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株式会社えんぶ が隔月で発行している演劇専門誌「えんぶ」から飛び出した新鮮な情報をお届け。
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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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いよいよ開幕!『マイ フレンド ジキル』に出演 湖月わたる、柚希礼音 インタビュー

世界中の人々がその魅力にとらわれ幾度となく映画化・舞台化されてきた、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの代表作「ジキル博士とハイド氏」。
この名作をモチーフに、いま最も注目を集める演出家のひとり、瀬戸山美咲が上演台本、演出を担当する、ダンス×演劇『マイ フレンド ジキル』が、12月16日、東京よみうり大手町ホールで開幕する(22日まで。のち27日~29日まで大阪梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演)。
「善」と「悪」の二面性を持つジキルとハイドをダンスで表現する“パフォーマー”と、ジキルを尊敬しながらも心揺れる親友アタスンの目線で物語を進める“語り手”。
この二役を、宝塚歌劇団星組で共に過ごし、退団後も確かな演技力とハイレベルなダンススキルで様々な舞台で活躍している湖月わたると柚希礼音が回替わりで演じる、という大きな話題性を持った舞台がいよいよ全貌を現す日が近づいて来た。
そんな作品に臨む二人が、舞台に向けた思いと、役柄との強いリンクを感じるという互いの関係性について語り合ってくれた。

(取材は公演開幕前に行われたものです)

瀬戸山さんが書かれた台本にグッとくる

──こうしてお二人が並んでいらっしゃる自体が、夢のようだなと感じますが、いまいかがですか?

湖月 そう言っていただけるのが、まず何よりも嬉しいです。

柚希 公演情報が解禁になった時点で、ファンの方々をはじめ、周り中の人たちが同じように反応してくださったんですよ。何より私自身が、このお話をいただいた時にまさにそう感じたので。

湖月 それは私も同じ。いつかちえ(柚希の愛称)と一緒に何かできたらいいな、とはずっと思っていたけれど、まさかそれがこういう形で、二人の舞台を創れることになるとは想像できなかったから。

柚希 私こそです!本当に嬉しいですし、夢のようだからこそ、ただ嬉しい、幸せで終わらないようにと気を引き締めています。

湖月 台本をいただいた時点で、確かにこれは心してやらなければ、と思ったよね。

──その台本についてですが、人が誰しも持っている二面性に深く踏み込んだ古典である「ジキル博士とハイド氏」を、語りとダンスを交錯させて描く、瀬戸山美咲さんの上演台本をお二人はどう感じていらっしゃいますか?

湖月 最初に原作を、そのあと台本を読ませていただく、という手順を踏んだんですが、ジキルがアタスンに書いたすべてを打ち明けた手紙から、最後にアタスンがひとりジキルを思って語る、瀬戸山さんが書かれた語りの部分に本当にグッときたんです。この作品でお客様に伝えたいメッセージが詰まった、すごく素敵な台本です。先ほども言いましたが、やはりちえと二人でがっつりひとつのものを創りたいという夢、ずっと願っていたことが、こんなにも素晴らしい形で叶っていることに、日々ワクワクしています。

柚希 すべて私こそです!なのですが、やることが膨大にあるので、もう本当に大変ですが、この台本のなかでは語り手であるアタスンとジキル博士とが、お互いをすごく思いやっていることがとてもよく伝わってくるんです。私は宝塚時代、本当にわたるさん(湖月の愛称)に様々なことを教えていただいて、そこからいままで歩んできた、その色々な想いが、ジキルとアタスンの関係性に自然ににじみ出ていると思うので、そういう意味でも素晴らしい台本をいただきましたし、最高の企画に携わらせていただいているなと思います。

ダンスって演じることだ

──タイトルの『マイ フレンド ジキル』の意味が、最後に立ち上がる様に、台本からもゾクゾクしましたので、舞台ではどんな感動が待っているのか本当に楽しみですが、演劇×ダンスの融合というところで、ダンスについてはいかがですか?

湖月 益井悠紀子さんという、ロンドンで活躍されている方が振り付けをしてくださっているのですが、ずっとダンスは演じることだって思って取り組んできた私にとっては、まさしく自分が目指してきたところにガツッとハマるんです。ダンスで互いの関係性、愛を表現するので、もちろんハードルも高いですけれど、ちえと一緒に踊るシーンもいっぱいありますし、更に役柄を日替わりで交代もしますので、それによって変わるものも大きいですから、是非役替わりパターン両方をご覧いただきたいですし、いまの自分にできる最大限の表現をしたいなと思っています。

柚希 私はバレエからダンスをはじめたのですが、やっぱりバレエだけをやっていた時って、手足の角度やテクニックのことばかりをずっと追求していたんです。でもそこから宝塚に入って、わたるさんをはじめとする先輩方から、ダンスは心の表現なんだということを教えていただき、本当にダンスが好きになって。いまでもずっとダンスを好きでいられるのは、やっぱり心を表現できるからで、この舞台で踊ることはそのひとつの集大成だなとさえ感じているんです。そうした本当の意味でのダンスの楽しさを教えてくださったわたるさんと、二人だけでこの舞台ができるのは、まるで運命のような幸せな時間なので、その想いも込めてお客様にいいものをお届けできたらと思っています。

──お話を伺っていると、今回の作品が本当にお二人の関係性にリンクする部分があるんだなと感じますが。

湖月 私たちとリンクするというのはすごく感じていて、ちえのことは共に作品を創っていた宝塚時代ももちろんですし、わたしが退団し、やがてちえが星組のトップになり、更にちえの退団後のこれまでの活躍も、それこそちえのファンの方たちと一緒にわたしは見守り、応援してきたんです。そうしたなかで、やっぱり宝塚のトップという立場もそうですし、そこを飛び立って歩いていくなかでも、いま孤独を感じているんじゃないか?と思う瞬間が幾度もあったんですね。でも、この作品の最後に瀬戸山さんが書かれたひと言に、ちえとわたしのこれまでとこれからの関係性が集約できるなと思っているので、それをお客様にも届けられたらいいなと強く願っています。

柚希 もう胸がいっぱいなのですが、やっぱり私たちはずっと努力を欠かさずに歩き続けていらっしゃるわたるさんの背中を追って来ましたが、本当の意味でわたるさんが乗り越えられてきたものの大きさがわかったのは、やっぱり自分がその道を経験したときだったんです。宝塚のトップとしてわたるさんがどれほどのものを抱え、背負って、センターに立ち続けていらしたのか、その重さがわかったのは、自分がトップをさせていただいた時でした。それから、あれだけ大きな劇団に長くいたあとで、退団して自分ひとりで歩いていくなかで、どうしたらいいのかわからないこともいっぱいありましたし、いままさにおっしゃってくださいましたが、孤独を感じることもあったんです。でもそんな想いや大変さを、わたるさんは観ている私たちにはみじんも感じさせずに、わたるさんにしか歩めない道をひとりで切り拓いて、舞台に立ち続けていらしたんだなと。それがわかったのも、自分がひとりで歩きはじめた時だったので、まさにこの台本とのリンクを感じます。そうした尊敬や敬愛の想いもすべてこめて、この舞台には挑めるなと思っています。

──こちらもそれこそ胸がいっぱいになるお話ですが、そうした人にはうかがい知れないご苦労や、大変さを克服する為に意識されていることはありますか?

湖月 宝塚の時もでしたが、例えばお稽古場で煮詰まってしまっても、終わった後、みんなでご飯を食べながらざっくばらんに話しをしている時に、ふっとすごくいいアイデアが生まれたりするので、やっぱり仲間と稽古場を離れて語り合う時間が、悩みから抜け出せる近道かなと思います。あとは食べて寝る!ということがまず根本として大切ですよね。

柚希 私も寝まくります。もう12時間ぐらい寝たらなんか大丈夫なような気持ちになっているから(笑)。

湖月 12時間って、ななかなかそこまで寝続けられなくない?

柚希 わたし普段でもいつも10時間は寝ているので。

湖月 そうなの?それがちえの元気の秘訣か~

柚希 わたるさんも寝た方がいいです!あれだけの舞台を務めていらっしゃるんだから!

湖月 うん、やってみるね。

二人だからこそ創り上げていける舞台

──せっかくの機会ですので、お互いのここが魅力だなと感じていらっしゃるところを教えて下さい。

湖月 ちえはそれこそ小さい時からバレエを本格的にやっていてダンス力がある上に、歌声も力強いし、お芝居も大好きという逸材なのに、なかなか自分にオーケーを出さないんですよ。その自分自身に挑んでいる姿にすごく感動します。それは舞台を拝見するたびに感じていて、ミュージカル『マタ・ハリ』も7年前の初演、4年前の再演、そして今年と上演の度に拝見していますが、今年の舞台がそれは素晴らしかったんです。きっとお客様もそう感じていらっしゃるだろうなというのが、皆様の熱量から伝わりましたし、作品としての充実度もですけれども、私は個人的にずっとちえを応援してきて、ちえが本当に舞台にダイブして、マタ・ハリとして生きている姿に感動しました。最後の場面で、これまでと同じように「今夜の客席はどう」と訊いて「大入り満員です」との答えに「いいわね、素敵」って言うでしょう?

柚希 はい。

湖月 その台詞にマタ・ハリの人生がすべて凝縮されていると感じられて、いまこうやって思い出しても涙が出て来ちゃうんだけど、わたしもグッときて、なんて素敵な女優さんなんだろうって。

柚希 うわー、そんな風に言っていただけるなんて……

湖月 「よくぞここまで」と思ったくらい、ひと言の台詞に集約されているものに、わたしからすると親心と言いますか、ちえの成長と、やっぱりここまで色々な壁にもぶつかりながら戦ってきたことを、舞台の神様がちゃんと見てくれていて、お客様に感動という形で届けてくれるんだなと、ちえのことをすごく誇りに思いましたね。

柚希 どうしようと思うくらい嬉しいです。これまでずっと育てていただいて、見守り続けてくださったわたるさんから、こんな言葉をいただけるのって、嬉し過ぎて…(涙ぐみながら)本当に大変な時、どうしたらいいのかわからない時にも、相談に乗ってくださって、ずっと一緒にいてくださっている方なので、本格的に嬉しいです。

湖月 本格的って、ここで使う?(二人で泣き笑いになる)

柚希 わたしは舞台って本当に何もかも丸裸になるものだと思うんです。どれだけ綺麗にメイクをして、どれだけ美しい衣装を着ても、その人がどのようにしてこの舞台に挑んだのかのすべてがお客様に見える。その挑み方、舞台に立つに心意気、気配り全てにおいて、わたるさんの姿勢には感動するんです。例えばディナーショーをなさっても、スタッフさん、お客様、関わられるすべてに愛が溢れているんですよ。細かく言うとお食事の価格設定にまで!

湖月 それは本当に細かいよ?(笑)

柚希 でもそうなんです!そういう全てのことにおいて、お客様のことを考えて、決して驕ることなく真摯に舞台に向き合い、お客様に向き合っていらっしゃる。そうしてずーっと前を歩き続けている先輩を見ていられる幸せを感じています。

──今回先ほどからお話に出ていますが、ジキルとハイド、語り手のアタスンをお二人で役替わりもなさるということも含めて、最後に公演への意気込みとお客様へのメッセージをお願いします。

湖月 わたしたち二人だからこそ、創り上げていける舞台だと思っています。お互いに役を入れ替えることも含めて、先輩後輩としてではなく、同じ役に挑む者同士として、さっきちえが言ったように、心を丸裸にして、助け合って舞台に臨みますので、是非楽しみに観にいらして下さい。

柚希 どちらの役も共に創っていますので、自分がジキルとハイドの時、またアタスンの時それぞれで、わたるさんはこう入ってこられる、ということを理解しながら読み踊っているので、本当に二人で創る作品ならではだ、と感じています。是非両方のパターンをご覧いただきたいです。劇場でお待ちしております!

公演情報

ダンス×演劇『マイ フレンド ジキル』

上演台本・演出◇瀬戸山美咲
音楽◇jin tanaka(back drop bomb)、飛田雅弘、GOTH-TRAD
音楽プロデュース◇坂井田裕紀 
振付◇益井悠紀子
出演◇湖月わたる 柚希礼音
ギター◇jin tanaka(back drop bomb) 飛田雅弘

●12/16~22◎東京・よみうり大手町ホール
12/17 18時公演 12/19 14時公演
湖月わたる 柚希礼音 瀬戸山美咲 アフタートークショー開催

●12/27~29◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
12/28 17時公演
湖月わたる 柚希礼音 瀬戸山美咲 アフタートークショー開催

〈料金〉全席指定 12,500円(税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場:0570-077-039(10時~13時、14時~18時)
〈公式サイト〉 https://myfriendjekyll2025.com/

スペシャルイベント情報

東京公演初日 12/16 18時公演 客席から撮影可能のスペシャルカーテンコール実施。

【注意事項】
※動画撮影や録音等は禁止。撮影機材はスマートフォンか、それに準じるサイズの機器限定。
※会場内にて「撮影OK」告知表示時間のみ撮影可能。
※撮影は、自席位置に座っての状態のみ。
※フラッシュ撮影禁止。

大阪公演 12/27 17時公演
湖月わたる、柚希礼音の未公開ツーショット写真を来場者全員プレゼント。