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(雑誌『演劇ぶっく』は2016年9月より改題し、『えんぶ』となりました。)
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いよいよ開幕! ミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』に主演!彩風咲奈インタビュー

『天使にラブ・ソングを…』のタイトルで日本でも大ヒットを記録した映画のミュージカル版として、上演を重ね愛され続けるミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が、3月25日~4月21日、日本橋浜町の明治座で上演される(のち、5月5日~7 日大阪・梅田芸術劇場メインホール、5月15日~16日長野・サントミューゼ[上田市交流文化芸術センター]大ホール、5月23日~24日宮城・仙台銀行ホール イズミティ21、5 月29日~31日愛知・愛知県芸術劇場 大ホールで上演)。

2014 年に日本初上陸となった帝劇公演は、「一緒に踊ろうカーテンコール」の大熱狂とともに連日満員の客席に笑いと感動が舞い降り、2016 年には早くも帝劇で再演され、続く2019 年~2020 年、2022 年~2024 年にかけての公演も全国各地で喝采を巻き起こしている。
そんな作品の初演からヒロイン・デロリス役を演じ続けている森公美子とのWキャストで、デロリスとして初登場するのが彩風咲奈。抜群のプロポーションと温かい芸風で、宝塚雪組のトップスターとして活躍した彩風にとって、これが退団後初のミュージカル作品への出演となる。
そんな彩風に、作品や役柄の魅力、さらに新たな舞台に立ついまの心境を語ってもらった。

デロリスの成長物語だと感じる

──日本でも長く愛されているミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』に初参加されて、改めて作品に感じている魅力を教えてください。

ここまで誰もがハッピーになれる作品って珍しいのではないかなと思うほど、素敵なミュージカルだなと思います。色々な立場の人が出てきますし、それぞれの想いもあるのですが、最後はみんながひとつになって、歌って踊って盛り上がれる。楽曲も多彩でワクワクするものばかりですし、そういったすべてが魅力だと思います。

──そのなかで演じるデロリス役についてはいかがですか?

この物語自体が、デロリスの心の成長物語でもあるんだなと感じていて。はじめはギャングのボスのカーティスの愛人になってでも、スターになろうとしていたデロリスが、思いもかけなかったことに遭遇し、幼馴染の警察官のエディのはからいで修道院に入り、修道院長様をはじめシスターの皆さんに出会ったことから、はじめて人の本当の優しさや温かさに触れていく。それによって自分が何よりも大切だと思っていた夢よりも、この人たちと一緒にいることの方が大事だと感じるようになる。そのデロリスの変化、成長が描かれているんですよね。ただ演じる上では最初からそのことに気づいていてはいけないので、はじめはそういう感情をいっさい持たずに臨みたいです。

──劇中で変化していくデロリスを大切にされたいのですね。

そうですね。タイミング的にもこの作品は私が宝塚を卒業して初めて挑戦させていただくミュージカル作品、つまり舞台で男役としてではないお芝居をする初めてのお役なので、そう考えると突然新しい環境に入っていって、わからないことだらけのなかで、体当たりで生きていくデロリスが、少しいまの私に似ているなと思うんです。これまでは宝塚歌劇団のなかで、いつも同じ仲間や、スタッフの方々と作品創りをしてきたのですが、今回全く「はじめまして」の方々とご一緒にさせていただいているので、皆様とのお稽古の一つひとつが本当に刺激になっていて。そこから生まれるものを何より大切にしながら、変わっていくデロリスを丁寧に演じたいです。

──そのなかでも、初演からずっとデロリスを演じられている森公美子さんとWキャストということについてはいかがですか?

クミさんは、いまおっしゃったように初演からずっとデロリスを演じられている方というだけではなく、もう日本のデロリスと言えばクミさんだとみなさんが感じていらっしゃる方だと思うんです。でもそんなクミさんが今まで積み上げられてきたものだけではなくて、毎回ゼロからはじめるつもりで作品に臨んでいるとおっしゃっていることに感動しています。しかも一緒にお話しをさせていただいていても、本当に温かくてお優しくて、言葉の一つひとつがとても素敵なんです。あぁカッコいいなぁと思う瞬間がたくさんありますし、クミさんがゼロからのスタートと思っていらっしゃるのですから、まったくの白紙からの私はより体当たりで臨まなければと。宝塚にいる時も上級生の方々を見て学ぶということがとても貴重な経験だったのですが、いま外に出て初めてのミュージカルで、再びクミさんから舞台に対する姿勢など様々なことを学ぶ機会をいただけた。こんなにも素晴らしい方とWキャストでやらせていただけていることが本当にありがたいなと思っています。その上で、精一杯自分なりのデロリスを表現していきたいです。

──いま宝塚時代に上級生の方々を見て学んだというお話がありましたが、今回修道院長役で宝塚の大先輩の鳳蘭さんともご一緒されていますね。

ツレさん(鳳の愛称)とご一緒のシーンが多くて。はじめは私がツレさんとお芝居をさせていただくなんて、と内心ひっくり返りそうだったのですが、デロリスとしてはバチバチと戦っていかなければならないので、そういう下級生としての気持ちはそっと隅に置いて挑んでいます。こんな機会をいただけたことが光栄です。

──他のキャストの方々もミュージカル界の錚々たる顔ぶれで。

本当に皆さん素晴らしいですし、なかでも私はエディの廣瀬友佑さん、カーティスの松村雄基さんをはじめ、男性キャストの皆さんとお芝居をするのも初めてなんです。コンサートで歌やダンスではご一緒していますが、やっぱりお芝居を創ることはまた違い、ちょっと男役時代の仕草が出たりもしているのですが(笑)、すべてが新鮮で、たくさんの学びをいただいています。

いまスタート地点に立っている

──彩風さんはいまお話に出た退団後の初コンサート『no man’s land』で、ご自身の立ち位置を「中間地点」と表現されましたが、いまのご自身はどこに立っていると思われますか?

やっとスタート地点に立ったなという気持ちです。この 1 年間で『no man’s land』と、二回のディナーショーをさせていただいたのですが、そのなかでは宝塚時代の作品に触れることも多かったので、いよいよデロリス役で舞台に立たせていただくことで、スタート地点に立ったんだなと。退団してからは色々な舞台も積極的に観に行っているのですが、やっぱりこれまでは宝塚以外の舞台を拝見していても、男役目線で観ていたんですよね。でもいま先に卒業した宝塚時代の下級生たちが様々な作品で大活躍している姿を観ていると、舞台での在り方や、立っている姿だけからでも、これまでは感じられていなかった新しい学びがたくさんあるんです。「あぁすごいな、私の方が上級生だけれど、外の世界ではみんな先輩なんだ」と思えて。ですから本当に自分はいま、ここからがスタートなんだと思っています。女性として役を演じるということから全く違う世界なので。

──その違いをいま感じられている?

コンサートの段階でも既に、違うなと感じてはいたんです。ダンスにしても歌にしても、「男役」というフィルターを通さないと、まるで違う世界なんですよね。発声もいままでは確かに自分の声ではあるけれど、「男役」の声なので本来の自分自身の声とは違うものだった。でもいまは自然な発声で表現できているので、自分としても新しい感情がどんどん生まれているんです。それがすごく楽しいですし、これからもずっと探求し続けていくことになると思っています。

──色々な舞台をご覧になっているなかで、特に印象に残るものや、ご自身がこんな作品もやってみたいな、と感じられているものはありますか?

すごく刺激を受けたのは咲妃みゆちゃんが出演していた『クワイエットルームにようこそ』です。精神病院の閉鎖病棟が舞台なので、登場人物それぞれの人生には様々な背景があるし、たくさんの事情を抱えてもいるのですが、物語の展開としては幕を開けてから終わりまで、すごく大きな出来事があるという訳ではないんですね。でもまるで自分も同じ病棟のなかに行って体験したような気持ちになって、大笑いして、泣いて、最後にすごく爽やかな気持ちになった、という経験をしたのが強く印象に残っています。私はもともとロマンチックなものが好きでしたし、特に宝塚は『ベルサイユのばら』をはじめとして、激動の時代を生きた人たちの恋愛を描いた作品が多いんです。だからこそ私は宝塚が大好きなんですけど、革命も起きなければ、歴史が大きく転換するわけでもない、日常の地続きのような世界のなかで描かれる世界もこんなにも素敵なんだと思えて、こういう作品にもいつか挑戦できたらなと感じました。

──そんな風に視野を広げられているところで、宝塚の舞台もよくご覧になっていると伺っていますが。

はい、昨年は全作品ではないのですが、五組すべての公演を観ることができたんです。この組にはこんな人がいるんだとか、組ごとの魅力も客観的に発見できましたし、雪組の舞台は親のような気持ちになったり、組長さんを観てすごいな、素敵だなと思ったりするなかで、やっぱりここが自分の原点なんだと思いました。他の舞台もたくさん観て、改めて宝塚を観に行くと、宝塚は現実じゃなくて、濃密な三時間の夢を見せてもらえるところだなと実感します。自分でも面白いのですが「今日宝塚を観に行くんだ」と思うと、何を着よう、ちょっと組カラーを入れて行こうかなと思うんですよ。皆さんも、雪組だったら雪の結晶のブローチをつけてきてくださったり、観劇ルックに気合いを入れて来てくださる方が多いじゃないですか。その気持ちがいますごくよくわかります。本当にみんなが夢を創ってくれている世界なので、私も宝塚を観て元気をもらえることを、これからも楽しみにしています。

──そんな彩風さんの舞台から元気をもらっている方もたくさんいらっしゃるので、素敵な循環ですね。新しいお仕事の発表もあり、これからの彩風さんのご活躍を楽しみにしていますが、まずはこの舞台『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト』を心待ちにしている方々にメッセージをいただけますか?

私自身もこの作品に触れて、毎日刺激とパワーをいただいています。人と人との繋がりを感じられるのが作品の素敵なところで、物語の発端はあまり日常に起きることではありませんが、修道院での日々や、人との絆は日常のみなさんのすぐ近くにあるものだと感じます。ですから是非劇場に来ていただいて、人の温かさと素敵さを感じていただきたいです。なんの予備知識もなくご観劇いただいても、ノリノリの音楽とスピーディな展開に笑って、泣いて、楽しかった!と思っていただける、ファーストミュージカルにもピッタリの作品ですので、幅広い年代の方に観にきていただけたらと思っています。劇場でお待ちしています!

【プロフィール】
あやかぜさきな〇愛媛県出身。2007年宝塚音楽学校を首席で卒業し、宝塚歌劇団に入団。星組公演『さくら』『シークレット・ハンター』で初舞台を踏み、その後雪組に配属。新人公演では 5 度の主演に抜擢され、バウホール公演、日本青年館ホール公演など、多くの公演で主演を重ねる。21 年雪組トップスターに就任。『CITY HUNTER』『蒼穹の昴』『ボニー&クライド』など多くの作品で活躍し、24 年『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』で宝塚歌劇団を退団。ファーストコンサート『no man’s land』を経て、今作品がミュージカル初主演となる。7月~8月『HiGH&LOW THE戦国 外伝』への出演が控えている。

【公演情報】
ミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』
音楽◇アラン・メンケン/歌詞◇グレン・スレイター
脚本◇シェリ・シュタインケルナー&ビル・シュタインケルナー
追加脚本◇ダグラス・カーター・ビーン
映画原作◇タッチストーン・ピクチャーズ映画「天使にラブ・ソングを…」(脚本:ジョセフ・ハワード)
演出◇山田和也・鈴木ひがし
出演◇森公美子/彩風咲奈(Wキャスト)
石井一孝/廣瀬友祐(Wキャスト)
松村雄基 梅田彩佳
岡田亮輔 施鐘泰 山崎大輝 柳本奈都子 河合篤子 家塚敦子
保坂知寿 太川陽介
鳳 蘭 他
●3/25~4/21◎明治座
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブTEL:0570-00-7777(ナビダイヤル)
〈公式サイト〉https://www.tohostage.com/sister_act/index.html

《全国ツアー》
●5/5~7◎大阪・梅田芸術劇場メインホール
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 TEL:0570-077-039
●5/15~16◎長野・サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール
〈お問い合わせ〉NBS長野放送 事業部 TEL:026-227-3000
●5/23~24◎宮城・仙台銀行ホール イズミティ21
〈お問い合わせ〉仙台放送 事業部 TEL:022⁻268⁻2174
●5/29~31◎愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
〈お問い合わせ〉キョードー東海 TEL:052-972-7466

 
【取材・文/橘涼香 撮影/中村嘉昭】