横山拓也作・演出、  iaku『流れんな』開幕!

横山拓也の作・演出による『流れんな』が、7月11日に下北沢 ザ・スズナリで開幕した。

この作品は、2013年から2014年にかけて4都市で上演され、今回10年ぶりの再演となる。初演では上田一軒が演出を手掛けていたが、今回は横山拓也自身の演出となっている。

横山は今回の上演が発表されたとき、「再演では、漁で栄える港町の食堂に集う人物たちの濃度を上げようと、主に広島出身の俳優陣で固め、全編広島弁に改稿した」と語り、また「海洋汚染や企業の隠蔽体質といった社会的な問題、また、出生前診断や生体肝移植における倫理的な問題など、現在においても解決をみない諸問題が多数描かれている」と語っている。昨年上演した『モモンバのくくり罠』で第27回鶴屋南北戯曲賞を受賞し、外部公演への書きお下ろしでも高い評価を受けている横山拓也が、iaku初期話題作『流れんな』を2024年版として上演する注目の舞台だ。

【あらすじ(イントロダクション)】

小さな港町にある食堂とまりぎ。父が一人で切り盛りしている店をずっと手伝ってきた娘、長女の睦美と、結婚して家を出た妹、皐月は一回り歳が離れている。母親が店のトイレで倒れたのは睦美が中学1年生のとき。そのとき、1歳にも満たなかった皐月には母親の記憶が無い。母の死から26年という長い年月が経った今、とまりぎは災難の渦中にある。店でも使っている食材、地元で獲れた月日貝から貝毒が見つかった。時を同じくして父が倒れ、店は休業を余儀なくされた。流すことができない苦悩を抱えた人々、その家族、店、町、海…。それでも、ここで生きていく。

【開幕コメント】

横山拓也

いつでも「自分が何度も観たいと思える芝居をつくる」という目標で創作しています。今回、初日までに10回通しをしましたが、何度見ても飽きないし、何度見ても心を持っていかれます。冒頭15分くらいからずっとクライマックスが続いて、5人の俳優の一挙手一投足が見逃せません。スズナリの空間がひしゃげてしまうくらいの圧力、高密度な会話のやりとりを体験してください。これぞiakuという作品になりました。

【公演情報】

iaku『流れんな』

作・演出:横山拓也 

出演:異儀田夏葉、今村裕次郎(小松台東)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、松尾敢太郎(劇団あはひ)、宮地綾

●7/11~21◎東京 下北沢 ザ・スズナリ 

●7/25~29◎大阪 インディペンデントシアター2nd 

●8/3・4◎愛知 メニコン シアターAoi 

●9/6~8◎広島 JMSアステールプラザ 多目的スタジオ 

〈公式サイト〉http://www.iaku.jp/

 

【舞台撮影/木村洋一】

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