ベイビードール役で注目を集めるミュージカル俳優大音智海ソロライブ稽古場レポート！

2024-11-19

ハイキーまでを楽々とカバーする高い歌唱力と、クラシックバレエからヒップホップまでの多彩なダンス力を兼ね備え、ミュージカル界で大活躍している大音智海のソロライブ【LIVE FROM THE Tomomi’s Room】〜感謝を込めて〜が、11月21日（木）吉祥寺Star Pine’s Caféで開催される（13時半、18時半の昼夜2回）。

『ジャージー・ボーイズ』舞台『あさひなぐ』『マイ・フェア・レディ』『アリージャンス〜忠誠〜』など、多くのミュージカルシーンで深い印象を残してきた大音は、2023年─2024年に上演され、熱狂を巻き起こしたミュージカル『ムーラン・ルージュ！ザ・ミュージカル』で、ヒロイン・サティーンが歌姫を務めるキャバレー「ムーラン・ルージュ」のショーを共に創るベイビードール役を、純粋にキュートに演じて更に大きな注目を集めた。また自身のYouTubeチャンネル「大音智海チャンネル」でも、様々なミュージカル俳優とのコラボや、ミュージカル俳優が歌うポップスの名曲などを披露する動画も好評で、昨年開催されたソロライブは完売の大盛況。その勢いのままに、2年に渡って演じてきたベイビードール役から、2025年は『キンキーブーツ』でエンジェルスの一員となることも発表され、ますます期待を高めているこの時期、【LIVE FROM THE Tomomi’s Room】〜感謝を込めて〜と題して、歌とダンスとトーク満載の新たなソロライブが開かれることになった。

そんなライブを数日後に控え、本番さながらのリハーサルが行なわれている都内稽古場を訪ねた。

ガラス窓に映る夜景が美しい稽古場は、一歩足を踏み入れた時には広いと感じられたのだが、「大音智海チャンネル」でもおなじみのキャップをかぶった大音が踊り出した途端、むしろ場が狭いと思えるほどに、たった一人のダンスが空間を掌握していくのに驚かされる。『ムーラン・ルージュ！ザ・ミュージカル』で、ニニ、ラ・ショコラ、アラビアと共にベイビードールがシルエットで現れる冒頭、劇場中が喝采と興奮の渦に巻き込まれた光景を愛した人なら、きっと心躍るに違いない歌、ダンス、そして思いのこもったトークが、ミュージカル俳優としての大音の来し方や、目指すものまでを投影していく場がとても貴重だ。

そこから大音智海が歌う音域の広さ、そのハイキーの美しさが広く知れ渡るきっかけにもなった『ジャージー・ボーイズ』の「Sherry」が歌われ、これはもう文字通りの「待ってました！」。世界でも歌える人が限られる名曲を、こうして一人で披露することのできる豊かな才能に改めて感じるものも多い。一転、ベイビードールに至る道で出会った作品のことも語られ、劇中のナンバーがホットに繰り広げられるなど、緩急の巧みさにこちらもどんどん引き込まれた。

そして「僕が歌いたいものを歌うコーナーです」とのことで披露されたのは、敬愛してやまないというキング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンのメドレー。誰もが一度は真似てみようとしたことがあるだろうムーン・ウォークをはじめ、ダンスも歌もマイケルへのリスペクトがにじみ出るメドレーは圧巻。大音の大きな夢はマイケル・ジャクソンのヒット曲やダンス曲を25曲以上使用して、彼の半生を描くブロードウェイ・ミュージカル『MJ The Musical』で、マイケル・ジャクソンの青年期を演じることだそうで（ツアーのリハーサル風景から過去までを遡るこのミュージカルには、少年時代、青年時代、壮年時代のマイケル・ジャクソンが登場する）、夢は言葉にしてこそ叶う、言霊を信じる者として、その夢をどんどん発信し続け、いつかつかみ取って欲しいと願う、ダイナミックで愛にあふれた時間だった。

気が付けば45分ほどが経っていて、この日のリハーサルは終了。ライブ全体を自らプロデュースしつつ、スタッフの助言に耳を傾ける様はとても真摯で、ミュージカル俳優として邁進してきたこれまでと、これからの夢を乗せたこのソロライブをできる限り良いものにしようと、創意工夫と研鑽を重ねる大音の姿勢が清々しかった。

セットリストの多くは当日のお楽しみとなるが、90分予定のライブにどんな見せ場が詰め込まれるのかに、大きな期待の膨らむリハーサル風景だった。昼夜各回共に若干の当日券も確保されているとのことなので、旬を駆け抜けるミュージカル俳優「大音智海」の「いま」をこの贅沢なLIVEで是非体感して欲しい。

【LIVE情報】
大音智海ソロライブ【LIVE FROM THE Tomomi’s Room】〜感謝を込めて〜
●11/21日（木）◎吉祥寺Star Pine’s Café
1st　開場12:45 / 開演13:30
2nd　開場17:45/ 開演18:30
〈料金¥6600+1drink〉（整理番号順入場・全自由）
〈詳細〉https://mandala.gr.jp/SPC/schedule/20241121/

【取材・文・撮影／橘涼香】