
フリードリヒ・フォン・シラーの原作、上演台本・演出:中原和樹、 貴城けい・田野聖子の出演で送る『マリア・シュトゥアルト』が11月に上演されることが決まった。
スコットランドの元女王マリア・ステュアートと、イングランドの女王エリザベス1世。 史実では一度も会うことのなかった二人の女王を、シラーは戯曲の中で対面させた。今回は最大の挑戦として、二人の女優による「役の交換」を行う。
前半、貴城けいは処刑を待つ囚われの女王マリア・シュトゥアルトを、田野聖子は玉座に君臨する エリザベス一世を生きる。だが、史実には存在しなかった二人の女王の「対面」を境に、舞台は反転する。後半、貴城は王冠の孤独を抱えるエリザベスを、田野は死へと歩むことで自由を得るマリアを演じ直す──勝者と敗者、権力と信仰、ひとつの運命の表と裏を、二人がその身体で入れ替わりながら 照らし出すのだ。
一人の女優が一夜のうちに二人の女王を生きること。それは技術ではなく、覚悟の問題である。気品と熱を併せ持つ貴城けいと、緻密な言葉の芝居で客席を掴む田野聖子。この二人だからこそ成立する危うい賭けに注目したい。
それぞれの女王を導き、操り、時に観客をも巻き込む語り手には、豊原功補・堀部圭亮(Wキャスト)、また道化役として舟木健がそこに交わる。
200年の時を超えて、新たな『マリア・シュトゥアルト』が甦る。
【STORY】
舞台に現れるのは、二人の女優、語り手、そして道化。
開演前、語り手は観客に語りかける。
自分はこの物語の「操り手」であり「演出家」であると。
けれど、女王たちを操るのは自分ひとりではない──世間であり、社会であり、
「皆さんも、入っています」。
スコットランドの元女王マリア・ステュアートは、イングランドに逃れた末、
女王エリザベス1世の命により、19年もの間幽閉されている。
エリザベス暗殺計画への関与を問われ、死刑判決を受けたマリア。
その命は、エリザベスの署名ひとつに委ねられていた。
同じ島に生きる、二人の女王。
正統な血筋と美貌を持ちながら全てを失ったマリアと、
玉座に在りながら、その正統性への不安に苛まれ続けるエリザベス。
互いの存在そのものが、互いを脅かす。
そしてフォザリンゲイ城の庭園で、史実にはない「対面」が訪れる。
誇りを懸けてぶつかり合う二人の女王 ── その瞬間を境に、二人の女優は役を入れ替える。
囚われていた者が裁く側に、裁いていた者が囚われる側に。
処刑台へ向かうマリアは、罪を告白し、魂の自由を手にする。
玉座に残されたエリザベスは、勝者でありながら、たったひとり取り残される。
地上の勝者と、精神の勝者。
王冠はひとつ。
けれど、本当に戴冠していたのは、どちらの女王だったのか ── 。
【公演情報】
『マリア・シュトゥアルト』
原作:フリードリヒ・フォン・シラー
上演台本・演出:中原和樹
出演:貴城けい/田野聖子
舟木 健
豊原功補・堀部圭亮(Wキャスト)
●10/28〜11/10◎IMAホール(東京・光が丘)
〈公式サイト〉https://m-s-stage.com
〈公式X〉@mari_eliza_st



