませんね。笑

よっしーに話しかけた時の印象として、「あ、こちらにあまり興味がないのかな…」と感じることが多かったのはきっと、お互いのもう一歩先に行くパワーがなかったからかもしれません。

もし自分が人から話しかけられる立場だった場合、「素敵でした!」というたった一言でもとても嬉しいですし、なんなら印象に残ることもあると思います。
なので、その後うまく話を展開できないにしても、一言伝えるというのはとても大事なことかもしれませんね。

まずは一言、この人とはもう二度と会えないかもしれない…という気持ちで話しかけ、その後もう一言だけ、紡いでみましょうか。
なんでもいいと思います。なんなら、もう一回同じことを言ってもいいと思います。

1回1言増やしていけば、今までの何倍か以上のコミュニケーションをとれることになりますものね。壁を感じられてしまう…ということも、こうしたことを増やしていけば、小窓が開いている感覚を与えられるかもしれません。

よっしーに解答しながら、自分に言い聞かせていることばかりです。
1回1言増量。お互い挑戦してみましょう。

ご相談I*****

年齢を重ねるにつれ、肉体的にも精神的にも、昔とは変わってきたなぁと感じることが増えてきました。記憶力の低下や集中力の途切れなど。
のぶえさんは、大切な場面でうっかり集中力が切れてしまったという経験はありますか。
また、もしあればその時はどのようにしてその場を切り抜けましたか。

とくめい

*****

歳とともに、いままでできていたことができなくなったりしてきますよね。
そして、これまでできていた分、マイナスに感じてしまいがちですよね。

私は、元々集中力が高い方ではないので、集中力が途切れるという感覚より、ずっと「集中しなきゃ!」と思っているという感覚の方が強く、あまり参考になる解答ができないかもしれません。

ですが、いままでできていたことが、ある日突然できなくなる、ということも今後多々出会うと思います。その時のために、絶望しない自分を用意しておくのも手かもしれません。

集中力の問題ではないのですが、数年前のとある作品の千穐楽の日、はじめの出番を終えて舞台袖で待機している時に「あれ? 次のセリフはなんだっけ?」と急に何もかもがわからなくなりました。
急いで楽屋に戻り台本をめくってみましたが、自分が何をすべきか全くわかりません。千穐楽まで何十回と言えていたセリフが初めて覚えるセリフくらい頭に入ってきません。直前まで台本を見つめ、間違いながらもなんとか大事はなく千穐楽を終えましたが、その後本調子に戻るまで数ヶ月かかりました。

こんな恐ろしいことも、突然起きます。
集中することを考えるより、その時その時、目の前の時間を二度とないものとして表現していれば、後で考えてみたらそれが「集中していた」ということになるのかもしれません。

そう考えると、集中力は先に考えるより、その瞬間、そしてその後、噛み締めるものとして考えていった方が今後幸せに過ごせるかなぁなんて思います。

ご相談J*****

僕は、人との距離の詰め方が0か100になってしまう不器用者です。
皆はそうは思わないと思いますがシャイだと思います。
だから大先輩と仲良くなりたいと思っていても何を話せばいいのかと考えすぎて、笑顔で挨拶することしかできません。
のぶえさんは、新人時代どうやって大先輩と仲良くしていましたか?
フロイトが唱えた潜在意識。僕のはきっと〝真っすぐさ“だけなんです。

*****

私は、全人類から嫌われていると思っているので、大先輩にもいまだに挨拶くらいしかできません。笑顔ですらできていない気がします。
だから、まずは笑顔で挨拶できているだけで素晴らしいと思いますよ。

今思えば、若い頃だったらもっと若さを利用して、いろんなことを質問したりしたら良かったかなぁ…と思ったりします。
何を話せばいいかわからない時は、何か質問してみてはどうでしょうか?
もちろん、自分が気になっていることでもいいですし、もう少し頑張れるなら相手の気になりそうなことでもいいと思います。それも出てこないなら、ケータリングにあったあれが美味しかった、とかの報告でもいいと思います。

ただ、話しかけたくない時や人に、無理して話しかける必要はないと思います。
無理している空気というものは、伝わるものです。
ですが、無理して許されるのも若い頃の方が有利ではあります。

なので、今の若いうちに0か100をもう少し緩やかにしていきたいなぁ…と感じているのなら、自分の中の白(0)と黒(100)の間にある無限の色にもう少し着目して…みたいなことをミスチルが歌っているので、その歌でも聴いてみて、なんなら大先輩に「ミスチル聴きますか?」という質問が1つできました。

ご相談K*****

好きな人が居ます。
手の平で、楽しく転がされております。
どういうつもりか分からない相手に、このまま楽しんでいて良いものなのでしょうか。

匿名希望

*****

転がされるのも、転がすのも、なんなら楽しいですものね…楽しめるだけ楽しめたらよいとは思います。

が、これだけで解答が終わってしまってもなんなので、もしどういうつもりなのかを判断したり、なんらかの進展を望んだりしたいのなら、ある程度の期日を設けることじゃないでしょうか。

その方とは、この先も関係を続けなければならないお仕事関係なのか、知人関係なのか、アプリ的なもので知り合った方なのか…関係性がわからないので具体的な日数では解答が難しいですが、ここまでは転がされてみよう!と先が見えると永遠の苦しみからは解放されます。

そんなの決められない!というなら、スーパーに栗が売りはじめたら…とか、どんな期日でも大丈夫です。

栗を見かけたら、さあ、自分はこの先その方とどうなりたいのかなぁ…と、改めて見つめ直し、進展したいなら次の手を、もう少し転がされていいのなら、お節の予約が終わる頃まで…と次の期日を決める。

数少ない転がし側時の経験からすると、先に進むにはスムーズには進めない何かはあるのでしょうね。それが払拭されることを祈っています。

でも、転がされてることすら辛いけど楽しそうで羨ましいです!

■ラッキー待ち受け

東京公演、北九州公演を無事閉幕し、いよいよ大阪公演、そしてロンドン公演です。
それぞれの土地へ行くと、ついつい行き慣れたお店に行ってしまい、新規開拓を怠りがちです。北九州でも、なにかというとこのラーメンで〆ていました。
普段ラーメンを全く食べないので、3年分くらいのラーメンを摂取しました。
ロンドンはみなさんの方が経験済み、大先輩ですね。ぜひいろいろ教えてください。

今後の予定

NODA・MAP 第27回公演「正三角関係」
作・演出:野田秀樹
大阪:2024年9月19日(木)〜10月10日(木) SkyシアターMBS
ロンドン:2024年10月31日(木)〜11月2日(土) Sadler’s Wells Theatre
詳細 → https://www.nodamap.com/seisankaku/ 

NODA・MAP 第27回公演「正三角関係」
にご出演のみなさまの今後のご予定
詳細 → https://www.nodamap.com/portal/seisankaku/gallery/

著者プロフィール

池谷のぶえ
いけたにのぶえ94年より04年の解散まで劇団「猫ニャー」(後の「演劇弁当猫ニャー」)の劇団員として活動。解散後は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、NODA・MAP、蜷川幸雄演出作品など数多くの舞台に出演。

出演情報

【舞台】
NODA・MAP 第27回公演「正三角関係」
作・演出:野田秀樹
大阪:2024年9月19日(木)〜10月10日(木) SkyシアターMBS
ロンドン:2024年10月31日(木)〜11月2日(土) Sadler’s Wells Theatre
https://www.nodamap.com/seisankaku/

【舞台】
シス・カンパニー公演 KERA meets CHEKHOV Vol.4/4「桜の園」
作:アントン・チェーホフ
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
東京:2024年12月8日(日)~27日(金) 世田谷パブリックシアター
大阪:2025年1月6日(月)~13日(月・祝) SkyシアターMBS
福岡:2025年1月18日(土)~26日(日) キャナルシティ劇場
https://www.siscompany.com/produce/lineup/sissakura2024/

【テレビ】
Eテレ
アニメ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」
毎週金曜 18:40~ / 再放送 毎週土曜 17:45〜
声:銭天堂の店主・紅子役
https://www.toei-anim.co.jp/tv/zenitendo/

【テレビ】
NHK 総合 「LIFE!」12周年SP
第一夜 2024年9月16日(月) 21:30〜22:15
第二夜 2024年9月23日(月) 22:00〜23:15
https://www.nhk.jp/p/life/ts/99G3NPQNQ5/

【テレビ】
NHK総合 夜ドラ「事件は、その周りで起きている シリーズ2」#2
2024年10月1日(火) 22:45~23:00
https://www.nhk.jp/p/ts/R6ZNL4MY77/

【テレビ】
WOWOWライブ シス・カンパニー公演「帰ってきたマイ・ブラザー」再放送
2024年10月13日(日) 午前5:00〜7:00
(2023年4月 世田谷パブリックシアターにて上演の舞台公演)
https://www.wowow.co.jp/detail/191390/-/01

【雑誌】
「えんぶ」no.49 2024年10月号
Stage&Interview NODA・MAP『正三角関係』
発売中
価格:600円(税込)
http://www.enbu.shop/view/item/000000011471

【雑誌】
act guide[アクトガイド] 2024 Season21
徳永京子『俳優の中』池谷のぶえ
発売日:2024年9月20日(金)
出版社 : 東京ニュース通信社
販売価格:1,400円(税込)
https://www.fujisan.co.jp/product/1281703839/next/

【Podcast】
ホワイエ Podcast「池谷のぶえとブルー&スカイのきっとフォーエバー」
毎週金曜日17時より配信
配信アプリ:Podcastアプリ(Apple Podcast、Spotify、amazon music、Google Podcasts、Castbox) https://podcasts.apple.com/jp/channel/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%82%A8-podcast/id6470627311

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