劇作家・演出家・俳優の楢原拓が主宰するチャリT企画が、新作『ブン/ダン』を、5月20日〜24日に新宿シアタートップスで上演する。
チャリT企画は、早稲田大学演劇研究会に在籍していた楢原拓を中心に、1998年、同研究会のアンサンブル(内部劇団)として旗揚げした。2004年に独立し、近年は主宰・楢原が書き下ろす群像喜劇を中心に上演している。結成当初から一貫しているのは、鋭い人間観察とシニカルな社会批評の視線で、時事ネタや社会問題などのシリアスな題材を、独特なセンスで軽妙に笑い飛ばす風刺と批評性に富んだその希有なスタイルは「ふざけた社会派」として小劇場の中でもひときわ異彩を放っている。

「センソーハンタイ!」はハラスメント!?
反戦、愛国心、陰謀論、排外主義、SNS、監視、同調圧力――。
現代日本に漂う不穏な空気を、とあるシェアハウスを舞台に描く最新作は、「センソーハンタイ!」を叫べば、「センハラですよ!」と訴えられる世界。
“正しさ”がぶつかり合い、“空気”が人を監視し始める時代に、私たちは誰を疑い、誰を信じるのか。
作・演出は楢原拓は手がけ、出演はチャリT企画メンバーの阿比留丈智、埴生雅人、市原一平、本宮真緒に加え、客演として本井博之、山本陽子、小林まり枝、徳倉マドカ(アマヤドリ)、志賀耕太郎が集結。
笑いと不穏さが交錯する、ふざけた社会派・チャリT企画ならではのブラックコメディ!
作・演出 楢原拓(chari-T)からのメッセージ

毎度、時事ネタや社会問題を題材に、それらを笑い飛ばす作品を発表し続けて28年。今回は、40回目の節目となる本公演です。
題材として選んだのは、タイトルからお気づきの方もいらっしゃると思いますが、「分断」です。
安全保障、外国人問題、憲法改正――日本社会では様々な価値観が対立して、分断が起きている状態だと思います。(それは世界中で起こっていることでもありますが)
本作では、そんな“分断”を、とあるシェアハウスを舞台に、住人たちの小さな亀裂や対立を通して、面白おかしく、そして少し不穏に描きました。
「戦争反対」を唱えれば、「ハラスメントだ!」と訴えられる世界。
「国旗損壊罪」や「スパイ防止法」といった、いままさに議論されている今日的な話題も盛り込みながら、“空気”によって追い詰められていく人々の姿を、ブラックコメディとしてお届けします。
ご来場お待ちしております。

<あらすじ>
舞台は都内のシェアハウス「テラダハウス」。
そこでは、ライブの告知や地域イベントのチラシと並んで、反戦デモのビラや政治的なイラストが共有掲示板に貼られていた。
しかし、住民の中にはそれを快く思わない者もいて、住人たちの間に微妙な亀裂が生まれていた。
そんな中、イスラエル大使館で爆弾テロが発生。さらに「外国の代理人が日本を内部から壊そうとしている」という噂が広まり、住人たちは互いを疑い始める。
“この中にスパイがいるのではないか”
“反戦を訴える人間こそ危険なんじゃないか”
何気ない違和感はやがて疑念となり、疑念は分断へ。
平凡だった共同生活は、静かに、しかし確実に壊れ始める――。





