情報☆キックコンテンツ一覧
お得なチケット販売中!
情報☆キック
株式会社えんぶ が隔月で発行している演劇専門誌「えんぶ」から飛び出した新鮮な情報をお届け。
公演情報、宝塚レビュー、人気作優のコラム・エッセイ、インタビューなど、楽しくコアな情報記事が満載!
ミュージカルなどの大きな公演から小劇場の旬の公演までジャンルにとらわれない内容で、随時更新中です。

(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
公演チケットで広告掲載

大阪松竹座さよなら公演『スイートホーム ビターホーム』開幕!

中山優馬主演で、秋元才加や佐藤アツヒロが共演する舞台、松竹創業130周年 大阪松竹座さよなら公演『スイートホーム ビターホーム』が、12月5日に大阪松竹座にて開幕した。

本作は、映画・ドラマ・舞台の脚本家として幅広く活躍し演出も手掛ける、“描かれる人間のリアルさ”に定評のある藤井清美による書き下ろし作品。2019年、2022年に続く、お仕事コメディシリーズの第3弾で、「信頼とは何か」を、軽妙な会話劇と濃い人間ドラマで描き出す。

初日前日におこなわれた囲み取材には、中山優馬、秋元才加、藤野涼子、井上拓哉、舞羽美海、瀬戸カトリーヌ、駿河太郎、佐藤アツヒロのメインキャスト8名が登壇。明日の初日を控えた心境、作品の見どころ、そして大阪松竹座さよなら公演という節目の舞台に立つ思いなどが語られた。

舞羽美海 瀬戸カトリーヌ 駿河太郎 藤アツヒロ 中山優馬 秋元才加 藤野涼子 井上拓哉

【コメント】

中山優馬 仕事について考えさせられた作品となりました。信頼という見えないものを掴んで、頑張っていくという人生そのものが描かれています。大阪松竹座のさよなら公演ですが、松竹座は楽屋、稽古場、いろいろな場所に思い入れがあります。一つひとつの景色を大切な思い出として、感謝を持って舞台を締めくくりたいです。一人でも多くのお客様に観ていただけるように、頑張りたいと思います。

秋元才加 今回、産後久しぶりの舞台で、また大阪松竹座のさよなら公演ということで身が引き締まる思いです。信頼がテーマです。大切なものに気づかせてくれて、明日も頑張ろうとそっと背中を押してくれる作品になっています。このチームで一丸となって頑張りたいと思います。

藤野涼子 歴史ある大阪松竹座に初めて立たせていただきます。凄く緊張していますが、いろんな世代の方がいるからこそ、それぞれの価値観がぶつかり合う様を、チーム一丸となって作っていき、皆さんに届けたいと思います。

井上拓哉 僕が演じる丸元はゆとり世代ど真ん中の役で、彼がどのように社会の荒波に立ち向かうのかという様を見ていただきたいと思います。僕自身は、稽古で皆さんと良い信頼関係を築けたと思っています。歴史のあるこの大阪松竹座での舞台を最後まで楽しみたいと思います。

舞羽美海 大阪松竹座に帰ってくることができ、本当に嬉しいです。中山さんとは約10年ぶりの共演となりますが、本当に信頼して舞台に立てています。(作・演出の)藤井清美さんの演出の繊細さがお客様に届けられるように精一杯つとめさせていただきます。

瀬戸カトリーヌ 3年ぶりの大阪松竹座の出演となります、ホームに戻って来たという感覚で、私はここに住みたいくらいなので、閉場するのは切ないです。この素晴らしい座組の皆と共に千穐楽まで励みたいと思います。よろしくお願いいたします。

駿河太郎 中間管理職で、板挟みになるような役です。いつも通り、無理もしないし、手も抜きません。一緒に出ているキャストの皆さん、演出家さん、大阪松竹座の皆さん、お客様の信頼を失わないように演じたいと思います。

佐藤アツヒロ 大阪松竹座には初めて立ちます。私は謎の男の役です。秋元さんが演じる亜紀子との関係にも注目していただきたいです。信頼が最大のテーマの作品となっております。明日の初日、そして千穐楽まで頑張りたいと思います。

《公開ゲネプロレポート》
囲み取材ののち、報道陣に向けてゲネプロが公開されました。
舞台となるのは、“心が帰る家”を掲げるハウスメーカー「松波キラリホーム」のモデルハウスです。セットは細部まで作り込まれ、実際にモデルハウスへ足を踏み入れたかのような空間で物語が展開します。

主人公・努力良介(中山優馬)の前に立ちはだかるのは、単なる物件の不具合ではなく、人と人との信頼が試される場面の連続。新任店長として任されたモデルハウスの不具合対応に追われる良介は、妻の家出という私生活の問題にも直面する。二つのことを同時にこなすのが苦手な彼は、押し寄せるトラブルに大混乱。顧客と会社の狭間で揺れ動き、理想と現実の間でもがきながら「信頼とは何か」を探ろうとする姿が、リアルに、そしてユーモラスに描かれ、観客に“他人事ではいられない”感覚を呼び起こします。

同じ職場で働く個性豊かな面々——社長と部下の板挟みとなる部長の権藤孝則(駿河太郎)、責任感が強い先輩・田辺舞子(瀬戸カトリーヌ)、決断が苦手な後輩・丸元翔太(井上拓哉)、若手エースの弓川夏葉(藤野涼子)らとの掛け合いには、日常の職場の空気がそのまま切り取られたような“親近感”が感じられます。また、施工会社社長・段田晴菜(舞羽美海)が現れると、場の空気はたちまち彼女のペースに。ぐいぐい割り込む主張に周囲は翻弄され、気がつけば誰も逆らえない流れに押し込まれていき、その圧に空気の温度が一瞬で変化します。

さらに、良介の前に顧客として現れるのは、かつての恋人・佐久間亜紀子(秋元才加)と、そのパートナーという山田(佐藤アツヒロ)。思わぬ再会と、不穏さを感じさせる山田の振る舞いが、物語の方向性を変えるひとつのアクセントとなっています。

藤井清美が描いてきたお仕事コメディシリーズ作品らしく、現代を生きる人々の視点が丁寧に積み重なり、心の奥に突き刺さる台詞が飛び出し、胸に迫ります。


“笑わせて、泣かせて、考えさせる”緻密なバランスが、物語のテンションを高め、観客が自然と感情移入していく仕掛けとなっています。 出演者のかけあいも心地よく軽やかな笑いに包まれながら、観客はいつの間にか心の深い場所に踏み込んでいく──まさに「信頼とは何か」を観客自身に問いかける舞台。初日の幕開きへ、期待が高まる公開となりました。

【公演情報】
『スイートホーム ビターホーム』
作・演出:藤井清美
出演:中山優馬 秋元才加 藤野涼子 井上拓哉 舞羽美海 瀬戸カトリーヌ 駿河太郎 佐藤アツヒロ 
●12/6〜14◎大阪松竹座
〈問い合わせ〉チケットホン松竹(10:00-17:00) 0570-000-489
チケットWeb松竹(24時間受付)
●12/20◎金沢・北國新聞赤羽ホール
●12/26〜29◎東京 シアターH 
〈公式サイト〉https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202512sbhome/

【写真提供 (C)松竹】