加藤健一・竹下景子・小笠原響の活力源は?
あなたの活力源は?
加藤健一 なんでも遊びに結びつけることですね。仕事と遊びは意外と近いところがあるので、仕事だと思わずなんでも遊びに変えて生きることが大事なんです。あそこまで行ってこいと言われたとき、仕事だと思うと遠いけど、道端の花を眺めたり遊びながら行けば楽しいわけで、だから、今日も稽古かと思わず、今日も遊べるなと思えばいいので。まあ、僕の場合は芝居は遊びですから、芝居以外のことでも遊べるようになりたいということです。
竹下景子 犬です。広島の山で生まれて保護された子なのですけど、思った以上にいわゆるペット犬とは違うことが沢山あります。うちに来てからまだ10か月くらいなんですが、家の中で育っていないので、その子にとっては家の中にいることに馴染めないようです。なかなか馴れなくて、まだ呼んでも来ないんですけど、散歩に行くよ!と言うと、すごく喜んで尻尾をパタパタするようになったので、これは進歩だなと(笑)。朝と晩に必ず一緒に散歩へ行って、加藤さんではないですけど、「花が咲いたね」とか「月が綺麗だね」とか話しかけてます(笑)。やはり生きものと一緒に過ごすことが一番のリフレッシュになっています。
小笠原響 朝ご飯に玄米を食べるようにしているんです。母が健康に注意する人で小さいころはいつも玄米を食べていたんです。演劇をやっていると不規則になるので玄米にしたら、腹持ちもいいし美味しいし気に入ってます。それと、僕はフリーの演出家なので、毎回初めての方とお会いするのですが、やっぱり最初はドキドキするんです。でもそのドキドキが活力になる。だから出会いの瞬間も活力源です。
プロフィール
かとうけんいち○静岡県出身。1968年に劇団俳優小劇場の養成所に入所。卒業後は、つかこうへい事務所の作品に多数客演。1980年、一人芝居『審判』上演のため加藤健一事務所を設立。その後は、英米の翻訳戯曲を中心に次々と作品を発表。紀伊國屋演劇賞個人賞(82、94年)、文化庁芸術祭賞(88、90、94、01年)、第9回読売演劇大賞優秀演出家賞(02年)、第11回読売演劇大賞優秀男優賞(04年)、第38回菊田一夫演劇賞、他演劇賞多数受賞。07年、紫綬褒章受章。第70回毎日映画コンクール男優助演賞受賞(16年)。22年、『サンシャイン・ボーイズ』『スカラムーシュ・ジョーンズor(あるいは)七つの白い仮面』の演技にて、第64回毎日芸術賞を受賞した。
たけしたけいこ○愛知県出身。東京女子大学文理学部社会学科卒業。NHK『中学生群像』出演を経て、1973年NHK銀河テレビ小説『波の塔』で本格的デビュー。映画『男はつらいよ』のマドンナ役を3度務め、『学校』では第17回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、07年の舞台『朝焼けのマンハッタン』『海と日傘』で第42回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。芸能活動の一方、05年日本国際博覧会「愛・地球博」日本館総館長をはじめ、国連WFP協会親善大使ワクチン大使など幅広く活動している。
おがさわらきょう○東京生まれ。立教大学文学部英米文学科卒。俳優座、文学座、木冬社、木山事務所などで演出の研鑽を積む。2008年、Pカンパニー旗揚げに参加。同劇団公演を中心に演出活動を広げ、現在はフリーの演出家として多数の公演に携わる。18年、『白い花を隠す』、『屠殺人ブッチャー』で第25回読売演劇大賞 優秀演出家賞を受賞。最近の演出作品に、劇団俳優座『反応工程』、Pカンパニー『拝啓、衆議院議長様』、劇団昴『The Weir─堰─』、俳優座劇場プロデュース『聖なる炎』等。劇団俳優座『正義の人々』、名取事務所公演 現代韓国演劇上演『そんなに驚くな』で紀伊國屋演劇賞 団体賞受賞に2年続けて貢献した。
公演情報
加藤健一事務所 vol.115
『ジン・ゲーム』-THE GIN GAME by D.L. Coburn-
作:D.L.コバーン
訳:吉原豊司
演出:小笠原響
出演:加藤健一 竹下景子
●6/29~7/9◎下北沢・本多劇場
〈料金〉前売5,500円 当日6,050 円 高校生以下2,750円[学生証提示・当日のみ] (全席指定・税込)
〈一般発売日〉5月14日(日)~
〈お問い合わせ〉加藤健一事務所 03-3557-0789
〈公式サイト〉http://katoken.la.coocan.jp/
【構成・文/榊原和子 撮影/中村嘉昭】