『蝶々夫人』坂東扇菊 ― 日本舞踊の越境旅、まもなく開幕!

1991年のオープン以来、「ダンスのための小劇場」として、さまざまなタイプのダンス・プログラムを実施しているセッションハウス。
その企画室では、若手ダンサーのサポートとダンスの社会への普及を目的に、恒常的な公演活動を可能にするためのスタッフ・ワーク・システムを設け、様々な自主公演やイベントの企画制作を行っている。

今年、セッションハウス企画室が、「コンテンポラリーダンスの多様性が持つ寛容を社会に広く届けたい!」との思いから、ダンスを見る入口に、3つの橋を架けた企画「ダンスブリッジ2024」。第一の橋は10月に坂東扇菊、第二の橋は12月に伊藤直子(マドモアゼル・シネマ)、第三の橋が来年1月に近藤良平による作品によって架けられる。
どの橋を渡るか、橋を渡ってたどり着く風景はどんな風景か————。

まもなく始まる第一弾の『蝶々夫人』は、コンドルズの近藤良平が振付としても参加、蝶々夫人の相手役、ピンカートンも演じる。
今に通じる『蝶々夫人』を生み出す、構成・振付・演出を手がける坂東扇菊のメッセージを紹介する。

「蝶々夫人」の物語は明治時代の長崎を舞台に、実話を元にしています。原作はアメリカ人のロングが小説として発表、それを元にイタリア人のプッチーニがオペラとして作曲しました。また、その先行作として、フランスの作家ビエール・ロティの小説に基づく、アンドレ・メサジェ作曲の歌劇があります。このように様々な国の巨匠たちが挑んできた「Madam butterfly」。ここに日本にしかない魅力が潜んでいるのかも知れません。この時代、欧米列強国を相手に、開港したばかりの港には、きっと他にも、蝶々さんのような芸者は何人も居たことでしょう。そのような複数の芸者や軍人を登場させ、時代的背景を増幅させました。時代考証などの枠組みを取り払い、しかし、明治という時代の匂いを残したいと試みました。蝶々さんの無垢な愛がふたたび、この舞台に花咲きますように。
坂東扇菊

【プロフィール】
3才より、日本舞踊、歌舞伎界の名門、坂東流に入門し15才で坂東扇菊の名を八代目坂東三津五郎より許される。坂東勝扇、坂東三津扇、坂東勝友に師事。長唄を岡安喜代八に、囃子を望月左之助に、一中節を都一中に師事。劇団、浪曼劇場(三島由紀夫主宰)で演劇を学び、演劇活動に参加。振付家としては様々なジャンルとの融合による数多くの新作を発 表、新たな領域を開拓している。海外に於いても高い評価を得て、フランス・アヴィニヨン演劇祭で1ヶ月間の公演(文化庁後援)パリ日本文化会館、モスクワ・マールイ劇場との提携公演(文化庁後援)ルーマニア シビウ演劇祭、アイスランド国立劇場、ノルウェー、ニューヨークなど15ヵ国24都市で公演を行う。坂東扇菊舞踊教室を開き、日本舞踊の継承に力を注ぐ他、坂東扇菊舞踊団を結成し、ウクライナ、中央アジア等で日本舞踊公演(国際交流基金後援)国立バレエ学校、芸術大学などで、大規模な日本舞 踊ワークショップを展開する。シビウ演劇祭、北京、上海中央戯劇学院、モナコ王妃主催モナコダンスフォーラム等に招待される。國立臺北藝術大學で特任教授を勤める。

【公演情報】

『蝶々夫人』
歌劇「蝶々夫人」より
2024/10/5・6◎神楽坂セッションハウス
構成・振付・演出◇坂東扇菊
振付◇近藤良平
音楽◇平岩佐和子
出演◇ピンカートン:近藤良平
蝶々夫人A:佐藤麻琴 蝶々夫人B:遠藤晴菜
人形蝶々夫人:松永真紀 人形黒衣:坂東扇菊
バレエ蝶々夫人:内山陽瀬
ゴロー:山本光二郎
ヤマドリ侯爵:鎌倉道彦
芸者/兵士:藤田善宏、黒須育海、近藤燈子、竹之下たまみ
芸者:深田愛衣
女中:蓮子奈津美、秋元麻友子
〈チケット料金(税込)〉
一般前売 3,500円
学生 3,000円
子ども 2,000円(小中)
当日券 4,000円
通し券 9,000円(3公演)

https://session-house.net/db2024.html

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