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情報☆キック
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宝塚歌劇星組公演『RRR×TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~』『VIOLETOPIA』礼真琴&舞空瞳 囲み取材レポート

礼真琴、舞空瞳率いる宝塚歌劇星組公演『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』、レビュー・シンドローム『VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)』が、2月23日、日比谷の東京宝塚劇場で開幕した(4月6日まで)。

『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~』は、2022年に全世界で公開され、大ヒットとなった映画「RRR」を基に、脚本・演出の谷貴矢が宝塚版として舞台化した作品。1920年イギリス植民地時代のインドを舞台に、独立運動の闘士として活動した実在の人物だが、生涯相まみえることはなかったA・ラーマ・ラージュとコムラム・ビームが、もし出会っていたら、という発想で描かれた映画から、宝塚版では更にコムラム・ビームを主人公に据え、ビーム視点でドラマが進んでいく。√Bheemとしてのドラマ性と、華麗なダンスやアクションに彩られたスピーディな作品となっている。

またレビュー・シンドローム『VIOLETOPIA』は、「場所・郷」を表す「TOPIA(トピア)」に、団歌以上の認知度を誇る、宝塚歌劇の代表曲ともなっている「すみれの花咲くころ」の「Violette(スミレ)」を掛け合わせて、時代や国を超えて輝く「劇場」の光と闇を描く作品。作・演出家指田珠子の宝塚大劇場&東京宝塚劇場デビュー作らしい、個性に溢れた意欲作だ。

そんな2作品を擁した公演の初日を控えた2月22日、通し舞台稽古のあと囲み取材が行われ、星組トップコンビ礼真琴と舞空瞳が、公演への抱負を語った。

【囲み取材】

礼 宝塚大劇場公演を終えて、無事東京宝塚劇場にやって参りまして、いま、まさにいま通し舞台稽古を終えることができました。明日から本番がはじまりますけれども、東京で楽しみにお待ちいただいているお客様に、この『RRR』と『VIOLETOPIA』を楽しんでいただけるように、全員で心をひとつに頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

舞空 東京にやって参りまして、宝塚から更に、更に、礼さんを中心に星組一丸となって、よりよい舞台を創っていけるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。

──盛りだくさんの2作品ですが、それぞれの見どころをお願いします。

礼 お芝居は映画をご覧になった方はおわかりになると思いますが、全ての場面がクライマックスで、全ての場面が見どころという映画なので、私たちもそれを目指しています。やはり登場人物それぞれに生きる意味があり、守りたいものがあって、その人間模様を色濃く描けていけたらいいなと思いますし、そこに皆様が共感して感動していただけたらと思います。『VIOLETOPIA』に関してはこれもまた不思議な世界観で、見どころと致しましては捉え方がお客様の自由、というところでしょうか。色々な解釈ができる場面がたくさんあるので、こういう意図だということにとらわれずに、ご覧になったお客様お一人おひとりが、感じたままの解釈で良いというショーなので、そこを楽しんでいただけたらと思います。

舞空 お芝居は礼さんもおっしゃいましたように、映画からの作品なので挑戦することがとても多く、礼さんと暁(千星)さんがずっと出ずっぱりで、友情を濃く描かれているところに、一緒に出演していてもすごく心を動かされますし、そのエネルギーを感じながらお届けしたいなと思います。ショーは舞台セットや衣装にも指田先生のこだわりが詰まったところがたくさんあると思うので、各場面、すみません、どこと言えないのですが、全てを楽しんでいただけたら嬉しいです。

──お二人の役どころの関係性に新鮮なものがありますが。

礼 そうですね。

──演じる上で大切にしていらっしゃるところは?

礼 ビームはやはりイギリス側とインド側が対立しているなかで、更にゴーンド族という森で育った野性的な部分を出していけたらいいなと思います。映画で大活躍だった動物たちが今回(の舞台で)は出せないので、なんとか自分たちで獣感を出せないか(会場笑い)というところを目指しております。最終決戦の私が長い槍を持ち、ラーマが大きな弓矢を持って闘うところは、見栄を切る連続の場面になっておりますので、皆様が凄すぎて笑ってしまう(笑)くらいに盛り上げていきたいと思います。ビームという人はひたすら優しくて、家族を思い、仲間を大事にする、そういう中で(舞空演じる)ジェニーと出会うことで、国を越えたつながりみたいなものを初めて知っていき、より人との関係をもっと広く、大きく、深いものにしていきたいと思う、本当に愛に溢れた男性だなと自分で演じていても思います。

舞空 今回インドとイギリスと二つの国が大きなテーマになっていると思うので、イギリス人女性のなかでも、ビームに出会って私(ジェニー)自身も変化していけるように、そこを大切に演じたいなと思っています。「コムラム・ビーム」の場面にジェニーも一番影響を受けると思うんです。本当にすごい場面じゃないですか。歌いながら鞭打たれているなかでの雰囲気や迫力に、毎回すごく心を動かされます。星組をずっと引っ張ってくださっている礼さんとも重なるくらいなので、そこを特に大切に演じたいです。

──『VIOLETOPIA』は全てが見どころということですが、お二人がお互いに好きな場面をあげていただくとすると?

礼 たくさんあるのですが、中詰めで私が出てくる前に、全員が出ているところでの星組パッション、「娘役代表ですよ!」と銀橋を駆け抜けていき、英語で歌って、踊っているので、そこが見どころだと思います。

舞空 頑張ります!全部なんですけれど、やはり「孤独」の場面で礼さんがお一人で、舞台で踊られるところが、言葉にできないくらい…

礼 してください~(笑)

舞空 はい!本当に引き込まれる、あれは礼さんにしかできない、礼さんだからこそ惹きつけられる場面だなと思います。

──お芝居のナートゥダンスがあまりの迫力でびっくりしたのですが…

礼 私もびっくりしました(笑)。

──普段宝塚ではなかなかされないダンスだと思いますが、実際に踊られていかがですか?

礼 「ナートゥダンス」は『RRR』の代名詞ということで、『RRR』という言葉よりも「ナートゥ」という言葉の方が先に耳に入った方も多くいらっしゃると思います。やはり皆様それだけの期待を持って観に来てくださるので、本家の方々には敵わなくても、女性だけでやる意味のある、宝塚歌劇でやるからこその華やかさとキラキラ感をナートゥに盛り込んでと。前々回の公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』の時にジョージアダンスにも挑戦させていただいていて、そこで学んだことが少しずつ、皆で揃える力だったり、気であったりというところが生きてきているのかなと思っていて。ありちゃん(暁の愛称)とも「ジョージアダンスやっておいて良かったね」と言ってお稽古に挑みました。千穐楽まで膝が取れないように(笑)頑張りたいと思います。

舞空 観ていたものとやらせていただくのとでは本当に違って大変で、でも礼さんが一番大変だと思います。娘役もあの場面はサリーの生地を使ったドレスで踊らせていただいているので、お衣装なども美しく見えるように、優雅さも込めながら表現できたらいいなと思っています。

世界中で大ヒットとなった映画を基にした知名度の高い作品だけに、会見場も大変な熱気に包まれていたが、記者の質問に一つひとつ相槌を打ちながら、礼が当意即妙に答える示唆に富んだ言葉の数々にクレバーさが感じられる。しかも自分だけでなく、舞空にもきちんと答えを促し、言葉にならないという舞空に「(言葉に)してください~」とややおどけながらも訴えて会見を盛り上げるなど、むしろ礼が場を回してくれる力量に感心するばかり。実力派コンビの息もますます合い、ここから続く熱い公演に期待が高まる時間時間だった。

追って公演レビューも掲載予定です。どうぞお楽しみに!

【公演情報】
宝塚歌劇星組公演
『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』
Based on SS Rajamouli’s ‘RRR’.
脚本・演出◇谷 貴矢
レビュー・シンドローム『VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)』
作・演出◇指田 珠子
出演◇礼真琴 舞空瞳 ほか星組
●2/23~4/6◎東京宝塚劇場 
〈お問い合わせ〉宝塚歌劇インフォメーションセンター[東京宝塚劇場]0570-00-5100
〈公式サイト〉https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2024/rrr/info.html

【東京公演千秋楽 ライブ中継・ライブ配信情報】
★全国映画館でのライブ中継
●2024年2月11日(日・祝)13:30公演[千秋楽]
■販売期間:
【先行抽選販売】1月6日(土)11:00~1月16日(火)12:00
【一般発売(先着順)】2月3日(土)11:00~2月9日(金)12:00
〈詳細〉LIVE VIEWING JAPAN https://liveviewing.jp/boileddoyleonthetoiltrail-tokyo
★ライブ配信
■日時:4月6日(土)13:30公演
■販売期間:3月30日(土)10:00~4月6日(土)14:00
■視聴方法:「Rakuten TV」「U-NEXT」「Lemino」にて配信
■視聴料:3,500円(税込)
〈詳細〉https://www.tca-pictures.net/haishin/live/#rrr-tokyo

【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】

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