オペラシアターこんにゃく座は、創立55周年記念公演第一弾として、9月17日〜20日に新国立劇場 小劇場にて、林光の幻の名作『べっかんこ鬼』を40年ぶりに上演する。

オペラ『べっかんこ鬼』は、原作・台本を児童文学作家・劇作家のさねとうあきら、作曲は長年こんにゃく座の芸術監督兼座付作曲家をつとめた林光。1979年に初演され、その後、演出を変えながら1986年まで全国で旅公演を行い、こんにゃく座初期の名作として知られる。
物語は「べっかんこ鬼」と呼ばれる心やさしい鬼を主人公に、愛と差別という人間の心にある根源的な感情を浮き彫りにするもので、理解できない相手に対する容赦のない攻撃が加速するこの時代だからこそ、他者との共生について改めて問いかける。
今回はこんにゃく座の歌役者で、数々のオペラ演出も手がける大石哲史の新演出により、「お組」「に組」のダブルキャストで上演する。鬼にさらわれる盲目の少女を演じる2人の座員からのメッセージが到着した。

【お組】の「ゆき」を演じる鈴木裕加です。
『べっかんこ鬼』のお話はとても切なく、そこに林光さんの音楽が美しく激しく描かれているので、創作民話とあなどっているときっと驚いてしまいますよ。
目が見えず辛い思いをしてる「ゆき」にたっぷりの愛情を注いでくれたのは、なんと鬼。心を通わせた2人の暮らしぶりは幸せそのものなのですが、幸せであればあるほど、、、
続きは是非とも劇場に見にいらして下さい。お待ちしています!

【に組】で「ゆき」を務めます、高岡由季と申します。
本作の魅力はなんといっても、40年以上前に初演されたとは思えない、今キラキラと輝く言葉たちと音楽!ときにコミカルにドラマチックに、美しい音楽が言葉を包み、巻き上げ、私たち歌役者と楽士がそれを「言葉よりも音楽よりもすごいモノ」に変えて皆様の心の奥に届けます。乞うご期待!!
《物語》
その鬼は心優しく不器用です。「あっかんべぇ」をしたときのような顔をしているので、べっかんこ鬼と呼ばれ、山の墓守りをしています。おっとりとした性格で厳しい自然の摂理の担い手としては役立たずでやっかいものの「鬼」。鬼は、母の墓参りに来た盲目の娘ゆきが、里に帰りたくないとつぶやくのを聞き、思わずさらってしまいます。さらわれた娘「ゆき」は生まれつき目が見えず村のこどもたちからいじめられて苦しんでいました。突然の出来事に、はじめは鬼を憎むゆきでしたが、次第に鬼のやさしさに心を開き、ふたりは夫婦となります。一方、娘を鬼に取られた猟師の父は、たったひとりの娘を鬼から取り返すべく、復讐の心を燃やし、生業の必需品である鉄砲を担いで山にこもります。心と心が交差するところに浮かび上がるものとは・・・。






