KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト 第二弾『箱根山の美女と野獣』『三浦半島の人魚姫』開幕!

作・演出・長塚圭史による県内巡演プロジェクト第二弾『箱根山の美女と野獣』『三浦半島の人魚姫』がKAAT神奈川芸術劇場にて2月3日に開幕した。(12日まで。その後、神奈川県内 5 都市、座間、川崎、小田原、逗子、茅ヶ崎)を巡演)

今回の作品は、神奈川県にひっそり棲まうという野獣と人魚の秘密に迫るもので、世界の名作が奇想天外に生まれ変わる豪華2本立てとなっている。

長塚圭史が、KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督に就任初年度の2022年2月~3月に上演したKAATカナガワ・ツアー・プロジェクト 第一弾『冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』では、アジアが生んだエンターテイメント、古典中の古典『西遊記』の登場人物たちが、時空を超えて神奈川県内の伝説や昔話の世界に迷い込む冒険譚を上演した。
初めて芝居を観る方にも気軽に楽しんで頂きたい、という思いから、長塚が“軽演劇”仕立てで書き下ろし。KAATでの上演後、川崎・相模原・小田原・横須賀の4か所を巡演し(大和・厚木公演は新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されたため中止)、県民はもちろん、県外の観客にも好評を博した。

第二弾は、世界中で親しまれている「美女と野獣」「人魚姫」、二つの物語の舞台を神奈川県に移し、神奈川県内各地域の伝説やエピソードを盛り込んで書き下ろすオリジナル作品。“演劇はちょっと敷居が高いかも”と思っているお客さまにも、観劇体験の入り口にしていただけるような、気楽な娯楽作品に生まれ変わる。シーズンタイトル「貌」をテーマに、「美女と野獣」「人魚姫」というファンタジックな物語から、美とは何か、大切なものは何かを浮かび上がらせる。

音楽を担当するのは、NHK連続テレビ小説「らんまん」の他、KAATでも『夢の劇-ドリーム・プレイ-』(2016年)、『星の王子さま―サン=テグジュペリからの手紙―』(20年、23年)で音楽を手掛けた阿部海太郎。長塚とも、これまで複数の作品で協同作業を行ってきた。振付は、バットシェバ舞踊団在籍後世界各国で数々の賞を受賞、2022年にはカルチャーセンター「beq」を熊本にオープンし、文化や芸術をカジュアルに楽しめる場づくりを目指して活動中の柿崎麻莉子が務める。柿崎は、本企画の趣旨に賛同し、昨年、厚木、小田原、相模原、茅ヶ崎の各地域と連携し、メインファシリテーターとして各地域の小学校で身体を使った公演関連ワークショップを15回実施した。

長塚と柿崎は出演者にも名を連ね、さらにKAATカナガワ・ツアー・プロジェクト 第一弾『冒険者たち ~JOURNEY TO THE WEST~』で孫悟空や白輪園長を演じ、県内各地の客席で笑いを巻き起こした菅原永二が再登場。また、ダンス集団TABATHAのメンバーとして活動しながら国内外の作品に出演する四戸由香は、柿崎とともに身体を用いて作品の魅力を広げる。さらに、数々の舞台に出演し、昨年はドラマ「エルピス -希望、あるいは災い-」での演技が話題を呼んだ片岡正二郎が出演。音楽活動も行う片岡の役どころにも注目したい。

《あらすじ》

『箱根山の美女と野獣』
箱根山神山に棲まう恐ろしいヘビの元へ、人質として送られたヤネコ。
ヘビは美しく裕福な天稚彦へと身を転じるも、ヤネコは目もくれず慎ましやかな生活を願う。
ヤネコに認めてもらおうと、天稚彦はヤネコの家族を招くことを許すが…。

『三浦半島の人魚姫』
相模原市で洋食店を営む幸福な夫婦。目まぐるしくも踊るような日々の中、妻・瑠璃がいなくなってしまう。
夫・厚志は途方に暮れる。夜の江の島で出会った爬虫類専門の男に、瑠璃は、最近目撃情報が多発している「人魚」を探していると告白する。

【初日コメント】
長塚圭史[作・演出・出演]
KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト第二弾が開幕しました。このプロジェクトは舞台芸術に触れる愉しみをより身近に感じてもらおうと、神奈川県の劇場として県民の皆様にも気軽にご覧頂ける県域を舞台にした軽演劇を生み出し、さらに KAAT を皮切りに県内ツアーもしようじゃないかという企画です。今回はなんと二本立て。神奈川県は海あり山あり見所が満載だよねということで、海と山にぐんと焦点を当て、西洋の名作と掛け合わせてみました。軽演劇と言っても、第一弾でも大活躍の俳優・菅原永二さんを中心とした県域ネタ満載の台詞劇というだけでなく、音楽は NHK 連続テレビ小説「らんまん」を手掛けた阿部海太郎さん、演奏はトウヤマタケオさん、振付、出演には舞踊家の柿崎麻莉子さんなど、各分野のエキスパートが集まり、演劇と音楽と踊りが実にゆるやかに共存します。今回も毒っ気は健在ですが、このシリーズは本当にゆるやかです。なので神奈川県民の皆さまはもちろん、劇場を愛する皆さまにも、こんなゆるさも好きかもしれないとお楽しみ頂けるのではないかと思います。KAAT だけではなく県内五ヶ所の劇場でも上演しております。肩の力を抜いて、のんびりと、ご来場頂けたら幸いです。ゆったりお待ちしております。

【公演情報】
KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト 第二弾 『箱根山の美女と野獣』『三浦半島の人魚姫』
作・演出:長塚圭史
音楽:阿部海太郎
振付:柿崎麻莉子
出演:菅原永二 柿崎麻莉子 四戸由香 長塚圭史 片岡正二郎
演奏:トウヤマタケオ
●2/3~12◎KAAT 神奈川芸術劇場<中スタジオ>
〈お問い合わせ〉 チケットかながわ 0570-015-415(10:00‐18:00/年末年始除く)
https://www.kaat.jp
〈公式サイト〉 https://www.kaat.jp/d/tour_project2023
他、神奈川県内 5 都市(座間、川崎、小田原、逗子、茅ヶ崎)を巡演
 
舞台写真/宮川舞子

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