ほろびて『センの夢見る』公演詳細&チラシビジュアル公開!

宣伝美術:酒井博子(coton design)

 
劇作家・演出家の細川洋平の作品を上演する演劇カンパニーほろびては、新作『センの夢見る』を、2024年2月2日~8日、東京芸術劇場 シアターイーストにて上演する。

本公演は、東京芸術劇場が次世代の演劇界を牽引する若い才能として注目する団体をラインナップする「芸劇eyes」の参加作品であると同時に、ほろびてにとって同劇場での初上演作品でもある。

ほろびては、2010年に劇作家・ 演出家・俳優の細川洋平を中心に立ち上がった演劇カンパニーで、分断や差別、戦争、難民問題、ヤングケアラー、人の暴力性など、「今、上演するのにふさわしい」題材やその描き方を徹底的に探求し、同時代的な作品を発表してきた。

現代の複雑な社会問題を、具体的にそうとは明示しないにも関わらず、観る者には確実に想起させる仕掛けを施すことで核心を鋭く描き出すことを得意とし、芸術において社会的なテーマを取り扱うことに偏見がある日本の芸術界において、社会問題に正面から向き合う稀有な団体の一つという評価も得ている。

そんなほろびてが今回、新作の題材として取り上げるのは「夢見る人々」。出演者には、小劇場を中心に活躍する浅井浩介、安藤真理、大石継太、生越千晴、佐藤真弓、藤代太一、油井文寧の7名を迎える。
さらに、2.5次元ミュージカルから彩の国シェイクスピア・シリーズまでジャンルを幅広く手がける秋山光洋(舞台美術)や、2020年に日本照明家協会新人賞を受賞した富山貴之(照明)など、スタッフチームにも経験豊富な面々が揃っている。
“夢見る人々を、外側から見る”ことに興味を持つ細川が、実力派キャスト・スタッフ陣と共に、昨今の激動の社会情勢を背景に描き出すものとは──。

なお、今回の新作上演に先駆け、本年12月、本公演と同じ出演者を迎えたワーク・イン・プログレス形式のリーディング公演を実施する。リーディング公演の演出家は現在公募を行なっており(9月25日(月)10:00締切)、通常は作・演出を細川が行う「ほろびて」の作品を、途中で一時的に他の演出家に手渡すことにより、作品に客観的な視点を加え、より強度の高い作品作りを目指す。

【コメント】
細川洋平 

戯れは夢の中。
「それじゃ、そこまでいきましょう。
まだ目のさめないうちに」

家は、大きな川に面した場所にあった。そこの住人は当然、目の前の川がなくなるまでを知っている。川がなくなってからの日々も、よく知っている。せせらぎの音が心地よかった、その記憶はときどき鼓膜をふるわせた。カメラを自分に向けた見知らぬ人がやってきて、レンズに向かい熱心に語りかけている。家から出てきた人が、カメラたちには気づかないまま、いまはもうない川の流れに目をやった。うれしそうに、目をやった。ごほっごほっと、おもくるしい咳が響く。いや。すべてはもっとささやかにあった。ささやかに、目の前だけを見ていた。その場所にはありったけの、夢があった。

夢や、夢見る人々を描こうと思います。夢には時間軸が存在します。達成される前と達成された/されなかった後。むろんそれを見ているのは外側の人間です。つまり、夢見る人々を、外側から見るという行為が今、とても興味深いと感じています。それはきっと、夢を見ていたのに、現実を見ざるをえなくなった人を見ることにもなるのではないでしょうか。つまり演劇で繰り返し行われてきたことを、演劇を通して、描こうと思います。とても小さくてシンプルな演劇になるんだと思います。どうかお付き合いください。

【公演情報】
ほろびて『センの夢見る』
作・演出:細川洋平
出演:浅井浩介 安藤真理 大石継太 生越千晴 佐藤真弓 藤代太一 油井文寧
●2024/2/2〜8◎東京芸術劇場 シアターイースト 
〈料金〉一般4,500円 U25:3,000円  U18:1,000円(整理番号付自由席・税込・未就学児童入場不可)
初日割4,000円(2月2日(金) 19:00の回)
前半割4,300円(2月3日(土) 13:00の回、2月4日(日) 13:00の回)
※U25、U18は公演当日要年齢証明書 
〈一般発売日〉11月11日(土)10:00
〈お問い合わせ〉東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296(ナビダイヤル)
  Web:https://www.geigeki.jp/ti/ *24時間受付(メンテナンスの時間を除く)
〈ほろびて公演サイト〉https://horobite.com/play/sen_no_yume/
 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!